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[地域おこし協力隊 × 図書室] 仕事が増えてしまうボランティア??

ー図書室を「人がつながる場」にするというミッションに日々挑戦、「図書室ボランティア」を募集してみた話。試運転を経て、今後に向けた私の頭の中整理をシェアします。ー

図書室ボランティアを募集してみたら


「お手伝いする!!!」
と元気いっぱい図書室に来てくれる子、

「何してんのーうちもやりたいー」
と本に熱中していたはずが
友達につられてボランティア活動に加わる子、

そんなボランティアさん達が働いてるのを
ニコニコしながらジ〜っと見つめ、
自分からは決して言い出さないのだけど
やってみる?と声をかけると黙々と取り組む子。

十人十色の言葉通り、本当にいろんな子がいますが、
全員が“お手伝い“というものに興味を持ち
図書室に来てはワイワイしてくれています。

たしかに私も
小学生の時はとっても好きだったなあ、お手伝い。
さらに学校の外ってだけで特別感があるというか、
楽しかったよなぁ〜と思い返したり。

先月、図書室では
コロナの影響による予約制が解けて、
放課後の時間帯が賑やかになってきました。
予約制の頃から図書室ボランティアを募集し始め、
手を上げてくれた中学生とひっそり活動していました。

ボランティアを募集し始めたきっかけは
隣町の図書室には熱心なボランティアさんたちが
沢山いらっしゃると聞いて羨ましくなったことで(笑)
うちでもぜひ!!!
ボランティアさんがいてくださったら
わたしひとりじゃできなかったことができる!!
図書室が豊かになる!!!!!!
と意気込み、
中学生〜大人を想定して募集をスタートしました。

しかし蓋をあけてみると
大人よりも子どもが集まりました!

小学生の職業体験があったこともあり、
口コミならぬ、目の前で繰り広げられた
“お手伝い楽しそう!“が広がり
常連小学生たちにも人気となり、
年齢関係なくお手伝いをお願いすることにしました。

職業体験のまとめ発表で作ってくれた図書室MAP



仕事が増えるお手伝いって元も子もない?

10歳以下を受け付けないつもりでいた理由は、
小さな図書室なのでワンマン運営の私が
通常業務で目一杯だったからでした。

年齢に合ったお手伝いを用意し(準備が必要)
説明をして、時々チェックをして、
山のようにでてくる質問に答えて、
さらなるチェックをして、後片付けまでしっかり見て、
と管理することは負担となってしまうと考えたためでした。
が、

ボランティア終了後は本に夢中

子どもから興味をもって来てくれているのに
ここで受け入れられないのはもったいない!!!

の思いがとてもとても強く湧き上がってきたのでした。元々、本に興味があって
通ってくれている子たちばかりなので
ここでボランティア活動をしなくとも
変わらず図書室には通ってくれていたと思います。

けど、ここで「図書室を一緒につくる」
という活動ができたとしたら
図書室に愛着を持ってくれたり、
町づくりに参画したという経験になったり、
学校の外の人との関わりができたり、
ただのお手伝いだけではない
もうちょびっとだけ大きな意味が生まれる気がしました。

やってみると先の懸念通りで、
もちろん業務は増えるし効率は悪くなりました。
しかし、一時的だと踏んでいます。
やりようはあると気付きましたし、
彼らも一回ごとにずんずん成長していきます。

希望だけ伝えて、自分たちで主体的に考えて活動してもらう


結論は、仕事が増える以上の価値がある!です。

お手伝いのはずなのに、
木村さんの仕事増えてて大変じゃ、、?
と保護者の方に心配されたりもしました。笑
その通りですが、ちょっと違います。

雑務減はオトナのボランティアさんに期待しています。
子どものボランティアさんへは
元から「業務の負担減」ではなく、
自分も図書室の運営に参画していると感じて
「図書室に愛着を持ってもらうこと」
「関わりの幅を広げること」
に期待してます。
つまりプラスでしかありません。

