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【読書】不登校を考える。

義務教育とかっつって、
言われた通りに学校行って、
教師に威張り散らされるのを
何の疑問もなく受け入れてるなんてさ。
イケてないの通り越してホラーだよ。

「かがみの孤城」辻村深月より抜粋。
以下、出典は全て同様。



うん、そういう考え方も
尊重されて然るべきだと思う。


子どもから大人になる
その境に
何の痛みも反発も
感じないわけがないよね。




何故か姪甥の話が
続きますが、

私の3番目の姪は
中学3年生です。


学校は
保健室登校をしています。


特殊な霊感を持っていて
霊感は思春期に強くなるので
それで、学校に行けなくなりました。



全く行けない状態から
保健室登校に切り替えるのに
とても勇気が必要だったと思います。


活発な子でした。

小学生の頃は
とにかくダンスが好きで、
いつもストリートダンス系の
言ってしまえばファンキーな
ファッションに身を包み、
踊るところさえあれば
踊っている子でした。


ハキハキ話して
物怖じしないので
いとこたちの中でも
リーダーシップが取れる子でした。


最近、父の葬儀などで
よく会うようになって
先日は我が家にも
遊びにきてくれました。


見た目だけはね、
だいぶ
変わったかな。


中1の頃
急にお嬢さんになって
色気も出てきた写真を
送ってくれました。


自撮りのポーズもバッチリで
今の子はすごいな、と
思っていました。


中2で社会が怖くなって
引きこもったから、
ほっそりしていた身体が
ふくよかになって

あんなに自撮り写真を
撮っていたのに
写真が嫌いになった彼女は

「自分の写真を見たくもない」と
言いました。


私は今でもこの姪が
とても可愛いと思うけど、
中学の頃って
そうかもしれない。



私もその頃は
生徒証の自分の写真が
気持ち悪くて
破り捨てたい、と
思っていました。


身体つきも急に変わって
顔も安定しないし
ニキビも出やすくなるから
自分に自信が持てなくなる。


だけどそれは
一過性だと思う。


一生変わらない闇、
のような気がして
とても苦しいと思うけど
必ず夜は明けるはず。


気づけば私の横に
自然に並んで話してくれる
彼女の本質は
良いところは
何も変わっていない。


この間は
集団高校説明会に
行ったそうです。


人込みの中に紛れて
とても辛かったみたいですが、
頑張って行ったのは
本当に勇気のある行動だと思う。


貴女は私より
霊感が強いから
大変だろうけど、
そうやって少しずつ
大丈夫になるよ。






辻村深月さんの
「かがみの孤城」を
読みました。


一人ひとりの心の痛みと
そしてそれを何とかして
助けようと奔走する人たちの
心に訴えかけてくる描写に、


途中でやめられなくなって
厚い本ですが
2日で読み終わりました。


最後は涙で
ぐちゃぐちゃになり、
読み終わっても心が自然と
ストーリーを追っては
眼が濡れました。


中学生の頃って
人によっては
つらいときですよね。


だけどそれを一般論で
片付けてはいけない
悩みや苦しみがある。


私もだいぶその時代に
引きずられて
大人になりました。



今は全てが
めちゃくちゃになって
不登校という選択をしても、


自分だけが社会から
取り残されて
もう他の同年齢の子に
追いつけない、と
思ってしまうような
焦りや苦しみがあるだろうけど、


そしてそれは単なる
「焦りや苦しみ」のひと言で
終わりにできない、

もっと冷や汗が出て
目の前が真っ暗になるような
身体に不調を伴うような
ものかもしれないけど、


そうじゃなくて
もしかしたら何となく
大した理由もなく
不登校になった子も
いるかもしれないけど、


たった一つの正解の道なんて
ないんだ、って
分かって欲しいし、


学校という世界は
本当にちっぽけなもので
そこに固執しなくてもいいんだ、って
気づいて欲しい。


「たかが学校のことなのにね」
「たかが学校?」
「うん」


私は教師として
勉強によって身につけた能力が
どれほど役に立つかを
日々痛感しているから、



勉強しなくてもいい
とは言わないけど

それは何もたった一つの
決められた学校で、じゃなくても
良いと思う。

勉強は一番
ローリスクなことかもしれない。
やればやっただけ結果は出るし、
これから何をするにも絶対に
無駄にはならないから」


苦しかった経験は
大きな財産になる。


あの、登場人物の
喜多嶋先生が
あんなに熱心に長い間
子ども達を助けようと
奔走しているように。


苦しいことって
辛いから誰だって嫌でも
経験としては宝の山で、

だから進んでそんな経験を
しろというわけじゃないけれど、


それが我が身に
降りかかってしまったら、
逃げられることからは逃げて
助けを求めて
傷が癒えるまで
無理しないでいいんだ。


素晴らしい本でした。
この本をたくさんの方に
読んで欲しいと思います。


そして不登校という選択をした
子ども達の深い心の傷が
少しでもはやく癒えるような
社会になっていくといい。


偏見がなく、
カウンセラーがいて、
他の学校への転校や
フリースクールや
自宅学習という

その学校以外の選択肢が
もっともっと増えていくように。

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