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【マインドフルネス入門講座】〜心と身体を調える気づきの科学〜

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健康や幸福感を高めるとして、ビジネスや医療など様々な分野で取り組みがすすむマインドフルネス。今では、ストレス軽減や集中力の向上など、様々な効果が実証されています。 ​このマインド… もっと読む
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#ストレス

「マインドフルネス入門講座 概要」

皆様こんにちは。 マインドフルネス入門講座へようこそ。  今日から6週間にわたり、noteによるマインドフルネスの理解と実践プラクティスのプログラムを行なっていきます。 マインドフルネスを初めて経験される方も、又は既に経験のある方も、6週間を通じてそれぞれの生活の中に新しいマインドフルな瞬間を発見することができますように。 このコースは三つの要素から成り立ちます ・日々のコラム(テキスト) ・プラクティスオーディオ ・プラクティス日記(主に振り返り) ​ <コースの進め方

【Week 1】 マインドフルネスの基本

Week1−1マインドフルネスの呼吸 Week1−2マインドフルネスの姿勢 Week1−3マインドフルネスとは? Week1−4マインドフルネスと思考 Week1−5経験に付箋を貼る(ラベリング) Week1−6マインドフルネスと自己統制 Week1−7今に根ざした気づき <マインドフルネスをはじめよう> ​ マインドフルネスはただ読むこと(認知)により深めることができるものではありません。同時に、実践(プラクティス)をおこない体験することが大切です。 まず、生活の中で

Week 1-1 マインドフルネスの呼吸

「信じられないこと」なのですが、実は、私たちの心、生きかた、幸せについて考え、知ることは、このシンプルで単純な「呼吸に注意を向ける」ことから始まるのです。 ​ マインドフルネスといういわば冒険ともいえる道のりを始めるにあたって、 一度に全てをマスターしようとか、今すぐ全てを理解しようとする必要はありません。 目の前にある課題を「はじめる」、そしてまた次を「はじめる」、これを唯々、繰り返してゆくのです。 まずは、身体で体験することが大切です。 さっそく、プラクティスオ

Week 1-2 マインドフルネスの姿勢

<マインドフルネスのプラクティスを始めるにあたって> ​ よりマインドフルな状態を育てるためには、 意図的に時間を作って、マインドフルな状態を高めていけるように、実践(プラクティス)していかなくてはなりません。 まず、静かな場所を探してみましょう。 家、職場、外などで、他の人に邪魔されないような場所を見つけられるでしょうか? 本日のプラクティスは椅子に座って行います。 姿勢はリラックスと緊張が程よいバランスにある姿勢を身につけることが大切です。 両足は床につけ

Week 1-3 マインドフルネスとは?

本日は、気づき(awareness)のプラクティスを始めるにあたって、 ・マインドフルネスとは何か? ・マインドフルネスの由来は? ・そして、マインドフルネスが私達の幸福感をどう高めてくれるか? についての説明をしておきたいと思います。 ジョン・カバット・ジン博士はマインドフルネスを次のように定義付けています。 <マインドフルネスの定義> Mindfulness is the awareness that arises through paying attentio

Week 1-4 マインドフルネスと思考

<思考に関して> ​ マインドフルネスの目的は思考を取り除くことではありません。 思考は人間の営みの一部です。 マインドフルネスのプラクティスを始めたばかりの人は「思考する」ことにマイナスの捉え方をする場合があります。 そして、その対応として、全ての思考をコントロールしたり、鎮めようとしたります。 しかし、思考を止めようとすることは、聞くことを止めようとするようなもので、元々コントロール不可能なことに対して自分を責めることはできないでしょう。 自分をどうか優しく取り

Week 1-5 今の経験に付箋を貼る(ラベリング)

マインドフルに今ここに注意を向けた時、私たちの身体や心が今経験していることに触れることができます。 それは、自分を取り巻く環境、自分の中の感情、身体の感覚、思考などです。 これらの経験をコントロールしようとしたり、払い去ろうとしたりする必要はないのです。 「ただ観る」のです。 「ただ観る」ことは簡単ではありません。 ラベリングを用いれば意識的に今の状態に注意を向けやすくなります。ラベリングは今の経験に付箋を貼っていくようなものです。「観たまま」を付箋付けします。

