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チョロいと くさび打つ夢 彼岸中 起きた公園 静けさの中

「ふん、チョロいの、くさびでどうにかなりそうだ」近所にある寺ヶ池公園を歩いていると、ランニングシャツを着た初老の男が何かつぶやいている。怪しいと思い、距離を置くがそいつはわざとこっちに聞こえるように「チョロいの!」「くさびでどうにかなる!」と大声を出した。「危ないやつだ」徹底的に無視したが、どうやら失敗したようだ。

突然後ろを引っ張る力が入る。「何、や、やめろ」心の中で叫びそれを振りほどこうとする。もちろん怖いから相手は見ない。だがその力は想像以上に強く、頑張っても振りほどけないのだ。「チョロいの!」と相手が至近距離で大声を出すと、「くさびを打とうか!」と言い出した。「体にくさびを打つのか」と急に怖くなり、「やめろ!」と大声で叫んで相手を見た。

「あれ?」そこには男がいない。ここは公園内にある東屋のベンチ。いつのまにか寝ていて悪夢を見ていただけだ。目の前には河内長野を代表する寺ヶ池の静かな池の水面が見えるだけである。
「ふう、びっくりした。そうか今は彼岸だったな」とつぶやくと短歌が頭に浮かんだ。

チョロいと くさび打つ夢 彼岸中 起きた公園 静けさの中
(ちょろいと くさびうつゆめ ひがんなか おきたこうえん しずけさのなか)

今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:チョロいの、くさび

今日はこちらの記事「彼岸の寺ヶ池公園」をモチーフにしています。

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