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にぎわう我が家②〜長女の出産


9月6日の朝早く、長女から着信。
「夜中にお腹が痛くなって、“おしるし”があったから病院に行ったけど、まだ子宮口が全然開いてないからって、帰された」痛みの間隔を聞くと、今は10分くらい。

「次、病院行く時は入院したいから、ギリギリまで待ってから行く」とのこと。
「家に行って、腰でもさすろうか?」と聞くと、珍しく長女が「そうやな。誰かいてくれたら安心だし」とちょっと不安げな様子。午前中はずっと一人で痛みに耐えていたのですから、何かしてあげたい。その日はちょうど別件で午後から休みを取る予定にしていたので、用事を済ませて長女宅へ。ソファーやクッションが柔らかすぎてとにかく腰が痛い、腰にかます少し硬いもの、例えばテニスボールのような物が欲しいと言うのですが我が家にはなく、代わりに私のマッサージクッションを持って行ってみました。普段なら文句を言うところ、さすがに文句を言う元気はなく黙って使ってくれました。痛みが訪れると腰を、それ以外の時間は足を揉んだりしながら娘と過ごす時間。

「揉むの、上手やな」
と褒めてくれました。

「お母さんはいつもいろんなとこが痛いから、どこを揉んだら気持ちが良いかとか、どれくらいの力加減が良いとかが分かるんよ」と、少し自慢げに言ってみたけど、内心は喜んでもらえていることが嬉しいのが親心。夕方の5時過ぎて、痛みが強くなり、間隔も短くなってきたので病院に電話。現状を伝えたら、来なさいと言われ私が車に乗せて行くことになりました。家から病院まで約40分、夕方の道が混む時間帯なのでもう少しかかるかも知れない。車の後部座席で「痛い、痛い、痛い」と泣きそうになりながら声に出す長女。「ひぃひぃふぅー、ひぃひぃふぅー」と呼吸法を口にする私。


「痛いよね、頑張ろうね、もうすぐ赤ちゃんに会えるからね、お腹ちゃん、お母さんを困らせないで早く出ておいでね‥」今私に出来ることは痛みの度にいろんな言葉を口にしながら、病院を目指すこと。ガンバレ、ガンバレ!


あまりの痛さに「次、子どもを産む時は、絶対無痛分娩にする」と言い出す始末。まあそれも良い。だけどそうは思ってても、生まれたらすぐにその痛みは忘れちゃうんだけどね。


6時すぎ、病院に着いた頃には、痛みが強すぎて自分では歩ける状態ではなかったので、インターフォンで看護師さんに伝えて、駐車場まで迎えに来てもらいました。「お母さんは駐車場でしばらくお待ちください」と言われ待っていると、長女から電話。「入院になりました」



看護師さんが車まで入院の荷物を取りに来てくれた時「今子宮口の開きは5センチです」と教えてくれました。まだ時間がかかりそう。コロナ禍で、出産時も病院に入れるのは家族一人だけ。当然それは、私ではなく、長女の旦那さん。仕事先から病院に駆け付けた旦那さんにタッチして、私は家に帰りました。


私は家に帰ってから、その日の満潮時刻を調べてみました。科学的根拠はありませんが、満月の日や満潮の時刻に赤ちゃんが生まれることが多いと聞くからです。その日の満潮時刻は夕方の4時すぎと、夜11時24分。夕方の時間はもう過ぎたので、次は11時過ぎか。あと5時間ちょっと。きっと今日中には生まれるな、と思いました。


吉報は夜11時過ぎ。長女から電話が。

「生まれたよ」
満潮時刻と出産ってやっぱり関係があったのかも知れない。母子共に元気そうでホッとしました。3500gを超える大きな男の子。小柄な長女が大きな男の子を産んだ。よく頑張ったね。家族だけが赤ちゃんの写真や動画を共有できるアプリがあって、早速登録。すぐに長女と赤ちゃんの写真が送られてきてその様子を見てもう一度ホッとしました。次の日に夕飯を食べに来た長女の旦那さんを労うと、立ち会い出産時に、腰の揉み方が下手だと長女に怒られたらしく、「お母さんは上手だったって言ってました」


えへへ。私はまた鼻を高くしたのでした。コロナ禍で、赤ちゃんに会えたのは11日の退院後のこと。写真で見てた時は、なんて大きな赤ちゃんだろうと思っていたけど、実際に目の前にしたらやっぱりとても小っちゃくて、男の子らしい、ゴリっとした、不細工な顔なんだけど、とにかく可愛い。こりゃ、何時間でもずっと見てられる。そんなわけで、つい先日までは私と次女だけの生活だったのが、今我が家は、ちゃま、長女、赤ちゃん、そして時々長女の旦那さんが加わってとても賑やか。


家族が揃って、皆元気で、これ以上の幸せはないなぁと実感しています。

つづく



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