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迷子の流星

【キーワード】を各々2つずつ出し合って
計4つのお題を元に競作してみる第一弾!
キーワード
池未裕輝:夜間の学園飴玉
https://note.com/iyamiikemi
和奏眠人:天体観測蜘蛛の巣
https://note.com/minto_wakana
ルール
キーワードは文中にワードとして入れなくても、発想やニュアンスが入ればOK!


「ねぇ、今」
「「見た?」」

夢の中まで夢中だった、あの夜に。
時間も距離も何億光年離れていたって
僕たちは、一瞬で戻れるんだ。


僕の第一種接近遭遇

『ここではないどこかへ行きたい』
という実に中学生らしい理由で、地球からも飛び出したくて、宇宙や星々の世界に興味を持った。

まずはガイドブックが必要と、“驚きと興奮のサイエンスマガジン ”【 Newton 】を定期購読している僕は、自覚しているが相当浮いている。

そんな僕に、ここ最近、休み時間になる度に話しかけてくる隣の席の人。僕のニュートン勝手に取って見ているし、早く返して。

「宇宙の年齢は137億歳で、地球の年齢が大体46億歳ってことは…まだ14歳だから、え?何倍?」
「……。大体3億倍」
「無理じゃん!」
「……何が無理なのかわかんないけど、無理だよ」

前前前世でも足りない位生まれる前から地球はあるし、そもそも数値が合っているかどうかもわからない程前から宇宙もあって、人類は生まれるのが遅すぎた。
地球にも宇宙にも、絶対に追いつけないんだ。

「ところでね? 実は気になる本があって」
……話、続けるんだ。
「本の帯にこう書いてあってね。すっかり覚えちゃった」

──光を、光の速さで追いかけたらどうなるだろう? 16歳の少年の素朴な疑問から物理学の革命は始まった──

「アインシュタインの本だね」
「ほらやっぱりね?知ってると思ってた!」

アタリ!と勢いよく両手を合わせて、満面の笑みを浮かべている。
だから何なの?と聞き返すと、隣の席の人(いつも必要以上に元気な佐々木さん)は、珍しく声を潜めて話し出した。

「実はうち、だいぶ前に離婚してるんだけどさ。あ、わたしはママと暮らしててね。その離婚したパパが、ついこの前亡くなったの」

……びっくりした。

何がびっくりしたって、ただのクラスメイトに、そんな個人情報の中でも、割とトップシークレット且つセンシティブ事項を突然開示してくる、佐々木さんにびっくりだ。

『いつも必要以上に元気な佐々木さん』なんて表面だけ見て決めつけてごめん。
すぐわかったつもりになる。僕の悪い癖。
……心の中で謝ってから、

「それは、僕が聞いていい話なの」
ひっそり聞くと、あっけらかんと笑う。
「まぁ、宣伝して回るような話ではないけど、高梨君は知ったからって変わらないでしょ?」
「それはそうだけど……佐々木さんは大丈夫なの」
「パパって呼んでいたのか覚えていない位小さい頃しか知らないし、正直なところ、他人事な気もしているんだよね」

離婚後も、佐々木さんのお父さんは独身で、生憎身よりもなかった為、元妻の佐々木さんのお母さんに警察から連絡が来たらしい。

「一緒に荷物整理しているんだけどさ、ママが大変なの。プンプン怒ったかと思えば泣いたり、何か見つけては笑ったり、もう感情が大忙しで」

「うん」
子供はそういう親に振り回されるんだよな…
と思っていると

「『こんな時でも振り回されるのね。昔からずっと、あの人中心に世界が回ってる。……良くも悪くも太陽みたいな人だった』ってママが泣くんだよね。わたしはパパをよく知らないから、なんて言ってあげたらいいか、わからなくて」

