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面白い本・好きな本|芸術の歴史は繰り返す[暇と退屈の倫理学、アナロジア、old is new]

ローカル マテリアル クラフトマン

これからの100年、デザインの潮流はこの3つのキーワードがポイントかも?というひとりごと。
仕事がひと区切りつき、ゆとりが生まれた機会に、長年のもやもやを思い切って整理する。捉えどころのないデザインの歴史を、200年の大きな波として考える。

ゴシック、ルネサンス、バロック、アーツアンドクラフツ、デザインの大きな変遷が、社会的インパクトの後に醸成されている。これからの時代は、グローバルからローカルへデジタルからアナログへ合理性から手仕事へ

民藝2050 新しいルネサンスへ

東大寺南大門|金剛力士像

いろいろな人の、いろいろなコトバ

美術、哲学、科学、経済、工藝、歴史。いろんな本を読む中で、自分の中で印象に残ったコトバを書き留めるようにしている。かれこれ15年以上やっていること。

書き留めたコトバは、しばらくそのまま振り返る事もなく放置する。ふと、蓄積されたコトバの山を見返すと共通点が浮かび上がってくる。自分の気になるコトバを掻き集めているのだから、そりゃそうなんだけど、集めて、放置して、一望しないと出てこない。

点と点がつながって 線 になる
線と線がつながって 星座 が浮かびあがる

星座になった光るコトバを下記の通り。
学問分野を問わず、多くの方が歴史の変化を予感している。ひとりひとりは、ひとつの波を感じているんだけど、コトバを集めると大きな歴史のうねりになっている。

金堂|盧舎那仏

杉本博司|現代美術作家

産業革命からウィリアム・モリスの「アーツ・アンド・クラフツ運動」までが約100年。1920年のモダニズム建築が確立してから約100年。手仕事や素材のよさをもう一度見直す時期。

Old Is New

國分功一郎|哲学者

暇が生まれるとどう飾るかが重要。産業革命によって暇を得た社会でどこに向かっていくか。
ウィリアム・モリスは“生活をどうやって飾るか”が大切だという。暇を得た現代も芸術作品を味わい、生活を彩り、楽しむことになる。

暇と退屈の倫理学

ジョージ・ダイソン|科学史家

デジタルの次はアナログへ。手仕事の時代、機械の時代を経て現在はデジタルの時代。0と1の2つの数値で離散的に値が変化するデジタルから、連続的になめらかに変化するアナログの時代への移行を予言する。

アナロジア

水野学|デザイナー

技術がピークを迎えるとセンスの時代がやってくる。戦国時代に戦闘技術がピークを迎え、安土桃山で茶の湯や芸能に夢中になる。現代、情報革命によって人類は再び進化を遂げた。これからの時代はセンスの時代。

センスは知識からはじまる

安西洋之|ビジネスプランナー

グローバルなラグジュアリーからローカル文化のラグジュアリーへ。物理的なモノの価値だけでなく、背後にあるストーリーや文化にもラグジュアリーの領域が拡大してきている。「本物」の美しさの時代へ。新しいルネサンス。

新・ラグジュアリー

細尾|織元

手でモノをつくる」ことが創造性の原点。機械やコンピューターの力が大きくなった現在の社会にあってこそ、工藝へと立ち返り、「技術」と「素材」を活かした創造性を再認識することが重要。職人=クリエイターの時代へ。

日本の美意識で世界初に挑む

参考文献

Old Is New

意識と無意識の狭間

漆喰そのものが稀になった現在、普通は白の漆喰に炭の粉を混ぜて黒にするのはさらに稀だ。乾くのに時間がかかる。数日後、その面に立ち現れたのはほぼ無意識のコテの痕跡だ。私はそこに意識を超えた美しさを見出すのだ。

大昔、人が意識と無意識の狭間で描きはじめた洞窟壁画もこのようにはじまったのに違いない。

Old Is New、忘れられた古代の魂、私は現代にあって、その魂の姿をもう一度見てみたいのだ。


暇と退屈の倫理学

「暇」とは何か

人間はいつから「退屈」しているのだろうか。答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう――

現代の消費社会において気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー


アナロジア

自然と機械が融和する新たな世界像

0と1で世界のすべてを記述することは本当に可能か。デジタルの限界が露わになる時、アナログの秘めたる力が回帰する――

カヤックビルダーとしても著名な科学史家が博覧強記を揮い、ライプニッツからポストAIまで自然・人間・機械のもつれあう運命を描く


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