映画『燃ゆる女の肖像』人を愛したその瞬間、炎が燃える。そんな恋、してみたい
映画『燃ゆる女の肖像』が明日、12月4日(金)から公開されます。
この映画、フランスの女性監督セリーヌ・シアマが、元彼女のアデル・エネルをミューズにして作っているのですが、監督はインタビューで
「アデルをミューズにして撮るということはやめた。完全なるプロフェッショナルとして、女優としての彼女を撮っている。」(映画パンフレットより)
というようなことを言っています。
でも、わたしはこの映画を見て、アデルのことをミューズとして撮っているなと思いました。
撮影時には、二人はお別れしていたようですが、それでもアデルの美しさを鮮明にスクリーンに描きだしているし、彼女に対する尊敬の念と愛を感じます。
そこをあえて、「アデル自身も知らない新境地を開拓したい」という気持ちを込めて撮影したと監督は言っています。
どういうことなのかな、と考えてみました。
もはや恋人ではないので、恋愛感情は持っていないが、元恋人としての愛情がある。こういう気持ちは映画にものすごく繁栄しています。
けれども彼女をミューズとしてあがめているわけではない
ということを言いたいのかもしれません。芸術家の感覚を凡人の私がおもんばかることはできませんが……。
映画の中で、マリアンヌとエロイーズの恋は、静かに進んでいきます。
刺激的なベッドシーンもなければ、無理やり引き裂かれる愛でもない。
そして、男性が登場しない。女性だけの時間が過ぎていくんです。
パッと燃え上がった愛の炎を全て消してしまう前に、暖炉にその火をつけて、二人で温まりながら体を寄せ合うような雰囲気の物語。
静かに燃え続ける二人の愛の炎は、燃え上がったばかりの時に、心の奥底にしまいこむことによって永遠に燃え続けていました。
シアマ監督にとってのアデルさんは、そういう大切な心の炎なんじゃないかって思います。
お別れしても心のどこかにはありつづける、小さな炎なんじゃないでしょうか。
私はと言えば、マリアンヌ役のノエミ・メルランの美しさに心惹かれました。
あの閑散とした孤島のお屋敷のなかでマリアンヌと二人っきりですごしたら、
好きになってしまうかもしれない……
とすら思いました。
自分の過去を振り返って思い出してみると、女性が女性を好きなることって、あるんですよね。
あえて気持ちを追求していないので、それが恋愛なのか、共感なのか、真相は分からないのですが……。
個人的にはそう思います。
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