【 経営 / マネジメント 】創造的仕事と作業的仕事、コア業務とノンコア業務
仕事は大きく分けて創造的仕事と作業的仕事の2つがあり、その仕事をするための業務はコア業務とノンコア業務に分かれている。勝手にだが私はこのように仕事を分類して経営している。当然私個人の仕事も細分化するとこれらに分けられ、今自分の仕事が何なのかを意識して仕事にあたるようにしている。これらを明確化できていないと自分がやっている仕事がどこにどう直結するのかわからないままに仕事をし、自分が組織から望まれていることがわからずに仕事をしている状態と言える。そうなれば当然成果をうまく出せなかったり、何か結果を出してもその成果に対して評価がされにくい状態となる。それは自分の役割がわからずに仕事をしているのでその結果役割を果たせず存在価値が低くなるということ。組織を動かす人から見ればあなたに望んでいることをあなたはしてくれていないと見えている状態だ。
1.創造的仕事と作業的仕事とは?
組織を作る社長やリーダーはこれらの仕事を分類して今いる社員のスキルや特性を見定め仕事を割り振らなければならない。熟練度が低い人でも戦力になるような体制作りをしておく必要がある。その組織内で望まれる最低限の水準を50点とした場合、51点程度の成果がたとえ熟練度が低い人でも出せるような仕組みを作っておくことを私は重視している。各自訓練は必要だがその訓練をしっかり行いさえすれば51点は取れる。しかもその訓練も最短時間で習得できるような状態であることが望ましい。個人の属人的なスキルに頼るのではなくそのような業務結果が出せるように会社として社内にある仕事全てを細分化し各職種に割り当て、その職種内でも仕事を分業化していく。そこで細分化された仕事に対して短時間で一定数以上の成果を出せるように IT化を図ったり社内マニュアルを整備することで個人の能力、経験、知識に関係なく誰でも偏差値51となる業務結果が出せるシステムを構築する。理想と現実には壁があるがこれを創り出すことを創造的仕事と定義している。そしてそのIT化されたものを動かしたり、決められたマニュアル通りに仕事を行っていくことを作業的仕事と定義した。
当然その作業的仕事の精度とスピードを上げるために教育と訓練は必要だし、創造的仕事をするための頭の使い方やマネジメントスキルも同じく教育と訓練が必要。まとめると会社全体の状態を俯瞰して見て、仕事が最も効率的に行えて成果が出せる状態の基盤を創ることを創造的仕事、それらを使って仕事をすることを作業的仕事としている。当然一人の人間がどちらの仕事も受け持つ。役職が高い人ほど創造的仕事の割合が多く、新人ほど作業的仕事の割合が多い傾向はあるが仕事とは大別してこの2つに分けられている。
2.コア業務とノンコア業務とは
仕事を分業化した時のことに話を戻そう。分業化をすれば、割り当てられる業務の難易度が高いものと低いものに分けられるはずだ。当然難易度が高い業務はスキルが必要であり、低い業務はそれほどスキルは必要ない。これを私はコア業務とノンコア業務として分類している。イメージで言うと、コア業務とは高度なスキルと判断力が必要で利益に直結する業務、ノンコア業務は直接利益には結びつかないがコア業務をサポートする業務で高度な判断を必要としない業務。こちらも創造的仕事と作業的仕事と同じように一人の人間が両方行うこともある。ただ割合が違うだけだ。例えば高度な営業スキルを持っている社員が書類整理とポスティングばかりに時間を費やしてその裏で営業スキルが低い社員が接客をしていれば受注チャンスを失うのは明白。技術者も同じ。高度な知識と経験を持ち合わせている社員が現場の指揮や高度判断をせずに倉庫の在庫チェックばかりをしていては現場で問題が発生する可能性が高い。全体最適を考え、人間がするのか機械がするのか、社員がするのかパートがするのか、熟練度が高い人がするのか低い人がするのか、これらを割り振ることで会社全体の総合力は変わる。適材適所だ。
3.組織運営の注意点
ここで注意が必要なのは分業化したことによって人が増えすぎること。これはよくない。適切な人数で行うことが大事だ。よって一人二役もあり得る。ここを見落とすと会社の収益性は一気に下がる。生産性を上げるために分業化しているのに、そのせいで人が増えて人件費が上がる。すると今までと同じ粗利しか稼げてないと会社の最終利益は落ちる。分業化することで生産性が上がる状態を作っていかないといけないのに本末転倒の結果だ。
そこで人の成長速度が大事な観点となる。例えば自分が1年かけてできたことをマニュアル化したりIT化することで次の人は半年、その次の人は3か月と短い期間で習得できるように仕組みを作り次につなげていかないといけない。俺の背中を見て覚えろ、俺はこれに10年かかったとかいうのは昭和時代のことで何の自慢にもならないし今の時代のスピードの全くついていけない。それで時間をかけてできるようになってもその時には新しいものが生まれていてそれは必要なくなっている可能性もある。新しい社員の成長速度が早ければ収益性はどんどん上がっていく。そのために仕事をシステム化、マニュアル化し、できるならば IT化していくことで誰でも出来るような状態に近づけていくことが大切だ。
4.まとめ
創造的仕事と作業的仕事、コア業務とノンコア業務。これらの分類で間違ってはいけないのはどちらが偉いわけでもすごいわけでもないということ。ここの教育をしっかりしていないと変なことを言う社員が出始める。作業的仕事とは突き詰めれば職人芸となる。例えばコピーを取らせたらめちゃくちゃ正確で速い。これは重要なスキルだ。電話を取らせたらコールから秒でとりしかもめちゃくちゃ感じがいい。これもスキルだ。めちゃくちゃお金を稼ぐ営業マンが事務作業をすればボロボロの時がある。このようにそれぞれの得意不得意を補完しあいながらチームとしての力を最大に引き出すことが経営層の組織づくりの力量である。そのためのIT化やマニュアル整備の指揮が正確であればあるほど社員は働きやすくなり特性を生かし自分の得意な部分で成果を出すだろう。そうやって役に立っている、成果が出ているという認識は社員にとって働きがい、やりがいになる。そのような組織を創ることが業績向上のポイントだと信じ私は自社で取り組んでいる。
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