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ハーチン空に舞う2034⑩

前回のお話しは・・


今回のお話しは↓



スルメみたいに美味しい女


あなた来たのね。

ハー

ビチン
パチンチン


ハー

ビチン
パチンチン


ハー
ビチン
パチンチン

もう、何度頬を打たれたか。三種類の音がこだまする。



浜名湖女王はまるでチーターが仲間同士で威嚇するかのようにハーっと、息だけの威嚇音を出す。


やくまるはきっとこの女が野性のチーターもしくはパンサーのような人間であると思っている。



ビチンは手の平で撃たれる音、パチンは手の甲で撃たれる音そのあとのチンは競艇場の壁に反響する音である。

やくまるはヒャーと喜んでいた。


生まれて初めて、

あの時の顔を赤らめて喜んでるおじさんたちの気持ちがわかった。


彼女のビンタにはスルメのような中毒性の旨味がある。
そして

    ビチン

    バチン

と打たれるたび

不思議なことに自分たちは少年に戻ってブランコに乗って空を飛んでるいるかのような爽快な気分になるのだった。




あの時
あの場所で
君に出会えなかったら
ぼくはこんなこと
思いもしなかった。




はあ。もう、オレ最高)


(最高だよ!)


やくまるは心の中でつぶやいた。


😆


ハーチンをインドに出してから5か月目、
ずっとまっていた
6月6日。

脳裏の片隅にはいつだってあの女が住み着いていた。

あの女にオレは
会いにいくのだ。
やくまるはハーチンがいなくなってからずっとそう
決めていた。



大好きだったまりちゃんのことは忘れた。



忘れたかったから努力した。
浜名湖女王に会えたから忘れることが
できたのだ。



俺は女という生き物が
大好きだ。

🩷
ただし、
女性として見れるに限定だ。



俺は永遠の狩人だ。
そう、俺は彼女に会いに行く。再び。




浜名湖女王に会いに行くために投げ無しの

55万円を握りしめ
ボートレース場ののぼりエスカレーターを上って

いった。






やくまるを見ると彼女は
静かに

冷凍庫の

中の

冷気のごとく、



冷たく
言った。


「あら、あなた…来たのね。」



握りしめたお金はハーチンが稼いだものだった。
ハーチンから
振り込まれたお金だった。







インドからの手紙


インドから3月末、ハーチンからは嗅いだことのない異国のいい匂いのする手紙が届いた。



やっくん元気ですか。
私は元気です。

ご飯はきちんと食べてる?
私はやっくんが元気かそれが気がかりです

🥹
🩷


私は王妃たちの
優しさに救われて

この宮殿で
過ごしております。



2人の王妃
に手取り足取り



毎日レクチャー
を受けてるの。

今ではサリーを

着て優雅に
踊れる
ようになったのよ。





(あいつのご飯・コンビニ飯よりずっと・おいしかったな。)




餃子うまかったな。


(はーちん。おまえはおれにとっては料理の上手なおっかさん。)


やくまるは思った。


手紙にはこう続いていた。


🥀🥀🥀🥀🥀🥀🥀🥀🥀🥀🥀😙

やっくん、あのね。

本当のこと言うね。




こんなこと
書くのはほんと
勇気がいるの。



でも

インドに行くんだ。
って言ったのはやっくんだし。


やっぱりやっくんには
正直でいたいの


マハラジャ様が
私を女性
として見てくれる


そんな人は
なかないないんだから
君は行くべきだ。
って
やっくん言ったよね。




あなたが
私を女としては
見てないのは
分かってる。



昔とくらべたら
20キロ太ったし、
老けたし。



でもね、
世の中の
中年の3分の2は
中年太りするんだから。
でしょうがないのよ。

+

でもね、
やっくん
今から
書くことに
びっくり
しないでね。


私、どうやら、
大富豪と
肉体
関係

もってるの。


夢の中では
やっくんと
してるから
すごく
幸せなんだけど
ね。


実感として
あるの。
夢の中のやっくんは
ほんとはマハラジャ様
なんだって。わかるの。

😓


やっくん。ごめんね。

😭

ごめんね。やっくん。

でも、やっぱり、私、
やっくんが好きなの。



必ず、必ず8月には帰るね。


お詫びに私がいただいた
お金


💷💷💷
やっくんの好きに
使ってね。
せめてもの償い

😓

🥀🥀🥀🥀🥀

やくまるは便せんの文字を追いかけて、凝視した。


😳😳😳😳😳
え、これは、はーちん、おおおおおお!
ついにあの大富豪とそうゆう関係になったってことか!)

