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詩まとめ

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気まぐれに書いた詩をまとめています。 よかったら覗いてみてください!
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#青春

詩 『花束から』

詩 『花束から』

電車のホームを歩くのは

花束を抱えたおじいさん

ニット帽を被って

体の温もりを花束へ伝えるように

大切に抱えている

あの花束はどこへ行くのだろう

どんな気持ちで花屋へ行ったのだろう

電車の窓から見えたのは

花束を抱えたおじいさん

青空の下で

おじいさんは何を思うのだろう

恋人へ会いに行くのかもしれない

幸せを分けに行くのかもしれない

あとは花束に任せたよ

青空の下の茶色

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詩 『ありがとう』

詩 『ありがとう』

青春の鐘が

ならなくなる前に

今を大切に生きていく

仲間たちとのお別れを前に

学食を食べておく

写真を撮っておく

お菓子パーティーをしておく

あなたの笑顔と

あなたの言葉を心に焼き付けて

青春の鐘を鳴らし続ける

忘れたくない

この日々を

自分を嫌いになった日も

生きるのをやめようとした日も

そんなもの誰にも触れさせない

だから

覚えておきたい

忘れたくない

苦し

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詩 『収める』

詩 『収める』

最寄りの一駅前で降りた

寒い冬の日に

一眼を片手に

学校帰りに散歩をした。

散歩がしたかったわけじゃない

何かをこの手に収めたかった。

夕焼けの淡いピンクと

特急の忙しない音

パトカーと乗用車

制服姿の見知らぬ人たち

小春日和にマフラーを巻いて

遠くには穏やかな山並みが見える

それだけでいい

それだけが私の生きる意味

お月様に微笑んで

1日を終えようとしている。

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詩 『檻の中で』

詩 『檻の中で』

右を向けば右を向く
左を向けば左を向く

車のライトがカーテンを辿る
桜吹雪のようにささやかに

いつか
右を向けば左を向く
ならば
左を向けば右を向く

もうどうやっても切り離せないこともある
ただバカにしたような笑い方しかできないときもある

そんな全てに微笑みを

そんな全てに矛先を

誰にも見せない顔がある
誰かにだけ見せる顔がある
誰にも見せない顔がある
誰かに見てほしい顔がある
誰かに

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