それに意外と雑務減も兼ねていっています。
子どもだって仕事を覚えます。
慣れてきたり、上手くなってきたり、
初めての子に教えてあげられるようにもなります。
簡単な作業なら私の目を離れる日も近いと思います。
(例えば新刊にスタンプを押す、紙を貼る、帯を貼る、
壁装飾をつくる、などは
小学生にも安心して任せられます。
気になる部分があるときは、児童書だけお願いして
一般書は避けるなど、”工夫”できます。)
今は児童書に関してはほぼお願いできて、
結局のところ雑務減、までいけています。

さらに、低学年のみんなが
高学年・中学生・大人になっても
ボランティアを続けてくれたとしたら、
更なる期待を回収できる可能性も、、、
含んでいると思います✨

ここまでの話、きっと高齢の方など
ハンディキャップをお持ちの方、
色んな方々にも同じことが言えると思います。
ボランティアの場合、仕事ができるできないではなく
その場を一緒につくりあげている、
何かを一緒に達成する、ということが大切。

そして色んな人がごちゃまぜに関わり合える
交流の幅が広がることが一番のメリットだと思います。

ボランティアと町づくりの関係性

元々、図書ボラを募集し始めた時に
目的はしっかり決めていました。
(たしかに隣町の芝生が青かったことはありますが
それだけではなく)

◎ ワンマン運営でぎりぎりな私の
  雑務を助けてくれる人(天使)が現れてくれたら…!

◎ 図書室で何かしたい時に一緒に動いてくれる
  コミュニティがあると助かる。
  (例えば読み聞かせ会、イベント、
         企画展などを定期的に開きたいと思うと、
   一人ではキャパオーバーと気付く。)

◎ 図書室のファンづくり。

  図書室づくりに自主的に参画してもらえることで、
  自分が一般の人より図書室と近い関係になる、
  図書室の“ファン“が生まれるかもしれない。

◎ 町の異世代交流の場となれば嬉しい。

◎ ティーンズが斜め上の関係となる大人
  出会い・話す機会をつくりたい。
  (学校でも家でもない場所の大人との関わりが
  大切だと考えているので) 

などなど、、、これらの項目全て
町づくりコミュニティデザインと繋がっている
と思います。

さっきもちらっと書きましたが
ごちゃまぜ“ という言葉を
最近まちづくり界隈でよく聞くようになりました。
私も誰しもが交わえるごちゃまぜな環境は
理想だと感じます。

いろんな世代、いろんな所属、いろんな人たちで
図書室をつくれた方が
みんなの図書室への興味が増すし
面白くなるし、楽しいなと思いました。

とはいえ、始めるまでは
「ボランティアなんているかしら、、、」
と半信半疑でした。

でも、よくよく考えてみると、
自分がボランティアしてました。
(“ボランティア“という響きに“善な行為“という
イメージがあってボランティアとは思っていなかったけど
課外活動的に趣味で行っていたお手伝い

いくつかありました。)
それを思い返して「いるいる、、、」と
自分で根拠をつけて自信を持って募集してみました。

結果は既述の通り。
下校してから親の迎えを待つ子どもたち、
さらには休日にわざわざ図書室に来て何時間も
お手伝いしたり本を読んだりする子どもたち、
あっという間に
毎日誰かしらがお手伝いしてくれる状況となりました。

今では登録は10人以上!
(利用者が10〜20人/日くらいの小さな図書室で
1ヶ月でこれだけ集まったのは予想外です。)


ボランティア活動 運営のヒント

これまで試運転してみて、
良かったこと・続けること・
これからやっていきたいこと
を、ボランティア活動運営のヒントとしてシェアします。

① ボランティア内でチームで仕事をしてもらう。
  中学生or大人のボランティアさんに
  小学生ボランティアさんたちを任せる。
  ボランティアの時間が被っていても
  年齢別の作業になってしまうし、
  管理者が入っていては交流にはなりにくい。
  教える側、指示を出す側になってもらえれば
  交流にもなり、管理者は手が離れて通常業務が可能。