複雑な心


🤔
妻を寝取られた。
ショックか?
いいやべつに?


🙃
それは愛というよりは何か所有物をついに
大富豪にとられた?


🤔
いやいやそうじゃない。
そうじゃない。

やくまるは
一人頭の中で考えた。



(おれは 大富豪様に感動してるんだ。ところ変われば美女の基準もかわるってことだよ。



大富豪、よく大富豪あのはーちんを抱けたよな。


はーちんを。あの、白髪でてきてデブなハーチンをだぜ?


信じられるか?



ありがとうございます。ありがとうございます。)


やくまるはそんな風に思っていた。



もう、はーちんを女として見てなんてこれっぽちもなかったから
大富豪のすごさに感服した。

手紙の続き



手紙にはそれから、こうつづられていた。

こちらの暮らしは豊かさそのもの。


PS.やっくん
あのね。びっくりしないでネ。
私ねどんどん綺麗になってるのヨ。
自分でも信じられないくらいなの。
ただね。
やっくんにその姿は見せられないの。
大富豪とお約束だから。

やくまるは目を閉じはーちんの姿を想像した。

こんなかんじか?

それはマハラジャ様と約束したことがあってね。


ここでの生活の写真は一切公表しないことって。

私ね。どんどん美しくなってるのよ。


ガネーシャのような女


こっちでは私・・・ガネーシャそっくりって言われてるの。

最後の言葉にやくまるは
ははっと笑った。


そしてハーチンがきれいになって喜んでいるのを想像した。写真は入っていなかった。


(ガネーシャってなんか、ちょっと太った像だろ。)
太った像の神様。
そして思った。


やくまるは彼女が美しくなっていることなど毛頭知らなかった。
いつまでもやくまるのイメージのはーちんはそのままだった。


(はーちん、ありがとよ。遠慮なく、お金つかわせていただくよ。)



バチンの行方

前からバチン

後ろもバチン

10連発だろうか!


次は

浜名湖女王と2人でボートに乗っている感覚も味わえるのだ。



それはもう、男ならたまらん快感。


スピードとス・リ・ルといい身体と!


ヒョエーー😆🌟

はぁ!最高!


はぁ!爽快!


あなたは今、何が欲しい?




それから、彼女はやくまるにはささやいた。

あなたは何が今ほしい?

1つだけ
叶うわよ。


やくまるは
考えた。
(お金は今あるしな。そ、そうだな。一つか!なんでもいいのか?え?)

「あのう、浜名湖女王様と一緒に一晩すごしたいです。」

やくまるは目先の欲望を言ってみた。
(だってそうだろう。そうだろう。こんな夢心地)


やくまるは夢心地と引き換えに冷静さを欠いていた。

浜名湖女王はしばらく3秒ほどやくまるを見つめた。

その視線はピリッと冷ややかだった。




あなたって人は・・・、フ、いいわよ。私の車についてらっしゃい。
一晩ともに過ごしましょ。

一通り祈祷が終わるのをまった。



浜名湖女王の客は他にもいるからだ。



明日は仕事が休みだったし、ハーチンもいない。
いいだろう。いいだろう。いいだろう?いいよな?

彼はそう自分に言い聞かせた。
やくまるは自分の車に乗るとなぜか見たこともない翡翠の像が後頭部に乗っかっていた。

妖しく光る


なんじゃ?こりゃ。
これガネーシャか?

ハーチンのお土産なんてなかったが・・・

なんだろう。

少し不審に思ったが、浜名湖女王の車が出発してしまうので
やくまるは急いだ。

そんなことより目先のワクワクにはかなわなかったのだ。


すっかり夜になっていた。

そこは
家ではなく
高級ホテルだった。
「さあ、私についてきなさい。」
彼女は言った。


🌌🌌🌌🌌🌌🌌🌌🌌🌌🌌🌌
続き


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