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クロワッサンが好きなんだよ。


2024年5月11日(土)

爽やかなお天気で、野菜の世話をしていても気持ちが良い。
やっぱり5月は良いなぁ。

伸ばし放題だった髪を切ってもらった。
最近はずっとほとんど同じ髪型だったんだけども、髪の量が多いからツーブロックにした方がスッキリしますよ〜と切ってくれるおばちゃんに言われ、長らくしていなかったツーブロックにしてもらった。
まぁ確かにスッキリはした。
が、量産型と言うか、こういう髪型のヤツいるよな感も増した。
長らくしていなかったツーブロック。
刈って短くなったサイドの部分には、いつの間にか白髪が目に付くようになっていた。

切り終わってから席を立つ時に、切り落とされた髪の量が多いと嬉しくなる。
こんなに切ってもらったぞ〜って気になる。
と共に、さっきまで体の一部だったのに、切り落とされた瞬間、急にゴミにされてしまうことが切なくもなる。
髪一本一本に申し訳ない。
今までありがとう。
ちょっと哲学問答みたいな話だけども、切り落とされた髪の方が僕という存在で、頭から残りの髪が生えているこの頭と体がゴミになる可能性だってあるのではないだろうか。
髪を伸ばしまくって、頭と体よりも切り落とされた髪の方が重く、多くなったらどうだろう。
切り落とされた髪に神経細胞を移植したらどうだろうか。
この頭と体と、切り落とされた髪との違いをどんどん小さくしていく方法はたくさんあるような気がする。
そう考えると、ゴミ扱いされてしまった髪と、この残った自分との違いは、思った以上に小さく、足元にたまった髪たちを無視出来ない気持ちになってくる。
本当は一つだった存在だもんなぁ。
一卵性双生児みたいな感じかな。
さようなら、兄弟。
今頃ゴミ袋の中に行ってしまったんだろうか。

昼ご飯にパン屋さんでクロワッサンとか色々、計4個買ったら、お店のおばちゃんが買ったパンを1個ずつ紙袋に入れてくれ、持ち帰り用のビニール袋に詰めてくれた。
まだあったかいので、髪袋の口は開けておきますねーとのことだった。
自転車のハンドルにぶら下げて帰宅したら、クロワッサンだけ無かった。
紙袋にはクロワッサンが入っていた形跡はあるんだが・・・。
途中で飛んでったのか?・・・いやいや、そんな訳・・・うーん、分からんなぁ・・・と、諦めかけたけど、なんだかスッキリしないので、道を逆にたどってパン屋さんまで戻った。
地面に注意し続けながら移動すると、色んなものが見付かって結構面白かった。
でも、クロワッサンは無かった。
せっかくここまで来たから、また買って帰るか・・・と、お店に入ると、おばちゃんに「あっ!」と言われ、さっきクロワッサン買われましたよね、と聞かれた。
おばちゃんが入れ忘れていたことに、僕がお店を去ってから気付いたらしい。
そのせいで、一緒にお店をやっている旦那さんに怒られ、夫婦喧嘩し、一言も口を効いていなかったとのことだった。
おばちゃんは、平謝りし、良かったーとスゴく喜んでくれた。
旦那さんも嬉しそうだった。
僕も喜んだ。
クロワッサンのモヤモヤも、夫婦喧嘩も、同時に解決した。
でも、おばちゃんも、どうして一度入れたはずのクロワッサンが外に出てたのかは謎らしかった。
忙しくて別のことに集中してたのかな。

お詫びにと、おまけのパンをくれた。
せっかくなので僕ももう1つパンを買った。
なんだか満たされた気持ちになって帰った。
あのパン屋さんにはまた行こう。
そしてまたあのクロワッサンを買おう。
好きなパン屋さんになったから、おばちゃんもう気にしないで。

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