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母なる自然を撮った優秀作 (6) 極北カナダのクマ

<BigPicture写真賞>からフォト ストーリー「想像以上だった・クルクシュの氷グマ」by P. Mather、カナダのユーコン準州にて。

ユーコン準州のハイイログマ(グリズリー)は、クルクシュなど先住民族の村近くの川で産卵の遅いサケの群れを捕まえるため、毎年冬眠を遅らせます。

氷点下の気温で釣りをするので、小川の水が凍ってさらに毛皮まで凍ると、クマはつららに覆われ、シャンデリアのようにそれを揺らしながら歩きます。

しかし年ごとに冬の到来が遅くなり、鮭を運ぶ川が氷河の後退により途絶えつつあり、餌となる鮭がかなり減ってしまったため、この突飛な氷グマの姿も消えてしまうかもしれません。

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ユーコン準州北中部は氷河期にはベーリング地峡の一部であり、考古学上の発見によって北米における初期の人類が居住していたとされています。

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大自然豊かなユーコン準州には3種類のクマが生息しています。北極グマは北極圏の限られた地域にしか生息していないので一般的に目にすることは殆どないが、一方、ハイイログマとアメリカクロクマは同州都ホワイトホース市内にも生息しています。

小型のグリズリーにとって日中の活動は得意でもないのですが、大きなクマを避けるためにはやむをえません。そして、その苦労は獲れたての鮭を食べることで報われます。

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地元の雄(ゆう)であることから人々が「Mayor/市長」と呼ぶグリズリーは、倒木を利用してクルクシュ渓谷を渡ります。

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大きな体と黄みがかった独特の爪が特徴ある「市長」は、撮影者のリモート カメラの近くで捕ってきた鮭を食べ尽くしました。

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クマは魚が見えない夜に狩りをすることがよくあります。彼らにはサケの産卵床を嗅ぐことができるからです。

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12 月下旬オーロラの下で。魚が終わった後、クマは高い山に移動して雪を掘って巣穴を作り、冬眠を始めます。

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続く。

https://www.bigpicturecompetition.org/2021-winners

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