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肥後百景#21【藤崎台球場】

高校野球に全く興味がなかった

そんな僕でも高校に上がると、とてつもない世界で生きる高校球児を目の当たりにし俄然興味が湧いた

勉強そっちのけで授業中は睡眠と食事に時間を充てて(一応隠れてるつもりで寝たり早弁したりしていた模様)

到底進学校とは思えん生活リズムを強いられる中高校生活の全エネルギーを野球に全振りしてる彼らの生き様は応援したくならざるを得なかった

そう、野球自体は今でもよーわからんが、選手を応援したいという気持ちが理解できるようになったというのが正しい

何より、応援すら大変に厳しい環境なのは、応援してみて初めてわかった

炎天下の中ジリジリと全身を焼かれる応援席のあの暑さは応援しなければわからない

野球部のマネージャーや彼女たちの身を焦すほどの献身的な姿にも感銘を受けつつ

室内競技出身の僕としてはとても耐えられたものじゃなく適宜日陰に引っ込んではジュースを飲むという応援スタイルだった

生半可な覚悟じゃあ務まらないことを知った

それと、もう一つ刻み込まれた記憶がある

ファールボールが物凄く恐ろしい

高校野球の球はあんなに硬いのかと初めて触らせてもらった時には震え上がった

バットに当たるとカキーンカキーンええ音が響き渡るはずである

その触らせてもらったファールボールだが

当時お付き合いをしていた彼女が、何の因果か被弾してしまったファールボールで

なんでこの全校生徒挙げての全校応援の中よりによって当たってしまうのかと心配で気が気じゃなかった

当たったこともすごい確率だし恐ろしいのだが、事態が飲み込めずわりとヘラヘラしながら

「めっちゃ早くて避けられなかった悔しい。次こそは避ける」

という意気込みと共に触らせてもらったから、あまりのストイックさに末恐ろしくなったのを覚えている

熱気で痛みを軽く凌駕していたのだろうか

芯の強さを見せつけられた思いだったし芯で捉えていたのだろう

応援席もそのぐらいの熱量をもって命懸けで応援するから高校野球は盛り上がるのかもしれない

#高校野球の思い出

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