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「1日100本」伝説の喫煙者に遭遇したお話し

つい最近、馴染なじみの友人と飲みに行きました。

一次会で盛り上がり、
二次会に行こうと夜の街へ…

「目的のスナックまで時間がある」
友人は言うので、
近くのスナックへ足を運びます。

時間つぶしにあらわれた
わたしたちの目の前のそのお店は、

ボヤっとした照明で光る看板。
外壁につたのようなものが張っている。
店内のカウンター席には喪黒もぐろ 福造ふくぞう
座ってそうな雰囲気を漂わせていました。

喪黒もぐろ 福造ふくぞう
 「笑ゥせぇるすまん」の主人公。
 黒いスーツ姿で佇んで、決めセリフは
 「ドーン」と指を差す。


「ずいぶん、さびれた外見だな~」と
感じたそのお店は、
「”この辺”では、最古の店だ」と
友人は説明してくれました。

カランッ、カランッ

店内に入ると、長いカウンター席と
後ろに深々と座るソファー席が
3つ、4つほどあります。

カウンター席には初老の男性が一人。
その男性は、お店のママと談笑しています。

店内は、二人(初老の男性、お店のママ)
しかおらず、入った瞬間に
わたしたちは注目の的でした。


店のママに「さぁ、こっちへ」と
カウンター席の奥へ案内してもらい
瓶ビールを一本、注文。

さっそく友人と乾杯します。


* * * * *


テレビも付いていない店内でしたから、
シーンと無言でいるには耐えられません。

何気ない話題で、店のママと会話します。

そのうち、お店の事情を教えてもらいます。

「昔は、毎日60人詰めかけたのよ」

「従業員は10人以上、雇っていたわ」

「つい最近、
 開店60周年パーティーを開いたわ」

など…
なかなかに驚きの連続です。

隣の男性も「うんうん」とうなづきながら
聞いていらっしゃいました。

そして、おもむろに
友人はタバコに火をつけます。

すると、隣の男性から
「へぇ~、タバコ吸うんだ」
「最近の若者としては珍しいね」
と友人に話しかけてくれました。

「わたしも、昔は
 ヘビースモーカーでね…」と言いながら、
焼酎グラスをグイっと飲み干します。

すかさず、わたしは
一日いちにち、何本 吸われてたんですか」
と質問しました。

「んっ?一日いちにちかい??」

「そうだね、1日100本は吸ってたよ」
と返ってきました。


「えっ!?」

一瞬、脳がフリーズします。

1日100本??

1日10本の間違いではと、
もう一度確認すると…

「いやいや、ホントホント。
 1日100本吸ってて
 中学のときからだから、
 約40年間は吸ってたよ」


んっ?ムムムっ??

もう、どこから突っ込んでいいのか
分からず、友人の顔を二度見しました。

たしかに1日1箱空ける人は、
よく見かけます。

1箱19本なので、
”1日19本吸う”計算です。


つまり、その男性は
1日5箱以上空ける計算になります。

5箱×19本=95本

当時は、1箱20本入りだったので
それでも1日5箱は変わりません。

1日5箱!?
ビックリですよね!!


そして、もうひとつ驚くべきは
「吸うペース」です。

たとえば、
10分おきに1本吸うケースの場合。

1時間で6本を吸うことになります。

ということは、
10時間で60本 吸います。

20時間で120本に到達します。

さすがに「20時間」は
人の活動限界を超えています。

だいたい7~8時間の睡眠時間として、
人の平均的な活動時間は
15~16時間ほどです。

15~16時間の間に
100本のタバコを吸うために
必要な「吸うペース」を計算すると…


16時間=960分

960分÷100本=9.6分

9.6分おきに
1本吸うことになります(*_*)

そして、日常の生活で
つねに9.6分おきにタバコを吸う時間を
確保できるわけではありません。

ご飯を食べる時間、仕事する時間など…

タバコを吸う時間以外にも
多くの時間を消費します。

ということは…

喫煙時間だけの間に「吸うペース」は
おそらく1分おきに1本だったはずです。

男性に話を聞けば、
「前のタバコの火が消える前に、
 次のタバコに火を付けていた」

と公言していました。

「えっ、そうまでして吸う?」

と心の中で、思わず仰天しました。



* * * * *


まだ、話には続きがあります。

じつは、
その初老の男性の目の前に
灰皿はありません

「あれ?
 いまは喫煙されてないんですか」

と尋ねると…

「うん、定年とともに
 タバコは辞めたんだ」

「それまで、
 カートンで溜めてたタバコの箱も、
 定年の日を迎えたと同時に
 クシャクシャに丸めて
 ゴミ箱にポイッとしたよ」


スゴーーイ!!\(*_*)/


話しの冒頭にも出ましたが、
この男性は40年以上の喫煙経験
お持ちの方です。

もう…
そこまで長いこと吸ってたら、
普通は辞めれないもんです。

「おれは死ぬまで吸う」と
鼻に酸素パイプを入れながら
言い放つ人も知っています。

ましてや、
40年近く毎日100本吸う人であれば、
まず”やめられない”と
考えますよね(;´Д`)>

それが…

毎日100本でも伝説級なのに、
禁煙にも成功したですと!?

「いや、あなたは国宝級ですよ」
と喉元まで出かけてました。


男性のお話ですと、
もともとは”やめたい”
考えていたそうです。

ヤニ臭いし、
口の中は気持ち悪いから。

そして、
「毎日100本吸っていたから、
 やめれたのかもしれないね」

とおっしゃっていました。


最後の言葉は、奥が深いですね。

もう…いくとこまでいくと、
後悔せずにスパッと
やめれるのかもしれません。

なかなか真似はできないですが、
なんとも豪快なお話でした。


* * * * *


その後、友人は
「ここのポテトサラダは美味しい」
と言って、
ママ自家製のポテトサラダを
二杯おかわりしていました。

マヨネーズを使用しない
ポテトサラダで美味しかったです。

その店には、
30分ほどの滞在時間でしたが…

伝説級の喫煙者に出会えましたし、
なんとも濃ゆい時間でしたね。

「いやいや、わたしは
 毎日1,000本吸っていたよ」
という人は、
コメントお待ちしております(*´艸`*)

では、また。
失礼します。

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