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#宿題
『夏の終わりに思い出すのは君のこと。』(7)
彼は、何故、私の名前を知っていたんだろう。
不思議に思ったが、ベンチの上を見て、すぐに察した。
スケッチブックにも、色鉛筆のケースにも、
覚えたての筆記体の英語で、名前を書いたシールが貼られていた。
アキヒロくんは、これを見て、私がテラシマ アカリだと知ったのだ。
私は何てマヌケなんだろうと、笑えてきた。
突然現れた、知らない男の子。
私は知らないけれど、彼は前から私を知っていてくれた。
そ
『夏の終わりに思い出すのは君のこと。』(1)
8月も終わりに差し掛かった頃、
秋めいた空を見ながら、蝉の声を聞く。
思い出すのは、あの夏のこと。
私が、中学一年生の夏休み。
「夏の風景を描く」という宿題があった。
両親は忙しく働いており、家族でどこかに出掛けるという予定がなかった私は、
家から行ける範囲で、描く対象を探していた。
夏休みに、区民プールへ一緒に行ったクラスメイトは、
祖父母宅へ帰省した際に、絵の宿題を済ませてしまったと言