火垂るの墓 平和は未来への贈り物
8月6日は広島に原子爆弾が投下された日。
私が子供の頃から1番恐ろしいと思う日。
この日に、広島で亡くなった人5万4327人。年末迄に亡くなった人を含めると9万人。全体でおおよそ17万人とも言われる死者数は未だに正確には分からないという。56万人が被爆したと言われている。
1945年から約76年たった。
1発の爆弾の威力は、第二次世界大戦を終結させたと言われるが、一般市民をも巻き込んだ非人道的な大量殺戮兵器の実験だと言わざるを得ない。
多くの人々が人の形を留めずに亡くなったという。生き残った方々も、全身火傷の痛みに苦しみ、放射能に侵され、原爆症の発熱嘔吐下痢、長年貧血や倦怠感に苦しみ、精神的トラウマを抱え、癌や白血病の発症率の高さに怯え、被爆者として差別される立場に追いやられ、故郷を捨てざるを得ない方も少なくなかったという。
救護活動で後から広島入りした方々も被爆し、直接被爆した方々と同じように発病し、死亡されたとのこと。被爆者であると言う事実は、結婚や就職…あらゆることで差別を受ける理由となり、戦後被爆者の補償対象であるにもかかわらず、対象者と名乗り出ることが出来ない方々もおられるのだとか。
長い長い被爆被害の後遺症に悩み続けた方々が今もなお存在する。
戦争時代のこととは言え、日本も諸外国に対し残虐行為をした事実が残っている。
我が国だけが被害者でないのも事実。
世界中が禍々しき戦争をしていた。日本は米国に謝罪を求める代わりに国交を求め、悲劇が2度と繰り返されないように世界の平和を願う。
私が学生の頃は8月6日朝8時15分には、どのTVも黙祷を捧げていた。家庭でもみんな目を閉じて、祈りを捧げていた。
特集番組は、戦争の悲惨な画像やお話が沢山。夏は怪談と混じり合い、恐怖で震えあがっていた。必ず布団を巻きつけて寝ていた記憶がある。
8月は戦争と結びつき、怖い…
最近の映画やアニメーションは、人を切り刻むなどの結構残忍なシーンが多くて、恐怖を感じることがある。平和ボケした現代人は戦争の恐怖を忘れ、血を求めている気がしてならないからだ。
”怖い”といえば、私が2度と見れない作品に『火垂るの墓』がある。
1988年日本のアニメ映画。高畑勲脚本監督。スタジオジブリ制作。野坂昭如原作小説。
14歳と4歳の兄妹の戦災孤児が戦後の混乱期を生きる為に頑張るが、厳しい現実に直面する映画。
悲しくて痛ましくて、ポスターや字幕を見るだけで胸が締め付けられ、名作だからこそ、絶対2度と観れない映画。戦争は戦争中のみならず、戦争後も悲惨な現実を産んでいる。
ホントはこの作品の他にも見なければいけない反戦作品もあるけれど、怖くて見れない。悲しすぎて無理。まだまだ恐怖が勝り情けないことだ。
今、日本はオリンピックとコロナのデルタ株の話題で賑わっているが世界では今まさに戦争をしている国があり、戦争孤児は今もうまれている。どんな後遺症が両者にあるか分からない。ほんの一握りの誰かの虚栄や誰かの利益、誰の権力のために、多くの人の血が流れるのが戦争。また、戦争の恐怖を、ヒーローや武器のカッコ良さで誤魔化してはならない。戦争の残虐さは、みずから仲の良い友だちを殺すのと同じ行為なのだから。
平和の祭典がオリンピックなら、未来へバトンを渡す度に平和の輪が大きく広がって行くことを望んでいる。また、平和を増す増す意識する祭典であって欲しいと願っている。
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