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幸福度を上げるための考え方

人は見たいものしか見ないし、見たくないものは見ないという性質があると思います。物事が視界に入っていたとしても、その全てを見ているわけではありません。その人が見たいものを選び、なおかつ見たくないものを見ないようにして、あらかじめ見ようと決めたものだけを見ているのが、人間なのではないかと思います。

例えば、地面は安全だと信じていれば、危険なものは目に入らなくなります。危険な兆候が目に入らないので、綺麗な花々ばかり目に入り、一時的には幸福感を味わうことができるのではないかと思います。

しかし、まったく地面に注意をせずに歩いてしまうと、気付かぬうちに落とし穴にはまってしまう可能性が格段と高くなります。その幸福感は失敗や挫折に弱く、非常に不安定なものになってしまいます。それは、一時的な脆い幸福感に耽溺するために安全性を捨てる生き方だと思います。

一方で、地面は危険だと決めつけて下ばかり向いて歩けば、転ぶリスクは軽減できますが、その分、綺麗な花々を見つける余裕がないので、慢性的に幸福度が低い状態を生み出してしまいます。それは、失敗や挫折を過度に恐れるあまり人生の幸福感を犠牲にする生き方だと思います。

そのため、幸福度を上げるためには、「①失敗を回避する視点」だけではなくて、「②過度に失敗を恐れない視点」も必要なのだと思います。つまり、地面の落とし穴に気をつけながらも、綺麗な花々を見つける余裕が必要だということです。

例えば、人間関係においても、ある程度は用心して生きなければ、簡単に人に騙されたり傷つけられたりするリスクが高くなります。一方で人を信用する気持ちがないと、人間関係が生み出す幸福感を得られにくいし、殺伐としたものになってしまいます。どちらか一方だけでは、不十分なんですね。

今回、特にお話したかったのは、「②過度に失敗を恐れない視点」についてです。
※「①失敗を回避する視点」については、知識や判断力、経験値など色々あると思いますが、今回はメインのお話ではないので省きます。

これを得るために、まず一つ目に必要なことは、「生きていれば失敗することもある」という人生観を有して、失敗や挫折をした自分を恥ずかしいと思わないようにすることだと思います。

もし失敗することを「恥ずかしい」と思ってしまえば、失敗した自分を過度に責めてしまいますし、そんな自己否定から身を守るために防衛本能が働くので、「あいつのせいで失敗した」と誰かを批判してしまいます。また、そんな自分を正当化するために被害者意識を持ってしまうので、それらの他人に対する対応が孤立を招き、さらに幸福度が下がってしまうことにもなりかねないのではないかと思っています。

例えば、落とし穴にハマってしまったときに「安全な道だって信じてたのに!」と誰かを恨んだり、自分をいつまでも責めたり、「自分も落とし穴を掘ってやる!」と他人を傷つける側に回る人は、怒りの感情に支配されるので、周りの人に迷惑をかけて孤立し、なおかつ副交感神経が劣後してしまうことにより心身ともにダメージを受けてしまいます。それは幸福な状況とはいえないと思います。

次に、二つ目に必要なことは、「怪我の功名」といったように、失敗から立ち上がった成功体験ならぬ、復活体験を積むことです。そうすれば、経験値の他にも、自信や胆力を獲得することができるので、人間的なレベルが上がり、過度に失敗を恐れないようになります。「経験に勝る知識なし」という言葉がありますが、まさにその通りですね。

さらに、失敗や挫折をして傷ついた他人に対する共感力も手に入りますので、それは良好な人間関係を築くための、立派な手助けになるのではないかと思います。

しかし、失敗や挫折を恥ずかしいと責めてしまう人は、「手にしたもの」が全く目に入りません。冒頭にお話したように、人は見たいものだけ見る生き物だからです。生きていく過程で、そのような習慣が付いてしまったのですね。

そのため、どれだけカウンセラーや家族が「手にしたものもあるよ!」「失ったことばかり見ないで!」と、「手にしたもの」を視界に入れようとしても、本人には全く見えていないので、なおさら、自分には幸福に生きる能力がないと、自信を失ってしまう負のループに入ってしまうのだと思います。

ですので、「失敗しては人間失格だ」「失敗や挫折は恥ずかしいことだ」「失敗したら嫌われる」といったような、失敗することを恐れてしまうようなことを考える習慣をやめて、「生きていれば失敗することもある」という人生観を新たに手にして、失敗や挫折をした自分を恥ずかしいと思わないようにする習慣を身につけることが、幸福感を上げるために何より大切なことなのではないかと思っています。

悪玉コレステロールや中性脂肪が溜まれば、体調が悪くなりますよね。それと同じで、悪い考え方や極端な思い込みなどがあれば、精神の健康を崩すのは当たり前だと思います。そのため、認知行動療法を利用したり、リラックスして考えたりして、「認知のデトックス」をしていけば、きっと幸福度が上がるのではないかと思っています。
(もちろん、色んな事情や個人差があると思うので、あくまで自分にとって効果的だったことをお話しました。)

少し長くなりました。最後までご覧いただき有難うございました。









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