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レビューとレポート第47号

レビュー


[1]二つの月 プラスティックトゥリーと梅津庸一
伏見瞬(批評家/ライター)
https://note.com/misonikomi_oden/n/n2b462ee6aa96



[2]版画物語側聞録 梅津庸一個展「プレス機の前で会いましょう 版画物語 作家と工人のランデヴー」レビュー 
石井香絵(美術史研究者)
https://note.com/misonikomi_oden/n/n7a19e5be249a



レポート


[3]Re:スタートライン 1963-1970/2023 現代美術の動向展シリーズにみる美術館とアーティストの共感関係 京都国立近代美術館 レポート
取材・執筆:鈴木萌夏
https://note.com/misonikomi_oden/n/nbea7c272054e



[4]さばかれえぬ私(わたくし)へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展 志賀理江子・竹内公太 レポート
取材・撮影・執筆:東間嶺
https://note.com/misonikomi_oden/n/n676cbc3e157b






記事概要


[1]
昨年秋にタカ・イシイギャラリーで行われた梅津庸一個展「緑色の太陽とレンコン状の月」ではプラスティックトゥリーの有村竜太朗さんとの出会いが重要な点となっています。本稿は音楽評論をする伏見さんがプラスティックトゥリーの曲「まひるの月」を詳細に分析し、梅津・プラスティックトゥリー、ふたつの月について考察します。

[2]梅津庸一個展 版画物語(NADiff a/p/a/r/t)の精度の高い展示解説である石井香絵さんの本稿は、なぜかインスタレーションへ組み込まれ展示開始とともに会場で公開されており、まさに最速レビューでした。それを弊誌へ転載したものです。一部修正、画像を追加しています。内容を読むとわかるのですが、カワラボ!へ何度も足を運び梅津さんの制作を見た上で、会場インストールにも立会ったうえで書いたそうです。ヤバいですね。

[3]京都国立近代美術館で1960年代に開催された「現代美術の動向展」を同館が当時の展示された作品と資料を集めて振り返る企画です。裏方であった学芸員のリサーチで当時の若い前衛作家たちを発掘し展示したことは同館の先進性を感じさせ、毎年継続して開催したことで定点観測のように時代の変化を見ることができます。同展を鈴木萌夏さんがトークイベントや担当学芸員も取材、レポートをしています。本展は凝りに凝った図録も必見です。

[4]東京都現代美術館で開催された志賀理江子・竹内公太両氏による二人展ともいえるようなTCAA受賞記念展について、トークイベントの取材や作家へのインタビューを行い、展示インスタレーションビューも豊富に掲載した詳細なレポートです。もはやアーカイブのようですね。




お知らせ


わきもとさき  《加工蜂/メンテナンス場》 2021年
わきもとさき  《又この泉にかえる》  2023年


わきもとさき個展「わたしはおうちのお当番」
パープルームギャラリー、パープルーム1 3/4
2023年7月3日 - 7月17日(水曜日は休廊)
15:00 - 20:00

わきもとは一貫してホームセンターで売られている資材、使い古された布や生活のゴミ、配達物などを寄せ集めて作品をつくっている。それを美術の用語に当てはめればアッサンブラージュの手法に分類することができるだろう。けれども、わきもとの作品からはかつての「ダダ」「ポップアート」「ヌーヴォー・レアリスム」の気配はあまり感じられない。わきもとは美術史の上での闘争とは一定の距離をとり、自身の生活と制作の純度を下げないよう気を配っているのだ。わきもとが戦後日本の前衛美術の流れを汲む美術批評家、椹木野衣を「さわちゃん」呼ばわりすることからも明らかなように、美術界の序列に簡単に順応しない。それどころかわきもとは公共料金やカード会社からの督促状にもまったくうろたえない。わざわざ規範から逸脱することなく規範に無頓着という態度なのだ。また、制作中にいつの間にか睡眠をとり作品になる予定の物体はたちまちわきもとの寝具になってしまう。わきもとの並外れたマイペースさは「つくるとはなにか」という根本的な問いと無関係ではないし、すっかりパターン化されてしまった美術界のあらゆる営為に対して「まぁ、あわてるなよ。ゆっくり考えよう」と諭しているようでもある。(WEBより)