大人になっても振り回されるんだなぁ。
当たり前か。

結論から言うと、佐々木さんは、亡くなったお父さんのことが知りたくて、お父さんの蔵書を形見として貰うことにしたそうだ。

蔵書のほとんどが宇宙や物理学の本で、僕が定期購読している科学雑誌や特別号もあって、それで僕に目が止まったらしい。

そしてその中に、気になる本があったと。

「これなんだけど」
と見せてくれた本は、僕も読んだことがある本だった。

アルベルト・アインシュタインの伝記と、相対性理論(特殊&一般)の概要が、わかりやすくまとめられていて、中学生の僕でも、ギリギリ『わかった気になれる』本だ。

「ネットで調べてもこういう話全然わからないし。高梨君ならわかるんじゃないかな?って思ったんだよね」

「それで最近やたらと絡んできてたんだ」

「……いや、まぁ、流石に唐突過ぎるとは思ったから、徐々に仲良くなる方法考えたんだけど、高梨君ガード固くて強行突破しか方法見つからなくて……ごめん」

「別にいいけど、それで何が聞きたいの?」
初めてちゃんと向き合って問うと、古くなって年季の入ったハードカバーを僕の机に置いて、佐々木さんはこう言った。

「アインシュタインや宇宙のこと、わたしに教えて欲しい」

いつもエネルギー全開で周りを巻き込む。
それこそ太陽のようにストレートで物怖じしない佐々木さん。まん丸の大きな目でじっと見られると、逃げ場なんてなかった。

「……いいよ。その代わり、佐々木さんのお父さんの蔵書、もし良ければ僕にも貸して欲しい」

これが、僕、高梨望夢(たかなし・のぞむ)と佐々木悠里(ささき・ゆうり)との『第一種接近遭遇』だった。

わたしの第二種接近遭遇

高梨君は掴み所が無い。謎の生命体。
なんでも知っているけど、こちらから聞くまでは言わないし、でも聞いたら丁寧に教えてくれる。

「アインシュタインにどんなイメージがある?」「うーん。天才って事くらいしか知らない」
「うん、普通はそうだよね。2世紀にも渡って信じられていた定説を覆えす程の大発見をした、紛れもない大天才。でも実は5歳まで上手く話せない子供だったし、大学も1度落ちていたりする」
「へぇ」

「それでもやっぱり片鱗はあって、9歳で『ピタゴラスの定理』を自力で証明しているし、数学的な才能は子供の頃からずば抜けていたらしい」
「ほんとの天才ってそういう感じなのかもね」

「そして、この本の帯にあるエピソード」
そう言って高梨君は、パパの本を指さしながら、慎重に、言葉を選んで話す。

「16歳のアインシュタインは、昼休みに学校の裏手にある丘の上で、寝転びながら空を見ていたんだ。いつの間にか眠ってしまって、夢を見た」

──自分が光の速さで、光を追いかける夢──

「自分が光の速さになる夢かぁ…」
2歳しか違わないのに、16歳の天才の見る夢は、夢の中まで次元が違いすぎる。

「うん。お昼寝中に、光になって光を追いかける夢を見て、そしてその夢が、後の『相対性理論』のきっかけになったって言われているんだよ」

「夢がきっかけで発見に繋がるんだ」
「そう。面白いよね」

大の親日家だったとか、
実は記憶力が弱かったとか、
うちの両親と同じで離婚経験があるとか、
遠い世界の向こう側の『大天才』を、一人の人間として話す高梨君。

「そもそも、『相対性理論』って何?」
「それを完全に答えられる程、僕もわかっていないけど、いい?」
「もちろん」

「できるだけ簡単に言うと……

『相対性理論』とは──
『特殊』相対性理論と、『一般』相対性理論の2種類あって、先に発表された『特殊』より、後に発表された『一般』の方が難しい。

『特殊相対性理論』とは──
重力の影響の無い『特殊な環境』では、時間の進み方や空間の大きさは『絶対的』ではなく、観測者の状況で変わる『相対的』なものである。

という理論のこと」
「?!?!?!」
「……まぁ、そうなるよね(笑)」

「もっと簡単に、わかりやすい例えをアインシュタイン自身が言っているよ」
高梨君の目はキラキラ輝いていて、いつもより幼くて年相応に見える。

「時間の相対性について質問された時にね

熱いストーブの上に1分間手を当てたら、
時間は1時間位に長く感じる。

でも可愛い女の子と一緒に座っていたら、
1時間が1分位の短い時間にしか感じられない。

それが『相対性』ということ

って答えているんだ。例えが可愛いよね」

難しくてわからないと思っていた世界が、少しだけこちらに歩み寄ってきてくれたみたい。
これなら、わかるかも?

