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マナー上手な人になる



ある新聞に、各界の著名人が、親交が深い人物との交友録や思い出を紹介するコラムがある。先日そこに聞き覚えのある名前が登場した。ある著名人の方の高校時代の部活仲間として登場した。誰だったっけーと考えて思い出した。私の高校の同級生の旦那さんだった。


その同級生との付き合いは今や年賀状のやりとりのみ。彼女が結婚して一度だけお家に遊びに行ったことがある。オシャレなマンションで専業奥様をしていた。ふと思い付いて彼女のことを検索してみた。すると彼女は今、マナー講座の講師になっていて、地元企業からひっぱりだこの人気講師だった。学生時代から美人でスタイル良し、頭も良し、大学卒業後CAになったが直ぐに結婚して辞めた。その彼女がマナー講座の講師。こんなにピッタリな人はいないと思った。でも実は彼女、その見た目とは違って、めちゃくちゃ面白い人だった。彼女の十八番のネタがあって、書くのも憚れるほどのなかなか下品なネタで、彼女がそれをやることでそのギャップが大いにウケていた。気取らない、超楽しい人だった。


年末に放送されたドラマで、マナーについてとても考えさせられた。ドラマでは、別荘を買うために、そこのオーナーの厳しい試験に合格しなければいけないという。オーナーはマナーにとても厳しい。一つでも違反をおかせばその時点で試験も交渉も終了となる。再トライする場合には、一つ違反する度に、大切な何かが失われてしまうという恐ろしいルールがあった。


そのドラマの中に、イギリスの女王の逸話が出てきた。女王主催の食事会で招待客の一人が手の指を洗うボールの水を飲んでしまうという、マナー違反をおかした。すると女王は、その客に恥をかかせないように自らもその客と同様にボールの水を飲んだ。実話かどうかはわからない。ただここから分かることは、マナーとは“相手を不快にさせないこと”であり、“マナーに違反した人に対して、それがマナー違反だと指摘すること”こそが最もやってはいけないマナー違反だということだ。もう一度言おう。相手のマナー違反を指摘することが最大のマナー違反だ。


そして、それならば逆も然りだ。相手を不快にさせないことがマナーであるなら、礼儀としての最低限の作法は身につけておくべきだと思ったのだ。


うちの旦那さんとフランス料理のフルコースを食べに行く(たまにしかないが)と、旦那さんは上品なお料理ではお腹に足りず、パンでお腹を満たそうとする。何回も何回もおかわりする。挙げ句の果ては、私におかわりをさせてそれも食べてしまう。私は「恥ずかしいからやめて」と言うが、気にしない。食べたいから食べる。せっかく高いお金を払うのだから、美味しいものでお腹を満たしたい。それだけだ。今なら旦那さんのおかわりを受け入れられる。作った人からしてみれば美味しい美味しいと言って食べてもらえることこそが喜びだ。そして、美味しい美味しいと食べることもマナーだ。

好きなだけパンを食べるが良い。



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