スペシャルイベント
『生活とリサイタル 演歌と寿司と美術のハーモニー』
出演:千葉一夫、わきもとさき
2023年7月4日(火)
会場:みどり寿司
チケット:¥4,000 お寿司付き!
要予約→ parplume@gmail.com

https://parplume-gallery.com/

画像提供:パープルームギャラリー






メインビジュアル
八木一夫《ザムザ氏の散歩》1954年 京都国立近代美術館蔵


開館60周年記念
走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代

京都国立近代美術館
2023年7月19日 - 9月24日
10:00 - 18:00(金曜日は20:00まで開館)
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionarchive/2023/454.html

1948年に八木一夫、叶哲夫、山田光、松井美介、鈴木治の5人で結成された走泥社は、その後、会員の入れ替わりを経ながら50年間にわたり日本の陶芸界を牽引してきました。
しかし、50年という走泥社の活動期間全体を見渡した時、日本陶芸界におけるその重要性は特に前半期にあります。
本展は、走泥社結成25年となる1973年までを主な対象とし、走泥社と同時期に前衛陶芸を展開した四耕会の作品なども合わせて展示することで、日本の前衛陶芸が確立していくうえで中心的な役割を果たした走泥社の活動の意味を再検証するものです。(PRより)

画像提供:
開館60周年記念 走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代 広報事務局






昇斎一景《東京名所三十六戯撰 元昌平坂博覧会》1872(明治5)年
一般財団法人名古屋城振興協会

幻の愛知県博物館
Aichi Prefectural Museum That Might Have Been

愛知県美術館
2023年6月30日 - 8月27日
10:00 - 18:00(金曜日は20:00まで)
休館日:月曜日(7月17日は開館)、7月18日(火)
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/000403.html

現在愛知県には、県立の総合博物館がありません。けれども明治時代に遡ると、この地に「愛知県博物館」は確かに存在していました。1878(明治11)年に県が民間からの寄附金を集めて建てた博物館は、古く貴重な文物から味噌や醤油、酒、木材、織物、陶磁器、絵画、機械、動植物等々、国内外のあらゆる物産を集め、人々の知識を増やして技術の発展を促そうとしました。まだまだ博物館をどういう施設にすべきか方向の定まらぬ時代に、同館は先進的な商品見本を展示・販売して県下の産業を刺激する商品陳列館へと、徐々に姿を変えていきます。日本各地に博物館や美術館が建設されるなかでいつの間にか忘れられてしまった、殖産興業に比重を置く総合的な産業技術博物館としての「愛知県博物館」へ、時空を超えてみなさんをお招きします。(PRより)

画像提供:愛知県美術館






《春》1929年、メトロポリタン美術館、ニューヨークPurchase, Brooke Russell Astor Bequest and Mary Livingston Griggs and Mary Griggs Burke Foundation Fund, 2019 / 2019.366
太夫に扮する楠音、京都国立近代美術館

甲斐荘楠音の全貌
絵画、演劇、映画を越境する個性

東京ステーションギャラリー
2023年7月1日 - 2023年8月27日
10:00 - 18:00 ※金曜日は20:00まで開館
(会期中、展示替え[前期7/1~7/30、後期8/1~8/27])
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202307_kainosho.html

大正画壇の異才・甲斐荘楠音の26年ぶりとなる回顧展。京都国立近代美術館をはじめ国内外に所蔵される甲斐荘の代表的な作品群が一堂に会します。しかし、本展の魅力はそれだけじゃない!創作の裏側を物語る写真やスケッチ、未公開のスクラップブック、そして後半生に手掛けた知られざる映画衣裳まで、過去最大のスケールで甲斐荘の全貌を振り返ります。
本展では映画の衣裳・時代考証家として活躍した甲斐荘の後半生も紹介します。太秦の東映京都撮影所に保管されていた市川右太衛門の衣裳などを豊富な映画資料と共に展示。
また、本展会期中、東映京都撮影所で撮影された作品が「東映時代劇 YouTube」で無料配信されます。華やかな衣裳での殺陣のシーンには時代劇ファンならずとも魅了されるでしょう。(PRより)

