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【アーミッシュ in NY ep3】 人気YouTube番組★お茶の間blog

前号に続き、Discovery Channelのリアリティ番組「アーミッシュ in NY」(原題:Breaking Amish)の展開を見ていきます。

5人の登場人物

番組に登場する5人の若者を日本人的視点でキャラ立てすると、次のような人物設定になります(超勝手解釈なので実際とは違うかも、です)。

<レベッカ 20歳>

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ぶりっ子キャラ。外の世界でいろんなことを経験したいが、具体的な夢はない。父親不明(非アーミッシュのタクシー運転手らしい)、母親は未婚。おじいちゃんに育てられた。早い段階でエイブに好意を抱き始める。なぜか総入れ歯。


<エイブ 22歳>

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人生を楽しみたいと思っていて、救急ヘリのパイロットになりたい。アーミッシュ社会では飛行機はNGなので、単にそれに対するチャレンジなのかも。母親と妹、弟と暮らしている(極めてオーソドックスなアーミッシュ家族)。


<ケイト 21歳>

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優等生キャラでプライドが高い。今回のNY行き以前に村から出ていき、そこで飲酒運転とかやらかしている。モデル志望だが、自分のイメージとはかけ離れた行動をしてしまいがち。父親はビショップ(アーミッシュコミュニティの頂点)。


<ジェレマイア ?歳>

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生意気小僧。非アーミッシュからの養子なので、「アーミッシュ社会に放り込まれた」感が強い(アーミッシュが嫌い?)。村で結婚相手が決まっていたが、彼女よりニューヨークを選んだ。仲間とつるまないキャラ。アクティブに自分探しに向かう。


<サブリナ ?歳>

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脇役キャラ。アーミッシュより緩やかなメノナイトだが、元々は養子(たぶん貧困層からもらわれてきた)。周りに溶け込まず疎外感を抱えている。性格は明るくて、すぐ本音を言ってしまう。「外の世界」への不安が割と大きい。歌手志願。


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今回も45分の長編ですが、自分の目で見るのが一番。さてさて第3話は:

<エピソード3>


村から家族が追っかけてきた


いっきなり予想外の展開でしたねー。みんなの家族が、ニューヨークにやってきちゃいました。ホテルの人もびっくり。アーミッシュのコミュニティから逃れてきた若者たちもびっくり。

もちろん、自分の子ども(孫)を取り戻しに、です。エイブのお母さんはニューヨークのことを「ここは悪魔だらけ("Satan is all over the city.")って。エイブは、5人の中では最もオーソドックスな家庭と考え方を持った若者です。

そんなエイブは、お母さんをカフェに連れていって一生懸命説得します。もちろんお母さんは筋金入りの信者ですから、なにを言ってもムダです。そんな出口のないやり取りの中で:

お母さん「その(お店の)ケーキ、お母さんのよりおいしい?」

エイブ「おいしいよ。でもお母さんのには負けるけどね」「お母さんの料理よりおいしいものなんてないよ」

エイブは、純粋さと信念、そして思いやりを失わない若者です。そうしたしっかりした芯を持ち続けながらも、家に戻らない理由を「一度始めたらやり通したいんだ」("I want to finish what I started.")って伝えてました。


アーミッシュに寿司は無理ゲー etc.


番組の中で寿司を食べにいくシーンもありました。出かけていった店の名前がなんと "Monster Sushi" って。 オイオイって感じなんですが。寿司は都会文明の洗礼なんかじゃないよ。

ジェレマイアは、一人でタトゥーを入れに行っちゃいます。タトゥーは聖書でも禁じられてるのですが、そこはナンダカンダ理屈をつけて。

このあたりからは、日本の皆さんにも初めての場面が出てきます。ヤバいお店に入ったり、NYの花火を見たり。ふと気づくと、番組を見てる自分もアーミッシュの仲間になっています。

寿司もはじめてならパソコンもはじめて。そんな彼らが、ジェレマイアが一線を越えちゃったことに刺激されて、どんどん行動の輪を広げていきます。


新しい社会に入るとき「服を脱げ」は正しい


やっぱりと言うか、ケイトとレベッカがモデルエージェンシーに行くことに。でもって、その前に服を買いにいきます。ジェレマイアの時もそうでしたが、着たことのない服を着るというのは「身も心も染まった価値観から脱皮する」大きなパワーがあるみたいですね。

日本の制服カルチャーも、アーミッシュの定番ファッションなんかと同じで、脱皮のタイミングを待っているのでしょうか。

物語は、お約束の「恋愛ネタ」に入っていきます。ご想像の通り、エイブとレベッカ。エイブも服を買いにいきます。一足先にBreak Amishしちゃってるジェレマイアがファッションアドバイザー(怖)。

会話でも、"Sounds good !" とか "Are you serious?" とか、アーミッシュらしくない、軽いノリを見せたり。段々と「アーミッシュから抜け出す」ステージから「異次元の社会に溶け込む」ステージへ、意識が変化していく様子が映し出されていきます。

アーミッシュでの初デートは、誰かに頼んで相手を誘ってもらうのがフツーらしいです。日本っぽくて共感する部分がどんどん増えてきます。

そもそも日本人のハイコンテクストな文化は、海外の人たちから見たら「かなりアーミッシュ」ではないか、という気がしませんか?自分を我慢しちゃうトコなんかも。

相手との距離感をビミョーに保つ便利表現 "If you say so." とかも出てきて、アーミッシュの仲間と一緒に、私たちもコミュニケーションの勉強をしてる感じです!

ついにエイブはレベッカに直接デートのオファーをします。その前に心境を一言。"Just do it !"  Nikeでおなじみのフレーズですが、自分に勇気を与えるいい言葉ですね。


段々と心の中が見えてくる


エピソード3の終わり頃になると、ジェレマイアが運転免許を取るために路上練習をするシーンが出てきます。彼が番組に出てきたときから、ヤバそうな人物と感じていましたが、運転シーンではその辺が炙り出されてきます。

「環境によって人間は変わる」のではなく、正しくは「環境によって本性が現れる」ってことがよくわかりますね。

いよいよレベッカとケイトがモデルエージェンシーに向かいます。この時、レベッカは今の気持ちを "nervous" "exciting" "scared" という3つの言葉で語ります。

日本でも地方の人が東京に出てきて最初に感じることは、この3語に集約されるのではないでしょうか。もしもう一つ加えるとすれば、あとの方で出てくる "embarrassing" ですね。たぶん。

モデルエージェンシーでの様子は、多くの人にとって未知のものと思います。見ていて「へぇー」といった感じで純粋に面白かったです。

エピソード1~3を通じて感じたことですが、アーミッシュの若者は自分に対してcriticalな見方をされると逆切れしますね。自分に自信があるかどうかは分かりませんが、こうした「異論は認めない」的な反応や思考は、クローズド社会特有のものです(日本でも抑圧レベルの高いコミュニティは似てるかも)。


<エピソード4>


<第1話からお読みいただけます>


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