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久しぶりの砂漠 エジプト#5 さてピラミッド

カイロ3日目。ようやくピラミッドへ出向く。ナイル川に隣接したタハリール広場に滞在していた私達。ウーバーを使って30分くらいでピラミッドがある郊外までたどり着く。カイロで、ウーバーの治安は総じて良かった。ブーんと運転手さんが飛ばす車から外を眺める。誰かと旅行すると、その人の世界がなんとなく見えると書いたが、誰かの車に乗る行為も似たようなもの。現地の人が運転する車に乗り込んだ瞬間、ヨチヨチの観光客の視点から、運転手さんの視点を感じることが出来るような気がする。

もうすぐ到着かと思っていたら、運転手さんが前方を指差している。「ほれ、あれ」「なになに?」と見てみると、前方にピラミッドが顔を出している。一本道のその奥に見える三角の可愛らしいピラミッド。思い描いていたピラミッドが、そこにあった。

車の窓からピラミッド…

入り口付近で降ろしてもらい、チケットを購入。やはり入り口付近は騒ついていた。お土産物を売ろうとする商人たちや、政府の観光ガイドを名乗る人々。「この証明書を見てみて!」と近寄ってくる。太陽の光を遮るものが何もない土地柄、帽子を売ろうとする商人が多かった。マイフレンドは、一瞬気を許した瞬間、商人に布を頭に巻きつけられていた。なかなか似合っていたので、そのまま買っても良かったのに。

チケットを購入し、入場。エジプトではよく入場ゲートで荷物検査が行われる。が、何を持っていても基本パス出来てしまう。なんのための検査なのか良く分からない。入場ゲートを越えると、また政府公認というガイドが待っている。

「ラクダ、馬車、ロバ!どれがいい?これがピラミッドのタクシーだよ!」

ラクダ、時折悲鳴を上げていた…

一瞬マイフレンドと顔を見合わせるものの、「ノーセンキュー」といいその場を去り、歩き始める。多くの観光客はラクダやら馬車に乗って、私達を通り越して行った。入場するとすぐに、スフィンクスやピラミッドが見えてくる。非現実的で超現実的な世界。もしこれまでスフィンクスやピラミッドのイメージを見たことがなく、初めてここで遭遇したらさぞ驚いたことだろう。私の頭の中には、すでにピラミッドのイメージが溢れていて、目の前にある真のピラミッドすら、私の頭の中にある既存のピラミッドのイメージの中に分類されてしまいそうな感覚。ミニチュアで見たことがあるピラミッドが、大きくなって私の前に現れたような。本当は逆なのに。

ギザのピラミッド

同じような感覚にペルーのマチュピチュでも陥った。写真を撮りまくる観光客に囲まれ、何をしたらよいか分からなくなってしまったのだ。(その空間を感じれば良かったのだろうけど)空間を感じるのは、才能のいることだと時に感じる。

anyway、ピラミッドに来て良かったと思った瞬間は、その中に入った時だった。ピラミッドの中が観光客用に綺麗に整備されているはずがなく(そうであると若干期待?していたが)、中は暑くて空気も薄い。そして暗い。中腰になって、板の階段を登る。なんと入る客と出る客が同じ細い通路を使わないといけないので、中は混んでいる。前も後も人。上はピラミッド。密閉空間。一歩間違えると、容易に気がおかしくなると思った。ピラミッドを建設した人たちのことが頭によぎる。深く考えると、おかしくなりそうだったので、空気を吸うことだけに集中する。

ピラミッドの中

ピラミッドの外に出ると、涼しい風が吹いていた。ミニチュアのピラミッドでは感じられないことをカイロで感じたことに満足し帰路に着く。帰り際、パキスタンからのファミリーに「写真を撮ってくれないか?」とお願いされる。なんとも陽気な人で、まずは自分一人の写真、次はワイフと、次は娘と、次は家族全員でと。私には赤子を抱っこしておいてくれと、ポンと自分の赤子を私の腕に託す。マイフレンドのサングラスかっこいいね、貸してと言い、サングラスを借りて写真撮影をする陽気なパキスタン、ファニーマン。

お昼はお惣菜屋さんで、細々したサラダやおかずとピタパンを食べる。何を頼んだら良いか分からないので、「全部少しずつお願い」と頼む。インドやアジアや地中海の味がブレンドされた味であった。マイフレンドは食に関心がないようで、なんでも同じ顔をしてパクパク食べていた。

これで八百円也

夜はゲストハウスに戻り、さっとシャワーを浴び、またすぐ出かける。チェコの友人がカイロでインターンをしており、彼の友達のパーティーへ行った。カルフォルニアからのギャルが主催したパーティー。人間観察を楽しみ、甘いラマダン用のお菓子をもぐもぐ。なんだかんだ12時過ぎくらいまで、お酒なしでいたのだから、案外楽しんだのかもしれない。

鳥の巣みたいなお菓子


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