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就活生が陥る7%の罠

7月は、高校生向けの求人情報が公開され、正式に求人活動が行えるようになる解禁のタイミングだそうです。

わたしが就職活動をしていたのはもうかなり前になってしまいますが、はじめて就職活動をしていたときによく聞いた言葉があります(かなり昔なのでいまはどうかわかりませんが・・・笑)。
それは、「メラビアンの法則」。

今回はこのメラビアンの法則の誤解について、就活生が罠にはまらないようメラビアンの法則の本当の内容とその教訓についてお伝えしていきたいと思います。

就活で聞くメラビアンの法則

よくセミナーなどで聴いたのは、「メラビアンの法則から、話の内容の重要性はたった7%で、視覚情報(見た目)の重要性が55%である。だから、就職活動では見た目が最も重要だ」という内容でした。
「7-38-55のルール」や、「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」とも呼ばれることもあります。
インパクトがあるので、けっこうの人が覚えているのではないでしょうか?

でも、このようにメラビアンの法則を覚えている場合は危険です。
メラビアンの法則を誤解しているからです。

ただし、このメラビアンの法則の誤解からは教訓として学べることが2つあります。

正しいメラビアンの法則

まず大前提として、メラビアンの法則は「見た目が最も大事だ」ということではありません。
「メラビアン」というのはこの実験を行ったアメリカの心理学者アルバート・メラビアンの名前から来ているのですが、まずは1971年に発表されたこの実験の中身をご紹介します。

[実験のテーマ]
聞き手が「言語情報」・「聴覚情報」・「視覚情報」の3つの手段で"それぞれ矛盾した情報を与えられたとき"、どの情報を優先して受け止めるか?

[実験の概要]
1. まず、「好意」「嫌悪」「中立」をイメージする言葉を3つずつ設定する。
 (例えば、「好意」は“honey”といったようなもの。)
2. つぎに、これら9つの言葉を、「好意」「嫌悪」「中立」の3つのイメージで録音する。
3. さらに、「好意」「嫌悪」「中立」を表した表情の顔写真を1枚ずつ用意する。
4. その上で、録音と写真とをさまざまに矛盾した組み合わせを作って被験者に示し、それぞれについて被験者が最終的に「好意」「嫌悪」「中立」のうちのどの印象を持ったかを質問する。

そしてこの結果導き出されたのが、視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%。

つまり、メラビアンがこの実験の結論としているのは、話し手が聞き手に対して与える影響は、"それらが矛盾していた場合には"視覚情報55%>聴覚情報38%>言語情報7%の順に優先される、ということだけなのです。

たとえば、「不満そうな顔」(視覚情報)で「好きです。付き合ってください」(言語情報)と言われても「絶対わたしのこと好きじゃないよね。なにかの罰ゲーム?」と思うでしょう。
「元気のないトーン」(聴覚情報)で「今日は絶好調なんですよ」(言語情報)と言われても、その人の体調が心配になる・・・ということです。

このように見てみると、「就職活動では見た目が全て」という解釈につながるのは誤りだということがわかります。

①メラビアンの法則の正しい使い方

では、メラビアンの法則の正しい使い方はどのようなものでしょう?
それは、話の内容(言語情報)、見た目(視覚情報)、声のトーン(聴覚情報)を一致させることです。

情報が一致しないと、伝えたいメッセージが相手に伝わりにくくなる可能性があるからです。

たとえば、就職活動では、
「わたしは御社に入社を希望しています」と言いながらうつろげな表情をしていたり、
「わたしは学生生活を通して長年野球に取り組んできたので体力があります」と言っているのに身体が疲れているよう見える、
「細部に注意を払うことができる」と言いつつネクタイがしっかり締まっていない、
「御社を尊敬しています」と言いながら話すトーンが威圧的などなど・・・。

このように矛盾した情報を伝えてしまうと相手に誤解や混乱を与えてしまい、印象が悪くなる可能性があるということです。

メラビアンの法則を正しく使うのであれば、

  • 勤勉な印象を与えたいのであれば服装も同様に細かいところまで気を使う

  • 熱意を伝えたいのであれば緊張して声が震えないように事前に知らない人の前で話す練習をする

  • チームワークを大事にすることを伝えたいのであればつねにおおきめなジェスチャーでオープンな印象を与えられるように心がける

  • 体力の高さをアピールしたいのであれば、面接日の前日はしっかり睡眠をとってから挑めるように準備する

ということが大事だということです。

②一次情報の重要性

そして、このようなメラビアンの法則の誤解は、一次情報を確認することの重要性も気づかせてくれます。

現代では、インターネットやSNS上にいろいろな真偽がわからない情報があふれています。
これらの真偽を確認しないまま信じたり使うことはとても危険で、無意味で、時間の無駄になってしまいます。

もちろんすべてがダメというわけではありませんが、自分が使っていないのに「わたしのフォロワーがこの商品を推していたからこれを作っている会社に入ろう」と何も調べずに決めてしまうことや、「SNSで業績不振の情報を見たからこの会社はダメだな」と安直に判断してしまうことはもったいない、ということです。
(ただし、こういった情報をきっかけに会社の情報を調べてみることは、モチベーションにもなって良いと思います。)

就職活動でも、信頼性の確認できないSNSの情報より、公式ウェブサイトやIR情報、プレスリリース、インタビュー記事、特許情報、信頼性の高い統計情報などの一次情報を最初に確認することが大切です。
この一次情報には当然「OBやOGの方に会う」ということも含まれるので、学生の方は会える手段があればぜひ利用することをおすすめします。

さらに一次情報をチェックしたうえで、四季報や日経新聞などある程度情報が整理されていたり第三者のチェックが入っている二次情報源を確認するということも良いでしょう。


このように、就職活動を成功させるには、矛盾した情報を与えないように準備しておくことと、一次情報のチェックが大切です。
みつわポンプ製作所でも現在採用活動を行っています。
採用側としても矛盾した情報をお届けしないよう挑戦するポンプ屋精神をこのnoteでお伝えしていきたいと思います(笑)。

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