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〝野ざらし〟の芭蕉精神と孵(す)でる〝地球俳句〟―野ざらし延男評論集『俳句の地平を拓く―沖縄から俳句文学の自立を問う』解説
1 はじめに野ざらし延男氏は、戦後沖縄における「俳句革新」の実践家であり、伝統と前衛の枠を超えた戦後沖縄俳句の「生き証人」である。「俳句革新」の内実については後で詳述するが、野ざらし氏は長年沖縄の地で、前衛的な俳句実作・俳句評論・俳句教育の分野の第一線で活動してこられた。これまで、四冊の個人句集や複数のアンソロジー句集の出版に加え、沖縄俳句史にとって貴重な資料である『沖縄俳句総集』(1981)の編纂のほか、未来志向の俳句教育の実践集『俳句の弦を鳴らす―俳句教育実践録』(202
尾野寛明・中村香菜子・大美光代著『わたしをつくるまちづくり 地域をマジメに遊ぶ実践者たち』に寄せて ~わたしを大切にまちと共に生きる、小さな希望の書
1、共著のよさ「まちづくり」と一言でいっても、行政や建物計画など大きなものから、ゴミひろいなどそのまちに暮らす人々の小さな活動まで幅の広い意味を含んでいます。この本は、その中で最も小さな単位、「わたし」という個人にスポットライトを当てたまちづくりをテーマにしています。 全国各地を旅しながらまちづくりの担い手育成塾を開催している専門家の尾野寛明さん。尾野さんが香川で出会い、まちづくりの実践者として共に成長した中村香菜子さんと大美光代さん。三名による「共著」です。読者の皆さんに