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イソップ寓話とM&A - その2|M&Aアドバイザーのつぶやき

こんにちは。かきもとみさです。

今日は昨日も記事にした「イソップ寓話」とM&Aにおける教訓の話です。

上記リンクは、いつも案件相談やアドバイスなどをくれる、齋藤 由紀夫先輩の記事です!以下、記事の引用します。

◆『けちんぼう』~金も使わなければ石と同じ~
たいへんな金持ちだけれど、けちんぼうな男がいました。男はお金を少しでも減らしたくないと、財産のすべてを金塊に換え、土のなかに埋めました。ところが、その金塊は盗まれてしまいました。泣いている男から理由を聞いた村人たちは言いました。「なあんだ。それなら同じ場所に石でも埋めておきなさい。金を埋めるだけで使わないなら、金でも石でも同じことですよ」と。

筆者の先入観もあるかもしれませんが、歴史が長く、必要以上に内部留保が厚い会社ほど、M&Aの買い手となった場合には意思決定ができずによい案件を逃す傾向が見られるように思います。手元キャッシュが潤沢なら、リスク許容度は高いはずなのですが、実際はそのような判断をしないようです。

これに似たギリシャ神話?を聞いたことがあります。

3人の兄弟がいて、神様から「1タラント」のお金をもらいました。長男は商売を成功させ、次男は使って無くしてしまい、三男は大事に1タラントをとっておきました。

神様は三男に「1タラントを大事に持っているだけではダメだ!持っているものを活かさなければ」と。

この「タラント」は「タレント」=能力の語源と言われています。

お金も能力も、持ち腐れでは全く価値を生みません。ふんだんに使って、循環させて磨きをかけていくもの。そうでないと、好機をのがしてしまい、さらに成長を加速させていくことは難しいでしょう。

◆『農夫とその子供たち』~単なる資産譲渡は子のためならず~
年老いた農夫には、働かない3人の子供がいました。農夫は亡くなる間際に、「畑には宝物が隠してあるから、掘り起こしてみよ」と子供たちに言い残しました。子供たちは畑の隅々まで深く掘り返したが、何も見つかりませんでした。しかし翌年の収穫は、畑がよく耕されたことから今までにない大豊作に恵まれました。

市場が縮小、競争が激化している経済環境下においては、会社の器だけを残しても維持することが難しくなってきています。後継者の子息が、ビジネス面において創業者よりも優れているとは限りません。そうであれば、後継者には先代以上の努力が必要です。
親族内承継の場合、資産を残すことよりも、経営哲学やお金の稼ぎ方などのノウハウを伝えるほうが大切かもしれません。

「M&A」というのは第三者承継の総称であって、可能なら親族内承継で事業をうまく引き継ぎたいもの。けれども2代目や3代目というのは、創業社長の父親や祖父の姿を見て大きく成長するケースもある一方、甘やかされたり責任感がなかったり、全くビジネスセンスがないケースも。。

いかなるケースにおいても、先代の功績に頼らずに「自分の代で第二の創業をしてやるんだ」くらいの気概がないと難しいのかもしれませんね。

◆『北風と太陽』~相手の心に寄り添うことが大切~
イソップの代表的な寓話です。北風と太陽が、どちらが先に旅人の服を脱がせることができるか競いました。北風は力任せに冷たい風を吹きつけ、旅人はさらに服を着込んでしまいます。しかし太陽は、旅人に温かい日差しを注ぎ、服を自分から脱がせることに成功するのです。

北風と太陽を買い手に置き換え、場面をクロージング前の最終局面とすると、この話はとても意味深くなります。ここまで時間をかけたのだからと、北風のように手荒い交渉によって強引にクロージングに持ち込もうとする買い手は少なくありません。しかし、無理やりクロージングをしようとすれば、相手が交渉のテーブルから降りることもあり得ますし、後々のトラブルも発生しやすくもなります。相手側が自ら決めることが大切なのです。そのためには、太陽のような温かさで寄り添うことも必要です。

この教訓は私が日々、訴えているメッセージにかなり重なるものがあります。まさに「コーチング」の要素が満載ですね。

人は、人から「説得」されて実行するエネルギーよりも「自分で決めたこと」のようが腑に落ちて実行に移しやすいケースがあります。

M&A自体の決意も、相手を選定する際の意思決定も、人生で1度切りの大きな決断になるケースが多いでしょう。

「内なる声」を大事にしてあげる寄り添うことが何よりも大事ですね。

◆『すっぱい葡萄』~諦めるときは潔く~
お腹を空かせたキツネが、おいしそうな葡萄を見つけました。食べようとして懸命に跳び上がっても、葡萄は高い所にあって届きません。キツネは怒りと悔しさから「どうせこんな葡萄は酸っぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか」と負け惜しみの言葉を吐き捨てました。

M&Aの現場でも、取引価格や条件が合わずに買い手が見送らざるを得ないケースがあります。その際に、単純に諦めてもらえればよいのですが、対象企業のウィークポイントや些細なネガティブ情報を取り上げ、価格交渉をしてくるケースがあります。そのような場合は、「ノーディール」ということで交渉の打ち切りを提案します。一時が万事で、今後の交渉も難儀することが予想されるからです。

この狐の話は、「認知的不協和」というマーケティング用語で習った記憶があります。簡単に手に入らなさそうに見える獲物を、本心ではのどから手が出るほど欲しいというケースだった場合に、脳内で「本当は欲しくなんてなかったんだ」と決めつけようとしてネガティブなことを吐くという現象です。

これをブドウでやるならいいですが、M&Aの場面でやるのは最悪ですね。仮にその獲物が手に入ったとしても、ものすごく両者ともに酸っぱい想いをすることになるのは明白です。

M&Aは人間の本性が見えるもの

記事にもあるように、M&Aは本当に人間の本性が見えるもの。

私も、大きい案件程、責任逃れしたい小心なオジサンから嫌がらせを受けたり、「買収見送りを売主とアドバイザーのせいにしてやりたい」という気持ちで訴えられそうになったりと、、「この人の本性、こんなクズだったんだ」と愕然とするような経験を何度もしてます。

でもそういうときこそ「大きな器で良い仕事ができるかどうか」という、人間としての真価を問われます。

教訓を生かして、日々の仕事において自分に恥じない献身をしたいものです。


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