② 小学生のボランティアは活動日を決める。
  やはり12歳以下のボランティアさんは
  <仕事を作る、説明する、チェックする>が必要で、
  目を離せないことが多い。
  13歳以上だと突発的に来てもらっても
        事前準備なしに何かしらお願いできる。
  ①をするにしても負担は大きく、
  また突発的に来てくれた時にお手伝いが無いと
  がっかりしてしまい続かなくなる可能性があるため
  ワンマン運営なら毎週曜日を決めた方が良さそう。
  子どもも習い事があったりするので最低2曜日。

  できれば、忙しい大人たちと同じように
  いつでも好きなときに来てお手伝いしてね、
  がベストですが、、。

③ オトナボランティアさんを増やす。
  大人にお願いしたいことを具体的に広げて
  改めて大人向けに募集をかける。
  焦点を合わせることは重要。
  (前回は中学生向けにチラシを作成していた。)

④ ボランティア活動が固まってきたら、
  他活動とコラボしていくと
  ボランティアにはない幅での交流が広がりそう。
  (例えば町の高齢者大学やクラブ活動、
   町内会、町内のお店、などなど。)

⑤   ボランティアに来てくれる時間帯が決まっていて
  会うタイミングがないので
  ボランティアさん同士が交われる仕組みを作りたい。
  (共同制作など、一緒に何かをやり遂げるような
  お手伝いを用意。)
  イベント開催や集まれる特別な日
 (大掃除など人手が必要なお手伝いデー
  があると良さそう。)

⑥  なるべく一方的なお願いだけでなく、
   双方的なコミュニケーションを心がけ
   自主的・主体的な活動
をお願いする。
   難しい時は、選択的にするとベター。    
 (お手伝い内容をいくつか用意し、
  やりたい物を選んでもらう。)

⑦ 子どもには続く仕掛けづくりを
  せっかく自分からやりたいと来てくれた
  ボランティアだからやらされる仕事ではなく、
  自主的に考えて主体的に動けるお手伝い
  をお願いしたい。でも子どもにそれは難しい…。
  そうなった時、こちらでできる工夫は
  楽しく続けられる、また行きたい!
  と思えるような仕掛け作り!

私は一人ずつ会員No.を入れたカードを用意して、
スタンプラリー要素と、マーカーで色を塗っていく
メーターをつけています。  
自分でスタンプを押してもらっていて、
埋まっていくのが楽しいみたいです。
小・中学生に使ってもらっています。

ちなみに、カワイイ本のスタンプは
自作、即席の消しゴムはんこです。(制作時間1分)

全体的に
ガチガチにしすぎず、自由に、
去るもの追わず来るもの拒まず、
の運営がボランティアにはベストだと思っています。
なんせ自分の自由な時間を使ってもらうものなので!

何より、ボランティアさんがいると平和で楽しい場になる

ボランティアさんたちが楽しんで活動してくれていると
その場が和み、わきあいあいとし、
他の利用者さんたちとの関わりも生まれています。

図書ボラが始まってから、
町づくりって小さい交わりの積み重ねで、
こういうことかもしれないなーと思う瞬間が増えました。

私は図書室を運営する中で
自分が去った後や、
多い人数で図書室を回すようになった時にも
継続できるように整えていきたい
(私がいなきゃできない事は無くしたい)
と考えていて、図書ボラも同じです。 

今後図書室に誰がいようと、
図書室は本を読む場所だけでなく、
なんとなく寄る場所であってほしい。
友達や斜め上のオトナと話せる場所であってほしい。
ゆるく、長く続く関係性で、
いつでも気軽に寄れる場所であり続けられるように
整えられたら、私のミッションは
クリアとなるかなと考える今日この頃です。  

こどもの発想の豊かさを大切にしたいと思う、
ニヤニヤしてしまうお気に入りの写真です。


今日の本は
私なんかよりもっと実例をお持ちの方の本。
私がこのまちづくり×図書室の面接前に
たまたま押し入れから引っ張り出してきて
読んだ本がとても良かったのです。
友達に大昔にもらってそのままになっていた本でした。
先日、近くの街、室蘭でこの方の講演会があり
参加してまた刺激を受けました。 
なんだか縁を感じています。

失敗談も成功談も勉強になるものばかりです。
主体性、自主性、がキーワードな気がします。

「コミュニティデザイン ひとがつながるしくみをつくる」
山崎亮


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