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老兵は去るのみ…カーネル・サンダーズは老人の星ではありません?!

多くのおじさんたちは、ケンタッキーフライドチキンの創設者、カーネル・サンダーズに勇気づけられます。サンダーズは苦労人で、ケンタッキーフライドチキンを創業して大成功を収めたのは65歳の時でした。おじさんたちは、サンダーズに自分の人生を重ね合わせて、自分だってサンダーズのように歳をとってからでも、もう一花咲かせることを信じて頑張ろうとします。

ちなみにサンダーズの生い立ちはこんな感じです。
・6歳のときに父親が亡くなり、母親が父親に代わって一生懸命働く。
・長男だったサンダーズは、幼いころから家事や弟・妹を母の代わりに世話をする。その時に自分で作った料理で人を幸せにする喜びを学ぶ。
・サンダーズは仕事を転々と変える。機関車の灰さらい、機関士、路面電車の車掌、ペンキ塗り、保険外交員、フェリー会社経営、商工会議所、ガスランプの製造販売など。
・ガスランプ製造販売の時には大金を投資したが、エネルギーの主流がガスから電気に移り変わり事業は失敗し全財産を失う。
・その後、自動車が一気に普及したため、ガソリンスタンド経営を始めたが、世界大恐慌が起き、またしても全財産を失う。
・サンダースは二度目のガソリンスタンド経営を始め、小さなカフェも併設した。そこで出した料理がフライドチキンだった。
・カフェの大繁盛しレストラン業に集中し、支店も出すほどの人気店となった。このときのサンダースの歳が45歳だった。
・その後、サンダースは65歳でケンタッキーフライドチキンを創業して大成功した。

成功と失敗を繰り返した人生を送ったサンダーズですが、サンダーズに憧れてもう一花咲かせたいと夢見るおじさんたちは、65歳にケンタッキーフライドチキンを創業した時のサンダーズしか見ていません。誰もがサンダーズのようにはなれません。実際に、自分の周りを見渡してください。サンダーズのように65歳から成功した老人がどれだけ自分の周りにいるでしょうか。きっと皆無だと思います。

そうなんです。サンダーズのような特例の人だけ見てもダメなのです。99.9%の老人たちはサンダーズのようになれません。自分がサンダーズの様な0.1%の老人になれるかどうかは、自分が一番よく知っているはずです。無理して全財産を費やして自分の好きなことを追い求めるようなことを、老人は決してやってはいけません。

トライ&エラーの繰り返しが大事なのは、若い時だけです。むしろ、老人は決してサンダーズの様な人生を送ってはいけません。身の丈に合った人生、毎日の何気ない幸せを感じながら生きていくのが一番です。欲を捨てることこそが、老人の為せる業なのです。もっともっと成功したい、最後にもう一花咲かせたい、という欲を手放せるのが老人の賢さなのです。


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