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アウシュビッツのガス室に実際に入った私の体験談。

今日は、私の頭の片隅に昔からいつもある、「アウシュビッツ」の話をしようと思います。いまなぜこのタイミングで話そうと思ったかというと、作家でブロガーのはあちゅうさんがツイッターで『アウシュヴィッツの図書係』という本を紹介していて、読みたいと思ったのがきっかけ。

取り寄せてみると想像以上に分厚い本だったので、ちょっと短時間では読めないと思うが、できるだけ早く読破したいと思っている。

なぜか、昔から私の頭の片隅には「アウシュビッツ」という言葉が残り続け、とくに縁もゆかりもない人々の話なのに、ずっと、というと大袈裟だけれど、周期的にアウシュビッツに関しては「知っておかなければならない」という気持ちがあった。そのため本を読んだり、展示会に行ったり、しまいには新婚旅行でもポーランドに行き、アウシュビッツを訪れ、ガス室に実際に入ったこともある。アウシュビッツのガス室入ったことある人ってあんまり日本で会わないですよね?しかも私その時妊婦でした。

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新婚旅行でポーランドのアウシュビッツに行ったのは2007年。「アウシュビッツ」という呼び名はドイツ語名であり、ポーランドでは所在地の市の名前がオシフィエンティム市であることから、「ポーランド国立オシフィエンチム博物館」と言われていて、世界遺産にも登録されています。

オシフィエンチム博物館に夫婦で行ったときには、外国人向けのツアーで、いろんな国の人が一緒でした。博物館には様々な遺品が置いてましたが、ジプシーの女の子が着ていた洋服が展示してあった部屋を皆で訪れた時、尋常じゃない泣き方をしているご婦人たちがいました。

当時アウシュビッツに収容されていたのは、ユダヤ人だけではなく、政治犯、同性愛者、捕虜、聖職者、身体障がい者、エホバの証人などと言われていますが、日本人にはあまりなじみのないロマ・シンティというジプシーの人たちもいたのです。泣き崩れていた婦人たちはやはりそのジプシーの人たちでした。

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アウシュビッツに行くなんて、それもガス室に行くなんて、さもおそろしい体験でしたでしょう?とみなさんは思われますか?

私も行く前は覚悟して行ったのです。ショックで立ち直れなくなるかもしれない、と。

アウシュビッツに関する本はそれまでもいくつか読んでいて、自分の体験したことじゃないのに、立ち直れないくらい絶望的な気持ちになりながら、もうこれ以上ページが開けない、と思いながら読んだ本もありました。

ポーランドに行く前にも『夜と霧』を読み直したり、関連する本を読んで気持ちの準備はしていたのです。

でも、第一印象は「なんてきれいな建物と土地なんだろう、、。」でした。ここで本当に強制労働や拷問や惨殺が行われていたのだろうか。本で読んでいなかったら想像もできませんでした。

死体から取った何万個という膨大な数のめがね、髪の毛なども展示してありましたが、正直「ふーん」というくらいの感想でした。

当たり前ですが、実際には建物が残っているだけで、そこで拷問が今行われているわけでもなければ、お化け屋敷のようなおそろしい怖い建物がそこにあるわけでもなく、穏やかな田舎にひょっこり建っている建物です。外からはもちろん何もわかりませんし、入ってみたところで、きれいに展示してあるだけですから、実際は「私の頭の中の想像を超えたおそろしさや残酷さ」は何もなかったのです。

ガス室で殺すというのは実際にはとても効率の悪いやり方だったそうで、後から追加で建てられた建物では、「単に食事を与えられず、死ぬまでそこにいるだけ」という建物もありましたが、その建物ですら、実際はきれいな小屋のようなもので、実際にみたところで、本の世界、私の想像の世界のアウシュビッツに比べれば、なんとも味気ないものでした。

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実際の歴史を知る、学ぶ、といったときに、私がアウシュビッツに実際に行って、拍子抜けしたように、博物館に行って知った気になる、というのはもったいないことだと思うのです。

それだけでなく、やはりいろんな本を読んでみる、とうことは本当に貴重なことだなと、私はアウシュビッツに行った体験と、本で読んで知りえたことを比較して思います。

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そんな私もしばらくの間はアウシュビッツについて忘れていたのですが、ふと『アウシュビッツの図書係』という本が舞い込んできました。

実話をもとにした本だそうで、チェコから当時アウシュビッツに収容された9歳の女の子が、秘密の図書係に任命されて、たった数冊の本を秘密裏に保管し守っていた、という話だそうです。そういった話は今までどの本でも聞いたことがなかったので、とても驚きました。見つかったら大変なことです。 そこまでして本を読むこと、学ぶこと、知ることを諦めなかったアウシュビッツの人々のついて、少女の生きざまについて、私たちは知る必要があるのではないでしょうか?私は知りたいです。







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