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私の人生を変えた神対応先生の『忘れられない一言』#優しさを感じた言葉#忘れられない先生

#やさしさを感じた言葉

はじめに

私は小学校に入る前に、母親を亡くしましたが
活発で何でもできて、自信満々な女の子でした

父親に「お前は小学校に入ったらすごいぞ!」と言われ、
小学校生活をとても楽しみにしていました

しかし、小学校に入学してその思いは打ち砕かれ
人生初の挫折を体験し、どんどん自信を失い
情緒障害である場面緘黙となり
全く自分らしさを発揮できない
暗黒の時代を小学校3年生まで過ごしました

小学校4年生になって
担任の大石先生に出会い
大石先生の子供達や私への神対応で
私や他の子供達が自分を取り戻すことができました

大石先生の一言が
私の人生を大きく変えてくれました
是非その体験をみなさんいも
お伝えしたいと思います

第1章:私の小学校入学と最初の挫折


私は小学校入学前、父の方針で幼稚園には通わず、
同い年の近所のひろしくんと
毎日のように遊んで過ごしていました

鬼ごっこ、かけっこ、かくれんぼ、
近所のごみ集積場への宝さがし探検、
無料で入れる映画館での映画鑑賞などなど、、、、

ひろし君とはいつも
一緒で大の仲良しでした
私は何をやっても
ひろし君には負けることがなく、
さらに、3つ年上の姉とも
本気で喧嘩をして、
姉を泣かせてしまうほどでした

平仮名や漢字もすぐに覚え
3つ上の姉の教科書を
元気にすらすら読み
足し算や引き算も簡単にできました

父親はそんな私を見て、
「道代は小学校にいったらすごいぞ」
と目を細めて言うのでした

父親にそういわれて私もその気になり
学校にいったら活躍できるんだと思い、
小学校に行くのを楽しみにしていました

しかし、小学校入学準備のために
父親が揃えてくれたランドセルは
茶色の中古の皮の
みすぼらしいランドセルでした。

父親は
「これは本物の皮でできていて高級品だから」
と私に言いましたが、
私には明らかに家が貧しくて
新品の赤いキラキラのランドセルが
買えないことが分かりました。

そして、そんな自分の身の上を
切なく感じました。

自分のランドセルが新品の
キラキラの赤いランドセルでないことが
とても引け目に感じ、
茶色の皮のランドセルで
学校に行くのが憂鬱になりました。

母を5歳で亡くした私の入学式には
近所に住んでいる父の妹の
みちえおばさんが
付き添ってきてくれました。

初めて見る多くの1年生に
私は気おくれがしました。

入学式も終わり新生活が始まり、
他の子供たちは
すでに幼稚園や保育園で
友達になっていました

私だけが父親の方針で
幼稚園も保育園も入らず
友達ができていなかったので
仲間に入れず、
一人で過ごしていました。

また、勉強は答えがわかっていても
手を挙げて発表することが苦手で、
予想外に勉強面で
目立つことはありませんでした

入学早々の私の悩みは
上の学年の男の子が
下校の時につきまとい
私の茶色の皮のランドセルを
冷やかしてくることでした

もともと、ランドセルを
引け目に感じていただけに
私はただ押し黙って
何も言い返すことが出来ませんでした。

期待に胸膨らませて
入ったはずの小学校生活は、
私ににとって苦痛そのものであり
初めての大きな挫折となりました

第2章:場面緘黙児の私


新一年生の私の担任は工藤先生という
ベテランの細身のショートカットで
険しい顔をした気持ちに余裕がない女の先生でした。

そして、工藤先生が私の境遇を察して
優しく声をかけてくれることはありませんでした

母親がいない私にとって辛いのは、
お弁当や洋服など全てを自分で
準備しなければならないことでした。

隣の席の子供のキラキラ弁当や
キラキラ洋服とは明らかに違っていました。

一番辛かったのは必要な教材を
そろえてくれる人がいなかったことです。

忘れたわけではないのに準備ができず、
担任に忘れたと言うしかありませんでした。

それに対する担任の反応はいつも皆の前で叱ったり
廊下に立たせることでした。
そんな私は周囲の子供達から見ると、
みすぼらしい格好をした
だらしのない子だったに違いありません。