「授業は長く感じるのに、朝の支度は時間泥棒がいるって思うアレだよね?」

「大雑把に言うとそんな感じ。同じ1時間でも、早い時と遅い時、時間も空間も、どこから観察するかによって、歪んだり縮んだり伸びたりするってことを提唱したんだ」

あぁでもないこうでもないと、『アインシュタインと相対性理論』についての話をしながら、やがて宇宙や天文学、パパの好きだったものを知っていくのは、ワクワクした。

わたしの視野は間違いなく広がって、パパの好きだった宇宙は、わたしにとっても大切な世界になった。


わたしの第三種接近遭遇

楽しい時間は、飛ぶように過ぎてしまう。
季節は夏を迎えていた。

「今月号、蜘蛛の巣が表紙?珍しいね」

相変わらずの科学雑誌Newtonを挟んで、高梨君とわたしは、縮まったのか平行線なのかいまいち距離感がわからないまま話す。

「人工の蜘蛛の糸の繊維化に取り組んでる会社の話みたいだよ」

不可能と言われていた技術も、時代が進むスピードは年々加速しているから、どんどん可能に近付いていく。
科学雑誌は、物理学だけではなくて、天文学、医学、化学、精神世界とあらゆる知的好奇心に答えてくれる、わたしたちの万能の書物なのだ。

その中でも天体観測最大のショー、流星群の季節は特別なイベントだった。

このへんは、あまり高い建物がないから、夜間の学園にこっそり忍び込んで一緒に流星群を待っているなんて、半年前には想像もしていなかったけれど。
ピークが来るまで、真夏の夜空を見ながら話す。

「じゃ、ここで復習です」
「受けて立とう!」
「佐々木さん勇ましいね。では第一問。
三大流星群の名前と時期、元になってる母天体の名前をどうぞ!」

「わかるよ!覚えたもんね。

① しぶんぎ座流星群が1月4日頃
母天体は、ヘール・ボップ彗星

② ペルセウス座流星群が8月13日頃
母天体は、スイフト・タットル彗星

③ ふたご座流星群が12月20日頃
母天体は、小惑星ファエトン(フェートン)

因みに、みんな大好きしし座流星群は、3大に入らないんだよね?」

「よく覚えたね。ただ、1個惜しいとこがあって、しぶんぎ座流星群の母天体は、まだわかっていないよ。小惑星かもしれないって言われてる。
しし座流星群は、大出現以外は数も少ないから三大流星群に入らなくても仕方ないかな。因みに極大日は11月17日。母天体は、テンペル・タットル彗星。地球から観測できる最高スピードの流星群で……」

「ストップストップ」
こうやって時々ストップかけないと、永遠に追いつけない。最近は手加減なしだからなぁ。

「じゃあ、わたしからも質問です。第二問。
宇宙はどこからが宇宙でしょうか?」

「一般的には大気が無くなる高度100kmから上を宇宙と定義しているけれど、明確な境界線なんてないし、別の星から地球を見たら宇宙空間の一つの星だよね」

「つまり?」

「地上(ココ)も宇宙だ、なんて言わせたいの?絶対やだよ。
じゃあ続けて第三問。流星が発光するのはどこの階層でしょうか?」

「え……?んー?成層圏?」

「間違いではないけど、あくまで例外。
そもそも成層圏は地上から僅か50km上空で、そんな近い距離で頻繁に観測できたら、それこそ地球の終わりみたいな光景になると思うよ。
流星の中でも一際明るい『火球』が40~50km辺りで消滅するのが、やっとかな。
ということで正解は、発光するのが上空100~200km位、消滅するのが70~90km位だから、電離層だね」

