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リモートワークのいまとこれから②

こちら(下記)の記事に関連したものを既に書いてますが、文脈としては本エントリが続編的な内容となります。よってタイトルもナンバリングしたものとしています。

前回、ワーカーがリモートワークとオフィスワークを自由に選択出来る勤務制度であるべきことを述べました。俗に言うハイブリッドワークというものであり、社会のトレンドとしてもハイブリッドワークを推進していく潮流を感じます。

またハイブリッドワークを推進する流れには「リモートワークにはメリットもデメリットも存在する」ことを前提として「メリットを享受しつつ、デメリットを逓減していく」意向を感じます。

リモートワークのメリット・デメリットにはどのようなものがあると思うでしょうか。改めて列挙してみたいと思います。

リモートワークのメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
 ・通勤時間短縮による余剰時間の創出
 ・柔軟な働き方によるワークライフバランスの向上
 ・デジタルスキル、ソフトスキルの向上
 ・通勤困難者への雇用アシスト
一方、リモートワークのデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
 ・私生活と仕事の分離が困難
 ・(結果として)長時間労働、ワークライフバランスの悪化
 ・コミュニケーション減少による、孤立感。メンタルヘルスの問題
 ・組織への帰属意識の低下
 ・ワイガヤな雰囲気での議論、検討を行う機会の減少

ここではあくまでワーカー視点でのメリット・デメリットについて挙げていましたが、テレワークのメリットとしては他にも以下のようなものも存在します。
 ・交通渋滞の緩和
 ・(交通機関が消費する)エネルギーの削減、大気汚染の緩和
 ・BCPとしての役割
 ・地方活性化

デメリットの解決法として考える最も簡単な手段は「出社すること」です。しかしこの手段の致命的な問題はリモートワークのメリットを全く享受出来ない事があります。そのため妥協点として、週⚪︎回は出社、週⚪︎回は在宅勤務という「ハイブリッドワーク」の形を取るのですが、これでは真にリモートワークのデメリットを解消したとは言い難いです。

リモートワークのデメリットはITツールの導入ではなく、組織単位でのコミュニケーション方法を変えることで改善することが出来ます。組織単位のコミュニケーションというのは数人の小さなグループ単位での取組も大切ですし、会社全体で取り組もうとする意識の醸成も必要です。

電話、メール、チャット、Web会議などのデジタルツールによるコミュニケーションでは無駄が省かれます。例えば雑談をするためのチャネルを作成するなど意図的に「無駄」を発生させることで、オフィスで行われていたちょっとした会話のきっかけを作ることが出来るかもしれません。

また「Zoom疲労(fatigue)」原因の1つはリアルなコミュニケーションとは異なる距離感がもたらす精神的疲労であるという報告があります。状況に応じて音声のみの会議とすることでたくさんの注目を浴びているというプレッシャーから解放されて、精神的な疲労が緩和されるでしょう。

長時間労働は勤務時間をシステム的に管理するとともに、不正な報告を決して是としてはなりません。適切な報告、管理を是とする現場マネージャーの意識、企業の意識醸成が長時間労働によるワークライフバランスの低下を防ぎ、本来リモートワークによって得られるメリット(ワークライフバランスの向上)を生みます。

リモートワークにおける課題としてよく挙げられるものとして、マネジメントの難しさがあります。急に普及したため、前例となるべきケースが少ないことが難しさを感じさせる要因となっていると考えます。

しかしリモートワーク環境におけるコミュニケーションを円滑に行なうためにはどうすればよいのか考え、実践していくことが、生産性を向上させる上でのカギとなり、マネジメント業務における重要な職務といえるでしょう。

リモートワークを実現するITツールは手段であり、導入することだけで効果を発揮するものではありません。導入後、有効活用する意識が大事です。

これにはデジタルツールを導入するIT部門、リモートワークにあわせた人事制度を整備する人事部門、現場のマネジメントだけでなく、経営層も含む全社員の意識醸成が必要となりますし、全社員の協力と理解が不可欠と考えます。

                             以上


ありがとうナス!