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この世界で「モモ」を生きよう

休職願を書いた。

7月4日に彩雲に見惚れて段差を踏み外して左足を靱帯損傷。傷病手当の手続きをする為に診断書をもらい8月20日まで仕事を休むことになった。

先日整形外科に行った際に腫れも内出血もなくなり順調に回復してると診断された。しかしまだ鈍くてジンワリとした痛みがあり、長時間立ちっぱなしになったり、左足に体重がかかるとしんどい。左足に体重がかかったり、踏ん張るような業務はしばらくしないように言われており、介護の仕事はそれが必須な為、長期休暇となった。

前職でのトラウマから辞めさせられるかと思っていた。「こんなに休んで、しかも左足を踏ん張る業務がしばらくできないので辞めた方がいいのでは?」と総務の方に伝えてみたら、「いやいやいや!」と言いながら会社でできることや、今後のことについて丁寧に話してくれた。

そこまでしてくれる厚意をありがたく受け取り、足の様子を見ながら、今すぐ「どうするか?」の決断はせずに、ゆっくりかつじっくりと今後のことを考えてゆきたい。

ゆっくり過ごす中で、再度ミヒャエル・エンデの「モモ」を読み返した。


今回はただ読み返すだけでなく、自分が気になる箇所や重要に感じる箇所をスケッチブックに書き出してみた。


とにかく書き出す
灰色の男の言葉めっちゃ怖い
時間の花とはいったい何なのか?

以前、Tentofuで「モモを読む会」をした際に付箋を貼ったり斜線を引いたりしていたので、すぐに取り組むことができた。自分の文字で書き出すのはなかなか大変だったが久々に勉強してる! って気がした。

書き上げた後に、「モモ」を読んで大切だと思うことをピックアップした上で、今後自分が「モモ」のように生きるにはどうしたらいいかも書き出してみた。

コレを元に、今後の自分の働き方や仕事を考えていきたい。

今回「モモ」を読んで特に気になったところを書き出してみると

だがな、そんなことおれになんの関係がある? おれは金をもらう、それでけっこうさ。そうさ、時代は変わったんだ。むかしはいまとちがって、おれはひとに見せられるほどのものを建てて、おれの仕事をほこりに思ったもんだ。だがいまじゃ……。そのうちいつかたんまり金がたまったら、おれはじぶんの仕事におさらばして、なにかべつのことをやるよ。」

ミヒャエル・エンデ「モモ」P109  佐官屋ニコラの言葉

「人生でだいじなことはひとつしかない。」と男はつづけました。「それは、なにかに成功すること、ひとかどのものになること、たくさんのものを手に入れることだ。ほかの人より成功し、えらくなり、金持ちになった人間には、そのほかのものー友情だの、愛だの、名誉だの、そんなものはなにもかも、ひとりでに集まってくるものだ。きみはさっき、友だちが好きだと言ったね。ひとつそのことを、冷静に考えてみようじゃないか。」

ミヒャエル・エンデ「モモ」P126 灰色の男の言葉

「人間が、そういうものの発生をゆるす条件を作り出しているからだ。それに乗じて彼らは生まれてきた。そしてこんどは、人間は彼らに支配させるすきまで与えている。それだけで、彼らはうまうまと支配権をにぎるようになれるのだ。」

ミヒャエル・エンデ「モモ」P202 マイスター・ホラの言葉

こういう働き方をすることで、彼はじぶんの心のそこからの信念を、いやこれまでの生き方ぜんぶを、否定し、裏切ったのです。それを考えると彼はじぶんのしていることがたまらなくいやで、吐き気がしそうでした。

ミヒャエル・エンデ「モモ」P243 掃除夫ベッポの描写

こうして子どもたちは、ほかのあることを忘れてゆきました。ほかのあること、つまりそれは、たのしいと思うこと、むちゅうになること、夢見ることです。

ミヒャエル・エンデ「モモ」P247 子どもたちの描写

「もどりたくても、もうもどれない。ぼくはもうおしまいだ。おぼえているかい、〈ジジはいつまでもジジだ!〉、ぼくはそう言ってたね。でもジジはジジじゃなくなっちゃったんだ。モモ、ひとつだけきみに言っておくけどね、人生でいちばん危険なことは、かなえられるはずのない夢が、かなえらてしまうことなんだよ。いずれにせよ、ぼくのような場合はそうなんだ。ぼくにはもう夢がのこっていない。きみたちみんなのところに帰っても、もう夢はとり返せないだろうよ。もうすっかりうんざりしちゃったんだ。」

ミヒャエル・エンデ「モモ」P276 ジジの言葉

めっちゃ怖い。この物語は1976年に発行されたのだけど、47年後の今もそんなに変わらない。2020年を境に少し変わりつつあるけど、また以前のような暮らしへ!みたいな風潮が加速してる。2020年以降少しゆっくり丁寧に生活してたはずが、何だか忙しくなって気がつけば忘れてしまいそうになってた。灰色の男たちを発生させる条件を許してしまいそうになってた。そんな中でまさかの転倒で与えられた時間。これは真剣に自分の今後を考えるように与えられた時間だと思ってる。本当にありがたい。

そんな中、昨日たまたま坂口恭平さんのスペースを聞いた。

平日のお昼間に家族と一緒に過ごしながら歌ったり、話したり、お昼ご飯の蕎麦食べたり、奥さんと一緒に歌ったりして何だかすごく贅沢で豊かだった。

坂口恭平さんの歌を聴いていると、自由に歌っていいんだと感じた。私は自分のオリジナル曲は1曲しか作れていないけど、自分の好きなコード進行を見つける為にも好きな歌をたくさん聴いて、好きな歌をたくさん歌ったらいいんだと思えた。

スペースの中で自身のクリエイトについて、興味深い話をしていた。

ゆっくりするのが大事。
詩を自分で作ろうと思わない。
心の扉を開くだけ。
自分がやってることが恥ずかしいと思って見せられないという意識を捨てる。
私のものではないという意識が大切。
自分を開いて自分のものにしない。
この世界で売れたいとシャカリキにならない。
自分の手柄として売れようとは思わない。
I open the door.Door open.
自分の夢を見せている感覚で、言語で意識
の変化に働きかけたい

Twitterスペースでの坂口恭平さんの言葉

面白いなと思った。現実に「モモ」みたいに生きてる人いるんだな。坂口さんは賢い人だから、お金の計算もしっかりしつつ、自分のクリエーションと生活のバランスをとりながら、いのっちの電話などで人助けもしている。特別と言えば特別だけど、そういう人がいるということ、大丈夫だと思わせてくれる人がいることが希望になる。

足はまだ痛むし、手荒れがひどいので介護の仕事を続けない可能性も考えつつ、自分の時間、生活、心を大切にしながら私が喜んで働ける道を開拓したいな。

今はまだハッキリ見えてこなくても自分が喜んでできることを書き出しながら、日々やれることをする。恥ずかしいという思いや自分のモノという意識を手放して、心を開いていこう。

そして何人かの人に約束した歌を、共に喜び合うイメージしながら心を込めて歌っていよう。


西表島の友達が送ってくれた、西表島に居た私。
西表島にまた歌いに行きたい。


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