次第に私ははそんな自分の境遇を
引け目に感じ消極的になっていきました。

私はは次第に自分に自信がなくなり、
学校に行くと理由がなく体がこわばり、
まったく声が出なくなるのでした

当時の私にとって自分が
どうしてそうなってしまうのか
訳が分かりませんでした

私が自分のそんな状態が
場面緘黙という情緒障害の症状だったことを
知ったのは、
大人になって心理学を学んでからでした

そして、当時の私に情緒障害だと気づいて
手を差し伸べてくれる大人は誰もいませんでした

第3章:大石先生との出会い


私は4年生になりました。
40代の頼もしくて優しい
大石先生が担任となりました

私にとって初めて男の担任です
大石先生が担任になってから、
それまでの授業とは
一変したものになりました

まずグループごとに分かれ、
グループで誰かが
良くできたことには加点が入ります

誰かが、ダメなことを
した時には減点が入り、
何をやるのも
グループ対抗戦になりました。

子供達はそれを楽しみながら
みんなで力をあわせました。
他のグループに負けじと、
みんなであらゆる活動に
積極的に取り組みました

それまではいつも先生に
叱られるような子供達に
大石先生はスポットライトを当て、
その子の能力や魅力を
上手に引き出していいきました

そして、一人一人の子供たちが
生き生きと振る舞うようになりました
クラスはいつもユーモアで溢れ
笑いが絶えませんでした

そんな時、場面緘黙だった私が
いつものように
まじめに掃除をしていると、
私の近所に住む女の子が
私にいたずらを仕掛けてきました。

私もつられてふざけて仕返しました
二人はそのあと追いかけっこをしました
追いかけっこしながら私は自分の体から
力が抜けていくのを感じました

その日以来私は
学校で体のこわばりがなくなり
クラスの子供達に気を許して
自然に遊べるようになりました

そして、クラスに仲良しの友達ができ
放課後や休みの日には
一緒に遊ぶようにうなりました

私がそうなれたのは
大石先生が作ってくれた
クラスの雰囲気が
あったからだと思います

また、私は自分の作った
お弁当を持っていくのが嫌で
時々弁当を忘れたふりをしました

そんな時は大石先生が
パン代を貸してくれました
大石先生から借りたお金を
返しそびれて困っていた時、
大石先生がクラスの全員の前で
「僕からお金を借りている人は
返してください。待っています。」
と話しました

私は自分のことだとわかりました
大石先生にちゃんと
返したいと思うのですが
自分から行く勇気が出ません

仲良くなった由美ちゃんに
相談すると、由美ちゃんが
「私も一緒に行ってあげるから行こう」
と背中を押してくれました

そして、勇気を出して
由美ちゃんと一緒に
大石先生にお金を返しに行きました

私が恥ずかしそうに
「先生これ」とお金を渡すと
大石先生は私の目をまっすぐ見て
そっと私の頭を優しく撫でながら
満面の笑顔で目を細めて
「よく返してくれたね。」
と褒めてくれました。

私は初めて
「こんな素敵な大人が世の中にいるんだ!」
と心の底から思いました

それは、私にとってそれまで
感じたことのない感動でした
胸が熱くなり、
私の体の中に言葉にならない
温かいエネルギーが
広がっていったのを覚えています

第4章:その後の人生

大石先生は
たった一年間の担任でしたが
大石先生と一年間過ごした
私や他の子供達に
大きな変化が起こりました

大石先生がしてくれた
自分達を理解し
大切に接してくれる
大人がいる体験が
私達の心や身体を育て、
人や仲間を信頼していいのだと感じ
お互いに支え合える
温かい関係を築けるようになったのです

私は5年生になって
悦ちゃんと千鶴子ちゃんという
大親友ができました
学校は苦痛な場所ではなく
仲間と一緒にふざけたり笑い合える
楽しい場所に大きく変わりました

大石先生との一年間があって以来
いつも私の行くところには
仲間がいて、仲間の中で
本音を言いあい、ふざけあい
時には悩みを言い合い
応援しあったりできる仲間が
いるようになりました

あの一年間がなければ
そういう人生を
歩けたのかどうかわかりません
もしかしたら、
あのまま自分に自信が持てない
周りの大人や仲間を
信頼できない人生に
なっていたのかもしれません

大石先生との出会いは私の人生の
大きな転換点となったと
振り返って思います

最後に

最後まで読んでいただいたみなさん
ありがとうございました

お伝えしたように
小学校という大事な時期に
私が大石先生に出会えたことは
とても幸運だったと思います

これを読んで下さった方の中には
そういう出会いがなかった方も
いるかもしれません

もし、そんな方がいたら
たまたま出会わなかっただけで
世の中には、そんな人がいることを
知っていただいて、
希望を持っていただけたら嬉しいです

大石先生はたまたま学校の先生でしたが
この世界に大石先生のような人が
ひとりでも二人でも増えてくれることを
心から願っています

そして、私自身
少しでも大石先生から
していただいたことを
今度は私なりの形で
周りの方々に
返していきたいと思っています

それが短い期間であったとしても
私のようにたくさんの人達が
その後の人生に大きな
影響を受けるでしょう

この世界に信じられる大人がいること
自分を理解してくれる人がいること
一緒に学び支え合える仲間がいること

それが心の土台となり
大地からたくさんの栄養を吸収し
豊かな実りを受け取れる
人生に変るでしょう







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