見出し画像

シマエナガの黄色帽子

私には4人の子どもがいて、40歳で産んだ末っ子は初めての女の子。
現在小学一年生。
クラスでは一番背が低い。
お姉さんのように大きな同級生からは「赤ちゃんみたい」と愛でられ、
喜んでいる。
大学生、高校生、中学生の大きなお兄さん3人に囲まれている娘。
我が家ではいつも、小鳥さんとか、ひな鳥とか呼ばれている。
そんな小さな娘を、娘が大好きな「シマエナガ」にたとえて、娘との小さな日常生活を綴っています。

3月21日。
明日で小学校一年生も終わりだと思ったら、
急に切なくなって、朝バタバタと支度をしていたけれど、
玄関で黄色帽子をかぶるシマエナガを、
ちょっと切ない気持ちで眺めた。
そして、玄関の鏡の前で黄色帽子をかぶるシマエナガの写真をたくさん撮った。
ランドセルの黄色いカバーも明日でお別れだ。

この一年間、黄色い帽子に黄色いカバー、
この派手な色の目印にとても守られていたと思うし、
わが子だけでなく、黄色い子どもたちが道を行くときは、
それだけで幸せな気持ちになったし、
「守ってあげなくちゃいけない」と近所の人たち、
行きかう車で運転する人たちも、横を通るときは気を付けてくれたと思う。

明日でその生活ともお別れだ。
4月からは2年生。

毎日3分の道のりの登校に、父親か私か、あるいはたまにはお兄ちゃんか、
だれかが付き添って送っていっていたが、
今日は私とシマエナガ、二人で登校した。

歩く途中、
高学年の女の子をスマホで撮影しているお父さんらしき人がいた。
きっと、六年生の子どものお父さんなのだろう。
小学校最後の登校。

3月は切ない。
うちだけではない。
子を持つ親は、こうやってしみじみ子どもの成長とともに、
一つ一つ増えていく思い出と、手放していく日常とで、
切ない思いを抱いている。

一昨日は、中学生のシマエナガのお兄ちゃんの卒業式があり、
卒業生入場で泣いてしまった。
中学校の卒業式など、ドライに終わるだろうと高を括っていたのだが、
成長したわが子をみて、友達と別れを惜しんでいる姿をみて、
やっぱりじんとしてしまった。

3月は切ない。
子育ては切ない。

あとから見返したら、どうでもいい映像と画像ばかりだったりするけれど、
どうしても卒業式の撮影をめいっぱいしてしまうのも、
その切なさゆえだと思う。

そう思うと、自分の前の席で撮影しまくっていて、
なんだか邪魔だなと思える行動すらも、
いとおしく思える。

そうだよね、切ないよね、この気持ち、忘れないように、
おさめておきたいよね。
わかる。わかりすぎる。

子育ては切ない。
子育てしている親にとって3月は切ない季節。




読んでいただきありがとうございます! 記事を気にっていただきましたら、 投げ銭感覚でサポートしていただけますと、 次の記事作成の励みになります♡