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コンピテンシー評価の明るい未来

こちらの記事を読んでいらっしゃる方、もうあえてコンピテンシーについて説明する必要ありませんよね。

成果に直結すると分析・検証された行動特性です。

この分析・検証が実はポイントなんですが、かなりの確率で見逃されているというか目を瞑っているというか…。

社内で分析・検証するにせよ、外部のコンサルティングファームが分析・検証するにせよ、省力化した形での実施も散見されます。

①ハイパフォーマー(古い?)の選定

②ヒアリングの実施

③共通する行動特性の抽出

④外部コンサルティングファームの手持ちの「コンピテンシーリスト」との擦り合わせ

⑤晴れて完成

私たちが企業さんからお話を聞かせていただく中、単純化するとこのようなフローでのコンピテンシー導入が多いような気がします。

他の業者さんの仕事というか作品にケチをつけるつもりは全くありませんが、今回は経験上、「なんでかな?」「なんでだろう?」と思ったことのいくつかの中からピックアップして記事にします。

①ハイパフォーマーの選定

これまでで最上級に驚いたことですが、ある企業さんでは各部門(管理部門・営業部門・開発部門・製造部門など)の中から部門ごとの推薦で各6~10名程度が選定され、共通する行動特性のヒアリングが行われたということです…。

各部門のハイパフォーマーを集めて共通する行動特性を探せば必ず抽象的になるでしょうに…。

④外部コンサルティングファームの手持ちの「コンピテンシーリスト」との擦り合わせ

共通する行動特性の抽出を無事に終え、「コンピテンシーディクショナリー」「コンピテンシーツリー」の作成に移っていきます。

「(抽象的・一般論的ですが)行動特性が思ったよりも数多いですね」

「(意味が重なっていますが)絞り込む必要がありそうですね」

「一般的には12個くらいと言われてますよね(それ評価項目では?)」

そして外部コンサルティングファームのコンサルタントがおもむろに「弊社で作成した他社様のコンピテンシーリストです。ご参考になれば」

「あ、やっぱりこのリストがいいね~。綺麗にまとまってるし、恰好良いね」

それってマネジメントスキルやディメンションなど「能力」のリストです…。

⑤晴れて完成

完成したコンピテンシーディクショナリー、コンピテンシーツリーですが、そういえばいつ活用しましたっけ?

「社内での人事評価項目は別に用意してあるから大丈夫」

「昇進昇格アセスメントでは、アセスメントファームが別の評価項目を使うっていうから特に使わなかった」

「育成の現場で使えると思うけど」

「『当社の求める人物像』といった勢いで採用サイトに上げたかな?」

少し派手に書いてますが、概ね事実に近い内容です…。

コンピテンシーとは「成果に直結すると分析・検証された行動特性」です。

「成果に直結すると考えられる行動特性」ではありません。

少し憤りながら書いてますが、紛れもない事実です…。

完全内製であれ、完全外注であれ、「分析・検証」のプロセスを経由しないコンピテンシーとは、いうところのコンピテンシーではなく、私たちアセスメント屋がいうところのディメンション、マネジメントスキルで、実は評価項目、例えば一般論でいう能力、この程度であると強く認識されることをお勧めします。

人事ご担当者の方、本当に「コンピテンシーを採用に活用したい」「コンピテンシーを育成に活用したい」のであれば、「分析・検証のプロセス」について内製・外注問わず、真剣に議論する必要があると考えます。

さて、今回の記事は、あるお客様からのストレートなご質問があったことを背景にしております。

「未来のアセスメントの15のコンピテンシーですが、当社のコンピテンシーとして使っても問題ないですか?」

「ありがとうございます。全く問題ないですが、どのような場面でのご活用でしょうか?」

「採用活動時の質問項目で使いたいなと考えております」

「例えば?」

「『これまで理解力を十分に発揮した場面をお話ください』『あなたは決断力が高いと思いますか?その理由は?』などを考えております」

お客様に進んでお渡しした外部コンサルティングファーム、お客様からのお申し出でお渡しすることになった弊社…。動機とプロセスは違えども行為そのものは同じかと頭を抱えた次第、そして贖罪の意味で今回の記事を上げさせていただきます。

以上で今回の記事は終わりです。前回の記事同様、いつもの人材アセスメントや昇進昇格アセスメントを含む大きな切り口からご案内させていただきました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。また、上記の私たちのサイトでも、情報発信を進めております。合わせてこちらもよろしくお願い申し上げます。

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