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日記;2024年8月

押し入れを整理していたら、古い日記帳が出てきた。
2020年代かあ。♪ああ私の恋は南の風に乗って走るわ……

当時、「ジャーナリング」なんてのが流行していて、感じたことを書き出すと心を整える効果があるとか言われていた。
それで、みつきも始めたんだった。
ちょっと恥ずかしいけれど、お見せしちゃいますね。
あの頃のロクデモナイ政情、世相を反映してドロドロした感情を吐きまくっているので、覚悟して読んでね。
思想強めだよん、ゆたしく。
エロい記述もちょっぴりあるよ♡
(基本、敬称略)

8月某日
「虎に翼」第18週「七人の子は生(な)すとも女に心許すな?」(7月29日〜8月2日)は、日本人に染みつく差別意識に正面から突っ込んでいた。

警官「ほんね、これらすけ朝鮮の連中は……」
寅子「やめてください。差別的発言は見逃せません」
警官「差別? 何がですてえ?」
寅子「私は犯罪を容認するつもりはありません。でも、そのことと差別の問題は別でしょう」(第86回)

航一「差別が生まれる理由はさまざまです。『火の無い所に煙は立たず』で終わらせるのか。それともその煙を上げたのは誰なのかを見極めるのか……」(第87回)

民族憎悪をあおり意図的に煙を立てるレイシスト、極右は唾棄すべき存在だが、それと同レベルでタチが悪いのが無意識の差別。言っている当人に差別しているという意識がない、というやつね。

日常の何気ない会話で「これだから女は、外国人は、障害者は、性的少数者は……うんぬん」などなど、うんざりするほど聞かされる。
語っている当人はそれが「差別」とはまったく認識していない。でも「差別」感情は無意識下の奥底に確実に存在している。何かをきっかけに浮上してくる。

その「何か」は、例えば関東大震災でのデマ。真に受けて踊らされた日本人によって朝鮮人、中国人、沖縄県人、社会主義者が虐殺された。
いまでも災害が起きると必ず流れるデマ、フェイク。
最近はSNSで注目を集めるとカネが入ってくるくだらないシステムがあるそうで、インプレ稼ぎというのか? 能登半島地震でもこの手のバカがわらわらわいて、被災者になりすまして救助要請した埼玉県の会社員が逮捕されている。

こういうデマの氾濫が大虐殺につながるわけがないと断言できないところに日本人の怖さがあるよ、ウチナーンチュのみつきにとっては。

8月某日
土曜日、早朝ウオーキング。公園をせっせと歩いていたら、少し先の地面で何やら紙が舞っている。
近づいてみたら、アイヤー! 1万円札が2枚。
キョロキョロ周りを見る。人はまばら。拾う。
近くのベンチに座る。落とし主が現れるかも、と期待しながら(誰も来るなとひたすら祈りながら)しばし待つ。
誰も来ない。探している風な人もいない。
2万円をベンチに置いて去る。
なんて石部金吉じゃあるまいしバカげてる。
ありがたく懐に納めさせていただきました。

あぶく銭はさっさと使っちゃえ。
朝ごはんを食べた後、近くのジュンク堂。
映画本コーナーに一直線。よかった、あった。欲しいなあ、でも高いなあ、と指をくわえていた本。
「吉永小百合 青春時代写真集」(文藝春秋、3200円税別、2024年6月10日)
「キネマ旬報の100年」(キネマ旬報社、3000円税別、2024年7月11日)
買っちゃいました。
吉永小百合さんは憧れの女性。母と親子でファンです。
キネ旬は学生時代、シナリオを掲載していた70年代のやつを古本屋でよく買っていた。
この2冊、映画ファンには永久保存版です。

次いで文芸書コーナーへ。
芥川賞作家・李琴峰さんの新刊「言霊の幸う国で」(筑摩書房、2860円税込、2024年6月27日)
504ページの鈍器本。右から左、上から下とくまなく探したけれどなかった。売り切れちゃったのかしら。残念。
芥川賞受賞後に作家に降りかかった外国人差別・女性差別・性的少数者差別などを基に書かれた小説。
李さん自身は「小説とは位置付けていなくて、小説と論考、フィクションとノンフィクションの間のものとして考えています」(刊行記念イベント「美しき国のクィアの闘争と再生」、筑摩書房サイト)と語っている。
ジャーナリストの北丸雄二氏は「日本社会という公的領域での差別事案を悉(ことごと)く記録し、それを私的領域の文学の言霊で祓(はら)おうとする苦闘の記録。敢えて名付ければ日誌と日記、時事と虚構を縫い合わすジャーナル文学。同時に、凝縮した現代差別史として資料的価値も大きい」(8月2日付東京新聞「本音のコラム」)と。
どんな読書体験をもたらしてくれるのかしら。
李さんの沖縄の離島を舞台にしたと思われる「彼岸花が咲く島」(芥川賞受賞作)を読んで以来、ファンになったので買いたかったのだ。

