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「知らない街」が「好きな街」へと変わる過程を楽しむ

2月下旬、神奈川県秦野市鶴巻温泉に滞在した。「秦野市」も「鶴巻温泉」も、そこに滞在すると決めたときまで、名前すら聞いたことがない街。

ダーツの旅のようにぽーんと向かって、地域に触れ、地域の人に触れ、魅力を存分に味わう。そんな、「名前も知らなかった街との、偶然の出会い」について振り返る。

名前も知らなかった街へ旅する

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私はいま、「ADDress」という日本全国定額で住み放題のサービスを利用して、家を持たずに旅をしながら暮らすライフスタイルを送っている。

このADDressのサービスは、単に「住まいのサブスク」という棲み分けではなくて、「地域創生」「空き家問題改善」を目指しているサービス。だから、観光地ばかりではなく、田舎とか観光名所がない普通の街にも提携している滞在先がある。

あえてホテルに泊まらずに、ADDressを利用しながら日本全国を移動すること。それは、「名前も知らない街に滞在すること」になる。

ふつうの旅をしていたら、「名前も知らない街」にあえて滞在することはなかっただろう。好きな街や知っている街、観光地として知られている街にしか行くことはなかっただろう。

だって、旅って「行きたい!」と思う場所があってこその「旅」だし。名前も聞いたことのない街に行くって、そこに何があるかも分からないのに、そこに行くって、なんだか不思議な感じ…。

と、はじめて「名前すら知らなかった街」に滞在したときはとても不思議な感覚を味わった。でも、「その街に行きたい!」という気持ちではなくて、単に「ADDressの提携先の家があるから、そこに滞在する」という温度感で、街との偶然の出会いがあったりする。

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最初はその不思議な感覚に戸惑っていた。けどいまは「名前も知らない街をどれだけ好きになるのか」というワクワク感でいっぱいだ。本当にダーツの旅みたい。示された場所に行く、という感覚。

その場所に行きたい、からはじまる旅じゃなくて、滞在先があるから向かう、期待値や先入観なしでその街に「ただあるもの」を受け取って感じられる。そもそも期待値がないから、マイナスな印象になることはないし、「思った感じではなかったかな」「写真の方がきれいだな」なんて思うこともない。

「なにも知らない」は、時としてなんでも吸収できる、受け止められるクリアな状態であるということ。なにも知らないからこそ、何気ない景色のなかにも「きれいだ」と思えることがあるし「こんな場所にこんな素敵なところがあるなんて」とある種の「自分で見いだした」感覚がある。

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そうやって、だんだんとなにもなかったところから「素敵」だけを引っ張り出して、その街に溶け込んで、良いところを見つけていって、結局最終的には「知らない街」が「大好きな街」へと変わる。その気持ちの変化の過程を感じるのがとっても幸せ。

そんなことを考えながら、どんどん好きになっていく感覚を味わいながら、温泉に入ったり山登りを楽しんだり、早起きして朝市を訪ねたりした。

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この、素朴ででも温かな街の雰囲気を感じられたのが良かったのかもしれない。

「観光地として有名な場所に行く」「行きたい場所に行く」ももちろん心躍る旅ではあるけれど、そのなかにたまーに「名前も知らない街にも行ってみようかな」の感覚を忘れずにいたい。

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予想のできない、期待もない出来事に対して素直に感動したり良い部分を見つけたりする自分を大切にしていきたいなぁ、と思うのです。


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