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笑いながら泣く人


以前職場に私ととても趣味の合う女性がいた。ドラマや本、音楽、可愛い物や好きな俳優さん、私が好きなものは彼女の好きなもの。私が読んで面白かった本を紹介すると彼女も読む。面白いと思うドラマをすすめると、途中からでも観る。そんな感じだったので、私は調子に乗っていろんな好きを彼女と共有した。好きの共有、こんなに楽しいことは無い。


中でも特に盛り上がったのはドラマ『バイプレーヤーズ』。元々彼女は大杉漣さんの大ファンだった。(ちなみに私は松重さん推しだ。)あのドラマが始まってからは、毎週放送後にはドラマの話に花が咲いた。シーズン2の時突然の漣さんの訃報には2人してショックを受けた。それでもバイプレーヤーズは最後まで放送され、ドラマとして成立した。先日最終回を迎えた、シーズン3。私は録画を録り溜めしていたので、休日に一気に観た。笑いながら泣いた。竹中直人の笑いながら怒る人みたいな、笑いながら泣く人になった。久々の寺島さん登場シーン、あそこは皆、アドリブだったのかな。5人が歩いて去っていく後ろ姿のシーンが長めだったから、漣さんも一緒に歩いてる気がした。ジャスミンの回でもさりげなく漣さんのシーンが挿入されてて、泣いたね。やられたね。映画、観るよね。


『俺の家の話』でも、私はやっぱり笑いながら泣く人になった。面白くて笑っているのだが、笑いすぎて泣くのとは違う。なんていうか、笑ってるんだけど、そこに人の温かさとか優しさがあって、じーんときちゃう。そもそも、そういうじーんときちゃうシーンに笑いとかいらないんだけど、そこがクドカンのすごいところ。西田さんのジュジュ、なんか可愛かったなぁ。うまいなぁ。こんなに愛おしいドラマが終わってしまった今、完全に観山家ロスだ。観山家最高。寿一最高。


『天国と地獄』でも私はやっぱり笑いながら泣く人だった。突飛な設定で先が読めなくてすごく悪い予感もあったのに、そんな中で溝端くんや柄本さんがいい塩梅だったよね。北村さんもカッコよかった。あと劇伴がツボだった。あの曲が流れると涙が出てしまう。さながらパブロフの犬みたいだ。


『にじいろカルテ』も優しかったなぁ。優しくて温かくて、毎週泣いてた。死んじゃうていで観てたから、ちょっと肩透かしだったけど、生きて戻ってきた方が泣けるっていう。素晴らしいバイプレーヤーさんたちの演技があってこそ。あそこまで演技派が揃うと、安心感だよね。新しい井浦さん、新しい北村匠海くん、素敵だった。あと、安達祐実が可愛いすぎた。藤井風の主題歌も良き。


そんなわけで、今期のドラマではいっぱい泣いた。
おじさん達が、どアップで熱くセリフを言い合うドラマも良いけど、ゆるく優しく温かく、おじさん達(だけじゃないけど)がおじさんらしい懐の深さで包んでくれる、そういう心地よさが私にはちょうど良かった。
さて、4月からは何を観よう。



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