東映時代劇 配信予定作品
7/7~16 旗本退屈男 謎の大文字
7/14~23 旗本退屈男 謎の暗殺隊
8/4~13 旗本退屈男 謎の七色御殿
8/11~20 旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷
youtube.com/@toei_jidaigeki

画像提供:東京ステーションギャラリー






安藤正子「ムービータイム」
木製パネルに雲肌麻紙、アクリル絵具、水彩絵具、鉛筆、水彩色鉛筆、パステル 100×100㎝
 2021©Masako Ando sticker by モニョチタポミチ・鱗片堂
photo by Tamotsu Kido
all images: ©︎Masako Ando, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
安藤正子「ニットの少女 Ⅱ」セラミック、板 h.74.1 x w.91.6 x d.12.2 cm 2020年  photo by Kenji Takahashi
all images: ©︎Masako Ando, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

安藤正子展 ゆくかは
一宮市三岸節子記念美術館
2023年7月8日 - 9月3日
9:00 - 17:00
https://s-migishi.com/tokubetsu.html

子どもや毛糸の編み物、動物や草花などをモチーフとして、滑らかな絵肌に描かれた安藤正子の油彩画は、詩的な雰囲気にあふれ、見るものを惹き付けます。油絵具の 特質を生かした緻密な描写や、大きな余白などの様々な絵画的要素の中で形作られた油彩画と、精微で硬質な質感の鉛筆画は、制作に時間を要し、年に数点というペースで描かれてきました。
近年、愛知県瀬戸市に移住し、第二子の出産を経て、その地で生み出された陶レリーフの作品群によって、安藤はそれまでの表現から大きな展開を遂げました。また、関連して描かれたドローイング群や絵画作品からは、身近な対象の今を大切にすくい取ろうとする新たな姿勢がうかがえます。
作家の身辺の変化から生じたものを、初期の油彩画や鉛筆画、近年の水彩や木炭のドローイング、陶作品、新作の絵画作品やインスタレーション等、作品の変遷から読み解きます。手法を変化させながらも、一貫して「絵」を作り続けてきた安藤のこれまでの歩みを展覧します。
(PRより)

画像提供:一宮市三岸節子記念美術館






Yurie Nagashima, Self-portrait (Full-Figured, Yet Not Full-Term), 2001, © Yurie Nagashima

Tokyo Gendai(東京現代)
横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)
2023年7月7日(金) - 7月9日(日)
※7月6日(木)はVIP プレビュー
7月7日(金)8日(土)11:00 - 19:00、9日(日)11:00 - 17:00
https://tokyogendai.com/

2023年より日本で開催される新たな国際的アートフェア、Tokyo Gendai。アートとデザインが出会う東京で、美術品の売買だけでなく、アートと知性の行き交う場所で異文化を体験できる、エキサイティングな舞台を提供します。Tokyo Gendai は、国際的に評価の高いコンテンポラリーアーティストによる作品を、キュレイターが選びぬいてご紹介する世界水準のイベントになります。展示だけでなく、展覧会や美術館のオープニング、スタジオ訪問、文化体験など様々なVIPプログラムも用意され、東京でしか味わえないアート体験を実現します。(PRより)

