いい波が来たらサーフィンに行ってもいい会社
機能性と耐久性に優れたウェアを販売し、世界的に人気を集めているパタゴニア。
でも、その人気の秘密は単に製品の質の高さだけではありません。
最近注目されているのは、パタゴニアが取り組む環境保全とサステナビリティへの姿勢。
パタゴニア製品のほとんどはリサイクル原料から作られていて、これはサステナブルな製造プロセスの実現を目指した環境的責任プログラムの結果です。
では、パタゴニアはどのようにしてこれらを達成しているのでしょうか?
ユニークな経営スタイル
パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードが著した『社員をサーフィンに行かせよう パタゴニア経営のすべて』には、彼らのユニークな経営スタイルが紹介されています。
面白いのは、タイトル通り、社員をサーフィンに行かせるという思い切った方針。
「良い波が来たら、サーフィンに行っていい」というルール(フレックスタイム制度)があるのです。
でもこれは、単なる福利厚生ではなく、意図があります。
もちろん創業者がサーフィンが好きということも多分にあるようですが(笑)、それだけではなく、社員が一丸となって生産性を高め、仕事を効率的にこなすためのモチベーションのひとつになります。
たとえば、朝、今日はいい波が来るとわかったら、、、
・・・と、一致団結して短時間で生産性高く仕事に取組むことにつながるからです。
そしてもちろん、好きなサーフィンを楽しむことで本人の気分も上がりますよね。
環境ドリブンの決断
そんなパタゴニアは、SDGsなどが叫ばれる前から環境負荷の少ない製品に切り替えていました。
でもそれは、徐々にではなく、一度に全部。
パタゴニアが創業当時から販売していたのは、登山やクライミングで岩壁に固定する際に使うピトンという道具。
でもこれは、岩壁に穴を開けてしまうため、環境への影響が懸念されていました。
そこで、環境への影響が少ないピトンの開発に取り組み発売したのが、アルミニウム製のチョック。
自然な割れ目に差し込んで展開することで固定できるクライミング用アイテムでした。
でも、これをそのまま販売しても売れません。
そして、徐々に切り替えるのではなく、環境のためにすぐに変えたい。
もしこの切り替えが失敗したら、会社のキャッシュフローは大きく傾くことも目に見えています。
そこでシュイナードが行ったのが、環境への想いを明確に伝えられるカタログ作り。
このカタログのおかげで、アルミチョックへの切り替えがうまくいき、パタゴニアが経営難に陥ることもありませんでした。
この大きな決断は、パタゴニアを象徴する環境ドリブンの決断だったといえるでしょう。
パタゴニアから学べること
パタゴニアの現在の成功は、生産性向上につながるユニークな手法や、先取りした環境ドリブンの決断など、さまざまな良い取り組みの結果です。
企業にとっても、個人にとっても、このような革新的なアプローチは大きな学びでもあり、良き教師になります。
みつわポンプは山のふもとにあるのでサーフィンには行けませんが、隣に緑豊かな公園があるので散歩には行けそうです(笑)。
今回紹介した以外にも、パタゴニアは多くのユニークな取り組みを行っています。
ポッドキャストの「ビジネスウォーズ」でも、このパタゴニアについての歴史がボイスラジオとして楽しめます。
ぜひ一度、ポッドキャストや書籍でパタゴニアの経営を覗いてみてください。
▼音声でパタゴニアの歴史を学ぶ▼
▼パタゴニアの経営手法を本で読む▼
▼環境にやさしいパタゴニアのTシャツ▼
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