デイサービスをうまく活用できていない高齢者のケースを見て思うこと。
先日、運動特化型デイサービスで看護師の単発バイトをしました。運動メインのデイサービスなので、食事や入浴時以外は基本的にずっと何かしらの運動をしているのですが、とても気になる利用者さんが一人いました。
それは、おそらくはパーキンソン病の症状が進んで、体が思うように動かなくなった高齢者の方が、(個別機能訓練は別として)1日ほとんど何もせずに座っているだけだったこと。
仕事柄、デイサービスはいろいろな種類のところで働いていますが、それぞれのデイサービスにおいて、「この人はもうここじゃないよね?」というケースはよくあります。
その意味するところは、
「この利用者さんの状態だと、このデイサービスのサービス内容はうまく使いこなせていないから、別の施設に移った方がよい」という評価だということ。
運動特化型のデイサービスにせっかくお金を払って行っているのに、そのほとんどの時間何も運動しないで寝ているだけなら、意味ないですよね。
同じように、レクリエーションやお教室ごと(クラフト教室やフラワーアレンジやカラオケなど)をいろいろできるデイサービスに行っても、何もできずに座っているだけの人もいる。デイサービス側でもその人の能力に合わせてあの手この手でできることを探してやってはいるけれど、それでももう何もできない、という人も出てきます。
そうなったら、本来なら、その人に合ったサービスを提供できる施設へ移動した方がいいわけです。
入浴サービスなどでも、家庭用と同じようなお風呂しかないデイサービスもあれば、機械浴と言って、寝たまま入れるお風呂を備えたデイサービスもある。
それなのに、バスタブに入れない車いすの人が、機械浴のないデイサービスにずっといたら、そこではシャワー浴しかできません。
体全体でお湯につかることができないのは、寒いですよね。
まあ、それでもそこのデイサービスがいいと思ってきている人たちもたくさんいますが。
デイサービスは、そうやって、ある程度自分でいろいろできる人が補助的な役割で利用するには、適したサービスがたくさんあるけれど、体をまったく自分で動かすことができない人、いわゆる全介助の人が通うには、ちょっと疲れてしまうことがあります。
デイサービスを卒業して施設へ行く流れ
デイサービスに通っていた人が、ある一定の時間を経て施設へ入所する、という流れが基本的にあります。
家族がもう家で介護ができない、というケースが多いですが、それも含め、ほとんどのケースは入所先が決まったタイミングでデイサービスを利用終了されます。
でも、その入所のタイミングは、ああちょうどいいタイミングだったね、というケースもあれば、え?もう入っちゃうの?という早いタイミングの人もいれば、ちょっともう難しいんじゃないですか?という人もいて、
本当に千差万別です。
ちょっと難しいケースあれこれ
自宅で暮らすのはちょっと難しいかなというケースは、どういったケースがあるかというと、まず、一人暮らしで何度も転倒している、という方。
家の中でも外でも何度も転倒していて、救急車で搬送されたりなどもしているけれど、それでもデイサービス+一人暮らし+たまにヘルパーさんだけでなんとかやりくりしている人。
徘徊が多く、一人暮らしで外に出てしまって、捜索願いを何度もだされている人。
食事のむせこみが多く、普通の食事はかなり限定的にしか食べられない人。自立度の高い人向けのデイサービスなどでは、老人ホームのように、食事の形態を変えたりする対応をしていなくて、仕出しのお弁当などしか提供していないところもあるので、普通食を食べられなくなったら、そこに通うのは難しい。でも、ムリして来ちゃう。
ケアマネさんの役割と負担が増える
このように、もうそこのデイサービスのサービスをうまく利用できなくなったら、別のサービスへ移行できるようになるためには、本人や家族の意見だけではなくて、担当のケアマネージャーさんがよりよいサービスを提供できたら一番いいのだろうけれど、ケアマネさんの仕事も多量だろうから、なかなか難しいのだろうと思う。
だから、本人も家族もよくわからず通い続けているケースもあるし、本人はもう疲れるだけだから行きたくない、と言うけれど、家族のレスパイト目的で死にそうにしんどくても通わされる人もいる。
デイサービス側は、サービスを提供する側なので、来てくれるな、とはよほどのことがないと言えない。
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本人にとって、一番いいと思えるところに通ったり、過ごしたりできればいいのだろうけれど、それがなかなかうまくいっていないケース、というのを見るにつけ、サービスをうまく利用するには、家族もその施設を実際に見学に行って状態をよく見て判断した方がいいし、いろいろな施設を比較して決めた方がいい。
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