日本現代作家の作品が揃う新セクション「Tsubomi」
「Tsubomi」セクションでは、笠原美智子(アーティゾン美術館副館長)と山田裕理(東京写真美術館学芸員)のキュレーションによる「Life Actually: The Work of Contemporary Japanese Women Artists」展を開催。イケムラレイコ(シュウゴアーツ)、米田知子(シュウゴアーツ)、山元彩香(amanaTIGP)、杉浦邦恵(Taka Ishii Gallery)、長島有里枝(MAHO KUBOTA GALLERY)を含む、日本を代表する女性アーティストたちの作品を紹介します。彼女たちは自身の経験や社会的な立場と向き合い、これまでの考え方を再考しながら、素晴らしい作品を制作しています。本展では、彼女たちが個々に抱える問題やテーマが共鳴し合う新たな空間を提供し、ギャラリーの枠を超えた相乗効果を生み出すことを目指します。

笠原美智子(アーティゾン美術館副館長)及び山田裕理(東京都写真美術館学芸員)コメント:
「この展覧会は、ベテランから若手新進作家まで、活躍著しい日本の現代女性作家を紹介しています。日本のシステムは未だ旧態依然ですが、女性作家たちは、日常の個人的な経験や記憶をもとに様々なイマジネーションを拡げる素晴らしい作品を制作しています。国際アートフェアで展覧会を開催することで、彼女たちの問いが響き合う新鮮な空間が生まれ、ギャラリーの垣根を超えて、併設した作品同士の相乗効果がうまれることでしょう。」(PRより)

画像提供:Tokyo Gendai PR 事務局



艸居

梅津庸一個展「作家と工人のディスプレイ」
Tokyo Gendai(東京現代) Hanaセクション
横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)
2023年7月7日(金) - 7月9日(日)
※7月6日(木)はVIP プレビュー
7月7日(金)8日(土)11:00 - 19:00、9日(日)11:00 - 17:00
https://twitter.com/parplume

梅津は日本における「美術」の受容史を絵画を通して考察してきた美術家だが、ここ数年は美術界では周縁と思われてきた陶芸や版画の制作に注力している。六古窯のひとつ信楽に拠点を構え製陶所「丸倍」を間借りして作陶に勤しみ、先月まで東京都町田市の「版画工房カワラボ!」に住み込み短期間のうちに銅版画やリトグラフの技法を習得した。しかし梅津にとって陶芸も版画もたんに作品のメディウムではない。現代アートの世界ではしばしば職人が作家に代わり作品制作を担うことからも明らかなように「工房」はアートを下支えする下部構造なのである。梅津は今一度その営みと関係を見直す必要があると考えている。

本展示では梅津による版画・陶板・陶芸・ドローイング・屏風絵がオリジナルの什器とともに陳列される。また民藝運動の中心的な作家だった河井寛次郎、そしてかつてクレーやピカソに触発され「オブジェ焼き」を生み出した八木一夫の作品を召喚し梅津の作品と並置する。アートフェアという作品販売を主な目的とした催事を舞台に産業としての美術、そして「作家」を規定するものはなんなのか、造形と制度の両面から考える。

画像提供:艸居






前本彰子《パンドラの箱の中で》(2002) 協力:コバヤシ画廊

前本彰子個展 「誰もみな神さま」(仮)
ひいなアクションgallery(金沢市石引2-9-5)
2023年7月9日 - 8月5日
土日祝のみ13:00 - 17:00
※7月9日(日)は15:00 - 20:00 
※平日、また上記時間以外は、事前お問合せ
https://hiinaaction.com/

7月22日にワークショップとアーティストトークを予定

子育て真っ最中の作品 悪戦苦闘しつつも女はただのDNA運搬の器かと悩む自分(母親)を描いた『パンドラの箱の中で』(2002)や、まだあまりお目に掛けていない『今世紀最強うさぎ姫(大)』(1999)、作家復帰のウォーミングアップに作り続けた神棚シリーズなど、リアルで身近な神さまたちを沢山集め、美しき古都金沢にてお待ちします。
(前本彰子Facebook投稿より)

画像提供:前本彰子






梅沢和木 《Full Flavor》

梅沢和木 個展「Beyond the Windows」
NADiff Gallery(NADiff a/p/a/r/t)
2023年7月6日 - 7月30日
定休日:月曜日(7月17日は祝日のため営業、翌18日(火)休み)
12:00-20:00
http://www.nadiff.com/?p=30609