Week 1-6 マインドフルネスと自己統制

<マインドフルネスと前頭前野> ​ マインドフルネスは脳と身体に良い効果をもたらすということが研究により明らかになっています。 研究者が注目している領域の一つは前頭前野と呼ばれるところです。頭の前部分に手を当てて、額まで下ろすまでの範囲が前頭前野にあたります。特に、この中でも「DLPFC(背外側前頭前野:Dorsolateral prefrontal cortex)」は感情のコントロールや集中力の他、欲求や記憶力にも関係していることが知られています。上の図で緑色に塗られた部

Week 1-7 今に根ざした気づき

『我々は、まだ訪れもしない、他のことばかりに気を取られて、  実際に今ここにある生活のなかで、  入り組んだ命の網に寄せる気づき(awareness)が  あまりに欠けています。  今ここへの気づき(awareness)と認識が欠けているが故に、  私たちの物事の捉え方や行動に影響をおよぼしているか  ということに気付かずにいるのです。  更に、  人間であることの意味や、  わたしたちがお互いにどれ程つながり合い、  世界とどう結びついているかを見渡す視野が  恐ろしい程狭

Week 2-1 マインドフルネスと身体(ボディスキャン)

​<身体にマインドフルな注意を向ける> ​ 身体に注意が向けられるようになってくると、実際に今経験していることに深く繋がることができるようになります。 また、自分自身の肉体的、精神的状態をリアルタイムで知り、ケアすることができるようになります。 ボディースキャンのプラクティスについて: ​ 身体に注意(attention)を向けていくことについてお話ししたいと思います。 多くの人は、忙しさや何かに夢中になっている時には、身体をどれ程酷使して、体力は有限であるということを忘

Week 2-4 マインドフルネスと日々の経験

想像してみてください! あなたは1日を終え、必要なものを買うためにスーパーに寄りました。 レジの列は長く、あなたは疲れていて耐え難い状況です。 そこであなたはマインドフルネスを思い出し、注意を足の裏や脚に向けます。 そして、数回大きく呼吸をして、感情に注意を向けます。 この時、あなたは疲れているのですが、あなたは今ここに存在しています。 そして、周囲で起きていることをありのままに観ています。 さらに、今の自分に「気づく」ことが出来ます。 どのような感情に気づく

Week 2-7 マインドフルネス教育

<ニューヨークの学校でマインドフルネス> クウィーンズのある小学校の年度始めの最初の日、ファリーナ先生は、四年生の子供達が床にあぐらを組んで座る静かな教室に鋭い視線を向ける。 デイヴィンダーくんが「目を閉じてください。」という。皆カーペットに円体型に座っている。デイヴィンダーは、小さな銅製のベルを静かに鳴らす。ゴーン。 「マインドフルの呼吸を三回してください。」と彼が言うと、教室に静けさが訪れた。 「自分の内側に行ってきましたか。」このエクササイズが終わると、ファリー

Week 3-1 感情の探求

まず、 「人生の最も良い時、反対に困難な時の様子を振り返ってみてください」 振り返ってみた時、そこには必ず感情が存在するはずです。 感情経験には深い意味があります。自分自身を「感情的な」人間ではないと思っていたとしても、喜びや悲しみ、愛や怒り、安心と不安などの人生のドラマは等しく胸を打つものです。 例えば人生にこうあって欲しいというような望みを抱く時、ある特定の感情を感じることをゴールとして捉えているといえます。 私たちが何かを望む時、言い換えると、ある特定の「感

Week 3-2 全ての感情を歓迎する

​人間という存在は、みなゲストハウス 毎朝、新しい客がやって来る 喜び、憂鬱、卑しさ、そして一瞬の気づきも 思いがけない訪問者としてやって来る 訪れるものすべてを歓迎し、もてなしなさい たとえ、それが悲しみの一団だとしても できるかぎり立派なもてなしをしなさい たとえ、それが家具のない家を荒々しく駆け抜けたとしても もしかすると訪問者は、あなたの気分を一新し 新しい喜びが入って来られるようにしているのかもしれない 暗い気持ちや、ごまかし、ときには悪意がやって来ても 扉のところ