見出し画像

初夏を聴く 季節の音は どこにある 六月恒例 講演の音に

 初夏を聴く 季節の音は どこにある 六月恒例 講演の声に
(しょかをきく きせつのおとは どこにある むつきこうれい こうえんのねに)

 新田はそうつぶやいて、河内長野を流れる石川のほとりにいた。「おい、そんなところにいたのか!」いつの間にか行方がわからなくなっていた後輩を楠本はようやく見つけた。
「あ、先輩、すみません」「いま何か声に出して呟いていなかったか、俳句みたいなの」新田は先輩に短歌を詠んでいたのを聞かれてしまい思わず照れ笑い。「あ、短歌を聞かれちゃいましたか。実は川の流れを見つけて、眺めてたらぼんやりいていたらついつい」そう言って新田は照れ笑い。

「まあ、別にいいけど、気になったのは最初のフレーズだ。『初夏を聴く』ってなんだ?」
「あ、確かに」ここで新田は真顔になり、詠んだ短歌の意味を説明する。「初夏とか季節を聴くって確かに不思議ですよね」そう言いながら新田は川のほうを見た。

「でも、先輩に連れてこられた河内長野って、僕こうやって見ていると山があってきれいなが川が流れて自然が多いから季節をすごく感じるなと思って、そうしたら季節の音とか聴こえないかなってってね。けど6月の無料講演会の話を先輩したじゃないですか、僕ちょっと気にいなって、そのことが頭から離れなくて」
半ば言い訳のような細々としたい方でうつむく新田。

 だが楠本は笑顔になると。「いや、そうじゃないんだ、『初夏を聴く』って57577でいかないといけないのに最初6で字あまりになっているなって思ってさ」
「あ!」この時、新田は全く気づいておらず、やはり楠本先輩は先輩だけあってすごいんだ思うのだった。

ーーーーーーーー
今日は先週に続き、こちら小牧幸助さんのシロクマ文芸部という企画に参加しました。

こちらの本日の記事をモチーフに創作しています。

#短歌
#今日の短歌
#小説
#イベントレポ
#楠木正成
#講演会
#シロクマ文芸部
#富田林
#河内長野
#南河内
#奥河内


この記事が参加している募集

#イベントレポ

25,990件

#今日の短歌

38,805件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?