Week 4-5 優しい気づきへの5つのステップ
そもそも人間はネガティブなことに敏感になるように作られています。
ですから、ハートフルに自分の中の優しさや、温かい部分を見つけるためには、意図的にプラクティスして養成していかなくてはならないのです。
そのための、5つのステップによるケアを紹介します。
①観る:マインドフルに今ここに注意を向け、身体や心がどのような感じ方をしているかに気づく(マインドフルネス)
②認識する:自分が今経験していることを知る。例えば:緊張、疲れ、怒り、不快、悲しみ、戸惑い、心配など。ラベリングを使って、意識的に顕在化させても良いでしょう。
③受け入れる:その瞬間のその感じかたが、どのようなものであっても、特別な評価を加えたり、変えたりしようとせず、受け入れる。その感情を本当に感じてみる。
④呼吸に戻る:一度、呼吸に注意を戻し、「これは世界中で多くの人が経験しているものだ」など、全体を意識してスペースを生み出す。これにより、一度、緊張や強張りを和らげる。
⑤包み込む:感情に意図的に「優しさ」「あたたかさ」という質を加えてみる。親しい友達や、小さい子供があなたに助けを求めに来た時のようにその感情に優しさをもって接してみる。
困難を経験している時に自分へのケアとして用いても構いません。
初めは、このプラクティスは無理にさせられているとか、操作されているとか不自然に感じられるかもしれませんが、それは自然なことともいえます。
しだいに、感じ方が変化したり、ケアの気持ちに触れたりすることができるようになるでしょう。
ハートフルネスは、ポジティブな感情が全く持てないときにさえ、有効なのです。
プラクティスに用いるフレーズはある特定の感じ方をさせるために強制的に導こうとするものではありません。
プラクティスによって心の中でベルが鳴り、体に起こる響きを聞くようなものだと考えてみてください。
といっても、体の中の特定の音をしっかりと聞こうとする必要はないのです。
ただ、聞く、それだけでいいのです。
これは祈りではありません。言うならば、今まさにこの時に、今、心に存在する善とつながるための方法です。
時に驚く程良い感じ方をしたり、反対に心が傷んだりすることがあるでしょう。
しかし、このプラクティスは、自分のハートとつながることの安心感を教えてくれるでしょう。
<優しさのプラクティス>
ハートフルネスのプラクティスがどのような形をもって現れるかについて少し触れたいと思います。
一見、ハートフルネス=心を開くことと思われてしまいがちです。
確かにそう言い切ってしまっても良いのかもしれませんが、プラクティスの一側面と思っておくのが良いでしょう。
ハートフルネスのこのような側面は「養成していく(育てていく)」側面といえます。
自分の中にある、しかし普段は隠れている温もり、絆、優しさ、喜び、親切といった感情を養成し、アクセスしようとしているということです。
一方で、このプラクティスによって、正反対の感情が表に現れてくる可能性もあります。
幸せや、温もり、愛を感じられるはずだと期待していたのに、怒りや恐怖、悲しみが感じられるだけということがあるかもしれません。
これは、驚きの作用と言えますが、このような時、あなたのプラクティスが間違っているわけではないということをどうか覚えておいてください。
そして、興味を持ってみることができるでしょうか。
ハートフルネスのプラクティスは「消化」のプラクティスともいえます。
心を開くことの障害になっている全てのことがプラクティスによって消化されていくということです。
従って、心の中で深く痛んだり、悲しんだりすることのなかった全ての側面が際立ってくることがあるのです。
そのような経験を消化することによって、自分の中で過去の出来事と平和を築いて、より統一された自分としての全体となることができるのです。
時には、フレーズを言っても何も感じない。何の温もりも悲しみも感じないということがあるでしょう。
何かを感じなくてはいけないということではありません。
プラクティスを行う程に、うまく今の自分への集中に向かっていくでしょう。
ハートフルネスには三つの作用があると考えられます。
それは「養成」、「消化」、「集中」です。
もし気が進めば、親切な願いをあなたが大切に思う人に向けてみましょう。
家族、友達、ペットなど、自然に温もりや愛情を感じることのできる人に対して願いを送る時、そのような気持ちが自分の中にも同時に流れるのが感じられます。
その絆や愛を深く思い返すためのプラクティスとして行ってみるのです。
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