インターネット上のキャラクター画像などを大量に収集し、断片をコラージュし再構築した画像に、絵具などで加筆をする手法で作品を制作しています。発表初期よりキャラクターの絵画を現代美術の文脈に結び付けアートシーンで注目を集めてきました。凄まじい密度と膨大なアニメやゲームのキャラクター画像などで構築された画面が、現実と仮想世界の境界が曖昧となった現代の価値観や思想を表出させるような梅沢の作品は、個展での発表のみならず、美術館での企画展にも選出され、多くの批評を生んできました。

本展にあわせて、梅沢が2010年よりコラボレーションを⾏っている、デザイナー鈴⽊淳哉・佐久間麗⼦によるファッションブランドchlomaとの最新コラボレーションTシャツをリリースいたします。本展のために制作されたNADiff限定Tシャツで、本展の出展作品がプリントされています。ぜひあわせてお楽しみください。

画像提供:NADiff a/p/a/r/t






坂本夏子《Tiles | Signals, occurrence process 001》(2023)
坂本夏子《Tiles | Signals, unexpected rhythms 001》(2022-2023)

坂本夏子 Tiles | Signals — unexpected dimensions
Kanda & Oliveira
2023年7月1日 ‒ 8月5日
13:00 - 19:00
※展示会期中の火曜~土曜が開廊日となります。
https://www.kandaoliveira.com/ja/exhibitions/14-natsuko-sakamoto-tiles-signals-unexpected-dimensions/

気がつけば、17 年ものあいだキャンバスに油絵具のタイルを並べていますが、わたしにとって絵を描くこ とは、今も不自然で不自由な行為のままです。自分の心地よさと、絵が自由であることは、まるで関係が ありません。でも、絵を描くことでしか、後戻りできないこの現実をわたしは考えられない。だから、生 きることは自由をもとめて描くことでもあります。わたしがそうするには、描くためのあたらしい方法が いつも必要です。
そちら(未来)でも、絵を描くことは、まだ無い世界にふれる方法ですか? 最近は、あなたの影をたくさ ん呼び込める絵画の次元はどういうものだろうと、ずっと考えています。あなたは予期しえず刻一刻とす がたを変えてしまうけれど、過去と今のあいだに因果があるのなら、今は未来の影をいくつも内包してい るはずで。それらをなんらかの色やかたちで抽出することは、とらえることができない「今」の位置をは かる手がかりになるのではないかと思えてしまいます。
そして、未来の影としてあらわれるシグナルたちを、どこかに送信してみたくて。

坂本夏子

本展に合わせて制作された冊子も7 月1 日よりギャラリー内にて販売。新藤淳氏とのメールによる往復書簡も収録。

画像提供:Kanda & Oliveira





開催中


会場風景2F 撮影:木奥恵三
ニキ・ド・サン=ファール + ジャン・ティンゲリー 鉄の台座の上で踊っている小さなナナ 1981 photo by Noriaki Imai

I LOVE ART 17
プレイプレイアート展

ワタリウム美術館
2023年3月19日(日) - 7月23日(日) 8月3日(木)*会期延長
11:00 - 19:00

ミニカタログプレイプレイブックをチケット購入の方へ配布しています。また1日3回、各回15分作品解説と実演をします。詳細はWEBで。

http://www.watarium.co.jp/

画像提供:ワタリウム美術館





マリー・ローランサンとモード
名古屋市美術館
2023年6月24日 - 9月3日
9:30 - 17:00(8月11日を除く金曜日は午後8時まで)
休館日:月曜日(7月17日、8月14日は開館)、7月18日(火)
https://www.ctv.co.jp/marie-laurencin-nagoya/outline.html