「『地上100km上からが宇宙』って、流れ星にも言われてしまった」

「地上も宇宙だって思いたい気持ちもわかるよ。でもそれじゃ、何の為に人類は巨額を投じてわざわざ『外』へ行こうとしてるの?ってことになるから」
「……」

その内、高梨君は『ここではないどこか』へ行ってしまいそうな気がした。
繋ぎ止めたくて、『ここも宇宙だ』って言わせようとして、失敗した。

真夏の夜はうるさい。
虫たちも命を謳歌しているし、自分を包む大気中全体に見えない何かが漲っているように感じる。

だから、時々会話が止まっても、そんなに気まずくならなくて助かる。

「始まった」

幾つもの光の放射線が流れる。
一瞬の光の斜線。

「流れ星消える前に願い事3回は無理!」

(高校一緒に行けますように)
口には出さなかったけど、大学までエスカレーター式の学校だから、高校一緒は当然なのだ。

だからこの夢はきっと叶うと思っていた。



僕の空白

あの夜、流星が空に描いた軌跡が、瞼の裏に今も残像を残している。

本当は、ちゃんと告げるつもりだった。

「高校は県外、地学も物理学も学べて天文台も併設されているとこに行くよ」

言えなかった言葉を、何度も何度も言い方を変えて反芻しては、戻れない過去に記憶を積み重ねて日々は過ぎていく。

あれから数年が経過して、僕は宇宙に一番近道な勉強をする為に、航空宇宙工学科の大学4年生になっていた。

でも、勉強すればする程、宇宙はあの頃より遠いと思うようになった。

『ここではないどこかへ行きたい』

そう思って遠くまで来たつもりが、未だに追いつけずに迷子のまま、実験を繰り返す。

年一の同窓会にも、成人式にも行かず、地元にも帰らずに、夢見た宇宙へ向けて、進路はこのまま大学院。つまり、僕は普通より長く学生でいる。

迷子の期間が延長しただけのような気もする。

本当は、成人式には帰ろうと思っていた。
でも、あの時何も告げずに逃げた僕は、今更どんな顔して会えばいいのかわからなくて又逃げた。

『自分にはコレしかないんだ』

ってものに出会ってしまった以上、夢を疎かには出来ないのに、もしあの時、彼女に「もっと教えて欲しい」と請われたら、未来を捻じ曲げてしまうかもしれない自分が怖かった。

僕らに見えていないだけで、普段でも15分に1回、流れ星なんて流れている。

それでも、あの夜の流星は特別で、同じ夏はけしてもう戻ってこない。

後悔が降り積もっているからか、毎年8月13日が近付くと、同じ夢を見る。

──火球が長く尾を引いて夜を引き裂いていく。
上空50kmでもまだ消滅せず、更に加速してこちらに向かってくる。
輝きを増した火球が、真っ直ぐ僕に向かって落ちてくるから、そのまま口で受け止める。
喉が焼けるように熱くて飲み込めずに吐き出すと、光る飴玉のような火星が手の平の上に浮かんでいる──

いい加減、眠っている間の夢に振り回されている場合じゃない。そろそろちゃんと、迷子ごっこを終わりにして決着を着ける時が来た。


わたしの空白

思い出すと、喉がぎゅっと絞まるみたいに呼吸がしにくいから、普段は忘れている。

今年から晴れて新社会人だ。
あれから数年の時が流れて、全部自分の都合のいい夢だった気さえする。

エスカレーター式の高校の入学式に、高梨君はいなかった。お休みなのかと思っていたら、別の高校に行ったと風の噂で聞いた。

「仲良かったよね?聞いてなかったの?」

と言われた時の同情の視線を、わたしはどうやって誤魔化したんだっけ?
忘れるのが上手になってきたな、と最近思う。

恋愛もしたし(何故かすぐ別れてしまうけど)、本当に普段は全く考えていないのに、どうしても見つけちゃうんだよなぁ……。

『惑星チョコレート』

と名付けられて、7つの惑星がカラフルに並んだチョコレート。少し前にも同じようなキャンディが話題になったような。

こういう宇宙や惑星や星や月、プラネタリウムも含めて、探してるつもりは無いのに見つけてしまうから、その度に記憶の蓋が開いて思い出してしまう。

わたしにとっての宇宙は、もっと知りたいと思っている大切な人を遠くに連れて行ってしまうものであると同時に、手の届かない憧れでもあって、でもどうしても憎めない。

成人式の日は、期待しない、期待しないと何度も思って会場に行って案の定がっかりした。

いい加減こんな手に入らない宇宙人のような人、追いかけるのやめにしたい。
もう社会人にもなるしね!

