とんかつの色は元気いっぱいミカン色 ひと色展
河内長野市に引っ越してきた片添は、あまり元気がない。引っ越しで忙しく気力体力共に消費している。今日も引っ越し後のいろんな手続きをするために市役所に来たが、初夏の日差しが厳しくてすでに疲れ気味。
面倒な手続きを前にため息をつきながら、元気なく歩いていると市役所のすぐ近くで気になるテイクアウト専門のとんかつ屋さんを見つけた。
「とんかつ食べたら元気出るかな」そう思った片添はテイクアウトすることにした。「先に注文しておけばすぐに持って帰られる」そう思って市役所に行く前に注文したものは、とんかつを使ったカツカレーである。
片添は市役所の用事を終えると、注文していた商品を引き取って家に帰った。「さて食べよう」カレーのパッケージを開けると、カレーのルーとご飯が別になっている。そしてご飯の上にはカツがぎっしりとのっていた。
「おいしそうだ」片添はいきなり口の中にたまったつばを飲み込むと、さっそく食べようと思ったが、ここでカレーの前に勝つだけ食べてみることにした。箸でカツをひとつまみ。そこで口に入れる前にふと思ったこと。
「このカツの色みかんのような色に似ている」ふと思ったみかん。片添はみかんが大好きで、冬になればこたつの上に欠かせない。
河内長野を含めた南河内地域は、柑橘系のミカン農家が多いことも知っているから、この冬は楽しみででもあった。
「そうか、みかんと同じ色のカツなんだ」そう思って一口パクっと食べる。「うまい、これだけでも美味しいよ」次はカレーのルーと一緒に食べる。普通のカツカレーとは違う、とんかつ屋さんならではのカツで味わうカレーを食べると、どんどん元気が出てくる気がした。
食べ終えたとき、片添は最近趣味で始めた出来事を五七五七七形式で読む短歌を詠んでみた。
用済ませ とんかつカレー 初夏に食う カツの色みて 元気をもらう
(ようすませ とんかつかれー しょかにくう かつのいろみて げんきをもらう)
このあと片添は、カツと同じみかん色は何の色だろうと調べてみた。すると近い色を見つけた。パーマネントイエローオレンジというらしい。
今日は、イシノアサミさんのひと色展2023という企画に参加しました。
こちらの本日の記事「とんかつ山田屋」をモチーフに創作しています。
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