二つの世界大戦に挟まれた1920年代のパリ。その自由な時代を生きる女性たちの代表ともいえる存在が、画家のマリー・ローランサンと、ファッション・デザイナーのココ・シャネルです。本展では、ともに1883年に生まれた二人の活躍を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、ジャンヌ・ランバンなど、時代を彩った人々との関係にも触れながら、美術とフ
ァッションが互いの境界を越えてダイナミックに展開する様子をたどります。

画像:プレス向け内覧会で撮影






開館60周年記念 Re: スタートライン 1963-1970/2023 現代美術の動向展シリーズにみる美術館とアーティストの共感関係
京都国立近代美術館
2023年4月28日 - 7月2日
10:00 - 18:00(金曜日は20:00まで開館)
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionarchive/2023/453.html

「現代美術の動向」展*は、京都国立近代美術館が開館した1963 年から 1970 年まで毎年開催された、定点観測的なグループ展シリーズです。国公立の美術館がまだ少なかった1960年代当時、日本の現代美術の中堅・若手作家を紹介する展覧会として大きな注目を集めました。
全9回におよぶ「動向」展が取り上げた作家・作品は、素材や形式も実にさまざまです。高度経済成長期を迎えた1960年代は、社会や人々の生活の変化を背景に、絵画や彫刻といった既成の区分の逸脱と、形式・素材の多様化が進み、美術の概念そのものを刷新する動きが活発化した時代でもありました。(略)「動向」展は、美術館がこうした目まぐるしく変貌する美術の状況と向き合い、若い世代のアーティストや鑑賞者との共感にもとづく実験場となるべく創始されました。(略)今回の展覧会では、293組の出品作家の中から、66組による主な出品作もしくは関連作、記録写真、展覧会に関するアーカイヴ資料を紹介しながら、1960年代当時の美術館とアーティストが切り結んだ美術の現場のスタートラインを検証します。
(WEBより引用)

画像:プレス向け内覧会で撮影






ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会
森美術館
2023年4月19日 - 9月24日
10:00 - 22:00 ※会期中の火曜日は17:00まで
https://www.mori.art.museum/jp/

1990年代以降、現代アートは欧米だけでなく世界の多様な歴史や文化的観点から考えられるようになりました。それはもはや学校の授業で考える図画工作や美術といった枠組みを遙かに越え、むしろ国語・算数・理科・社会など、あらゆる科目に通底する総合的な領域ともいえるようになってきました。それぞれの学問領域の最先端では、研究者が世界の「わからない」を探求し、歴史を掘り起こし、過去から未来に向けて新しい発見や発明を積み重ね、私たちの世界の認識をより豊かなものにしています。現代アーティストが私たちの固定観念をクリエイティブに越えていこうとする姿勢もまた、こうした「わからない」の探求に繋がっています。そして、現代美術館はまさにそうした未知の世界に出会い、学ぶ「世界の教室」とも言えるでしょう。
(中略)また、当館の企画展としては初めて、出展作品約150点の半数以上を森美術館のコレクションが占める一方、本展のための新作も披露され、54組のアーティストによる学びの場、「世界の教室」が創出されます。
(WEBより)

画像:プレス向け内覧会で撮影





『JUN』1号表紙 MIRAGE
©竹宮惠子1978「MIRAGE」
『百と卍』5巻表紙
©紗久楽さわ/祥伝社 on BLUE comics ©Sawa Sakura/Shodensha on BLUE comics


はじめてのBL展
角川武蔵野ミュージアム 、4F エディットアンドアートギャラリー、4F ブックストリート
2023年5月20日 - 7月16日
日 - 木10:00 - 18:00/金・土 10:00 - 21:00
休館日:第1・3・5火曜日
https://kadcul.com/event/121