勝手に期待して勝手にガッカリしたくないから、今まで一度も行かなかった年一の同窓会にも、今年こそは行って、誰か高梨君の連絡先知らないか聞こうと決意した。


第四種接近遭遇

中学卒業から毎年やっているらしい同窓会、エスカレーター式の中高大一貫校なのになんで?とは思うけれど、歴史ある学園だから横の繋がりは社会人になってから活きるとかで、伝統行事のようなものらしい。

毎年律儀に届くお知らせメールに添付の地図を確認して、会場入口で一つ深呼吸をする。

およそ数年ぶりにこの街へ帰って来た。

あと100年もしない内に、今この地球上にいる全ての人類はもういないんだし、数年のブランクが何だ、何も怖い事なんかない。

と、入口で名前確認した所で、はたと我に返る。
佐々木さん来てないとかないよね?

「その可能性は考えて無かった……」

独り言が思わず口をついたタイミングで、声を掛けられた。

「高梨君?」

「佐々木さん?」

数年ぶりに見る佐々木さんは、当時より整って大人になっていたけれど、大きな目が言葉より雄弁に問いかけてくる所、昔の面影そのままだった。

僕があれこれ言葉を探している間に、佐々木さんが一歩、距離をつめた。

「高梨君、覚えてる? 中学3年生の時のペルセウス座流星群。今年は条件が良くて、8月13日の午前4時頃に極大日を迎えるんだって」

「うん」

「今年、わたしは就職するし、その頃状況がどうなっているのか、今は全然予想もつかないけど。一緒に、また……見ませんか?」

真っ直ぐで、太陽のようなエネルギーで。

「いっぱい聞きたいことも、話したいこともあるの。でもとりあえず、最初からやり直したい。わたしの中にはずっと、あの時の流星群を一緒に見たことが、大切に残ってる。だから」

「ストップストップ」
今度は僕がストップをかける。

あの時、僕たちが初めて接近遭遇した時の印象そのままに、今度こそ僕は捕まえられた。

もう逃げたくないし、ちゃんと向き合いたい。
だから、大切なことは僕からも伝えたいんだ。

「佐々木悠里さん、高校一緒に行けなくてごめん。ずっと、言えなかったことを後悔してた。僕にとっても、あのペルセウス座流星群は特別だったよ。またあの夜から、やり直しのチャンスをください」

「やっとだよ……遅いよもう」

そう言った佐々木さんの目が泣きそうに歪むから、釣られて僕も泣きそうになる。

今年の流星群は最高の条件が揃ってるから。
きっと今度こそ、願い事は叶うと思っている。


あとがき

こんなに長くなる予定では無かったんです。
最初にお題を出し合った時、
「これはもうBUMP OF CHICKEN」
と心底思って絶望しました。

藤さんの歌詞世界に叶う訳もなく、引き摺られることはわかりきっていたので、もういっその事、作中でBUMP OF CHICKENを聴いている体にしようかとも思いましたが、何とかそこだけは回避して頑張りました。

飴玉と蜘蛛の巣が、本当に難しかった!
終わって良かったです。

コラボして下さった池未裕輝さんは、読んでいて映像が浮かぶような素敵な物語を書く方です。

このお題でそんな事思いつく?という驚きの展開と、キーワードの入れ方の上手さに脱帽です。
それから、お題以外は何も相談していないのに、まさかの部分がネタ被りという……。

是非見に行って読んでみて下さい。


▼ 用語説明

第一種接近遭遇:UFOを至近距離から目撃する。
第二種接近遭遇:UFOが周囲に痕跡や影響を
                            残す事。
第三種接近遭遇:UFOの搭乗員との接触。
第四種接近遭遇:UFOの搭乗員に誘拐される事、
                            逆に捕獲、拘束する事。

参考文献



日常の延長に少しフェイクが混じる、そんな話を書いていきます。作品で返せるように励みます。