男性同士の恋愛を扱ったフィクションジャンルのひとつ、ボーイズラブ(以下BL)。従来、小説やマンガなどで展開されていましたが、近年は映像作品も増え、広く認知されつつあります。テレビやインターネットでは世界中のBLドラマを見ることができます。
歴史をたどると、1960年代に森茉莉氏が女性作家としては日本で初めて男性同士の性愛を書き、1970年代に入ってからは竹宮惠子氏など少女マンガ家が少年同士の恋愛、いわゆる「少年愛」作品を描きはじめました。その後、1978年に初めての専門誌『JUNE』創刊を経て、BLはさまざまなサブカルチャーを生み出し、そのすそ野を広げてきました。
また1992年、角川書店(現・KADOKAWA)は、耽美・BL小説を主に扱う文庫レーベルとして、「角川ルビー文庫」を創刊。それは雑誌『JUNE』で育ったクリエイターたちの活躍の場となりました。
本展では『JUNE』を起点に、専門ジャンルとしてのBLの変遷を大きく3つの時代に分け、各時代のエポックメイキングとなる作品やムーブメントを、原画や書籍、雑誌、映像、年表などとともに紹介。BLに詳しい方はもちろん、BLに初めて触れる方でもその文化を知ることができます。
場内では竹宮惠子氏、あさぎり夕氏、紗久楽さわ氏などの「原画’(ダッシュ)」や原画、中島梓(栗本薫)氏の小説の直筆原稿、すでに休刊となったBL雑誌など貴重な展示物を見ることができます。(PRより)

画像提供:角川武蔵野ミュージアム広報






三上晴⼦「Eye-Tracking Informatics」(2011年)
撮影:古屋和⾂
写真提供:⼭⼝情報芸術センター[YCAM]

三上晴子「Eye-Tracking Informatics」
√K Contemporary 3F
要予約

5月: 2023年 5月23日 - 5月31日
6月: 2023年 6月13日 - 6月30日
7月: 2023年 7月1日 - 7月15日、7月25日 - 7月29日
14:00 - 18:30 (最終入場 18:00)
鑑賞料:800円現金のみ(空状況により、当日の案内も可能)

2011年に山口情報芸術センター[YCAM]で制作・発表された本作品は2019年のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]での展示以降、東京で
初の展示となります。「視ることそのものを視る」というコンセプトの元に制作された本作は、鑑賞者の視線の軌跡を三次元仮想空間内に可視化していくインスタレーション作品です。三上晴子のインタラクティブアートをぜひ体験してみてください。(PRより)

画像提供:√K Contemporary




表紙について

梅雨時に合わせて、恋愛のドロドロを掛け合わせた少女マンガのストーリーをイメージして描きました。4人の思春期の男女がカップルを入れ替えたりしながら、くっついたり離れたりスッキリと晴れない関係性を繰り返し、誰かを好きになることを学んでいく物語です。赤いリボンや糸は、絡まり合う不安定な出来事を予感させようとしています。

00年代前後の少女マンガには吉住渉「ミントな僕ら」(1997-2000年、集英社/りぼん)で毎日女装する男子高校生(双子の姉を追って女子寮に住むため)がいたり、同性愛・バイセクシャルなどの多様化された性や恋愛の形が自然と表現の中に組み込まれていました。今回の作品も、そのような関係性が生じる可能性を秘めた恋愛ストーリーの連載第1回目巻頭カラーを表現した絵画になってます。

宮野かおり




あとがき
今号からおしらせコーナーの展示情報へ公式の広報画像を提供してもらい掲載しています。タイトルとURLだけのシンプルさも好きなのですが、一応メディアなのでそれらしさとビジュアル面の強化を目指しました。
原稿募集中です。掲載希望される方は下記連絡先まで。
美術展のレポートやお知らせでの掲載や取材を希望される方はプレスリリースを下記連絡先まで送ってください。
展示内覧会へ招待いただければ取材へうかがいます。


企画・編集:みそにこみおでん
スタッフ(校正担当):シロクマ
表紙絵:宮野かおり
連絡は下記へみそにこみおでん宛にお願いします。
E-mail: aspma260[あっと]gmail.com
twitter:@misonikomioden
facebook: https://www.facebook.com/misomuoden
レビューとレポートバックナンバー
https://note.com/misonikomi_oden/m/m075a5bacea51


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