ということで、たまにはこんなこともないとね、こんな国じゃやってられませんぜ。へへ。

8月某日
日経平均株価、大暴落。ブラックマンデー。
前週末比4451円安の3万1458円42銭。下げ幅は過去最大。
先月末の日銀利上げに伴う急激な円高、経済統計悪化による米国景気後退懸念を受けてパニック売りが広がったと。
アベノミクス、もといアホノミクスで粉飾に粉飾を重ねた日本経済の見てくれだけの厚化粧がどんどこはがれていくみたいで気持ちいいんですけど。

職場では「今は貯蓄より資産運用だよ」なんてしたり顔で話す、石丸投票を自慢げに吹聴していた、いけすかない40代つるり顔男が「もう笑うしかない。これ以上下がったらやばい、とけっこう売っちゃった」なんて青ざめていた。ザマミロ。

8月某日
ザマミロとほくそ笑んだのも束の間、今度は過去最大の上げ幅だって。
前日比3217円高の3万4675円46銭。
でも、職場のつるり顔男は浮かぬ顔。「こんなに上がっちゃったら買い戻せないよ」ですって。へへ、ザマ〜ミロ。
で、爆上げは米国の経済統計発表で景気後退不安がなくなったから、なんだと。
たった一日で変わる景気判断ってなんなの。日替わりでコロコロと変わるモノなのか。アホらし。

素人考えだけれど、今の株価って、もう景気のバロメーターなんかではなくて、単なるマネーゲームの数字に堕しているんでは。
日々発表される各種データ、決算数字の上げ下げに一喜一憂、大騒ぎして売ったり買ったりしているだけなんでは、と。

私は投資に興味なし。まして政権が投資ヤレヤレとシャカリキにあおっているうちはね。

後日、東京新聞のあるコラムが今回の上げ下げは何だったのかを、こう書いていた。
「株価が頂点に上り詰めた途端にド〜ンと最大下落、新参者は焦って売り、翌日には巨大資本によって買われ、乱高下で世界が揺れる。国民の貯蓄がしれっと世界市場に奪われた」
はは、そういうことか。お疲れさーん。

8月某日
元朝日新聞記者・樋田毅氏の「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」(2024、文春文庫、22年大宅壮一ノンフィクション賞受賞)読了。
桐山襲の影響で学園闘争関連本に手が伸びた。

1972年、早大文学部戸山キャンパスで文学部学生、川口大三郎さんが革マル派に殺された事件をきっかけに始まった反革マル学生運動の中心にいた筆者が振り返るルポルタージュ。革マルの暴力に日々さらされて挫折していく過程が詳細につづられる。
事件から半世紀。かつてキャンパスであいまみえた革マル派の文学部学生自治会委員長を訪ねたり、某大学教授になっていた自治会副委員長にインタビューするくだりは息を飲む。

新聞記者の文章は非常に簡潔でわかりやすい。300ページ超、すいすい読み進むことができた。
筆者は朝日記者時代、朝日新聞記者銃撃事件に遭遇、同事件取材班キャップを務め、「記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実」(2018、岩波書店)を著している。いつか読みたい。

ちなみに私が大学生だった頃はセクトの姿はほぼ見えず、反社壺カルト・統一教会が問題になっていたよ。入学式でも最後に「勧誘に気をつけて」と大学側が注意を促していたっけ。

8月某日
6日は広島原爆の日。
広島市はロシアは侵略戦争中ということで招待しなかったのに、パレスチナ人虐殺中のイスラエルを招待して批判された。

テレビ中継。着替えながら見ていたが、NHKの中継班に拍手だ。
広島県知事のあいさつ。
「翻って現在も、世界中で戦争は続いています。強い者が勝つ。弱い者は踏みにじられる。(略)男も女も子供も老人も銃弾で撃ち抜かれ、あるいはミサイルで粉々にされる。国連が作ってきた世界の秩序の守護者たるべき大国が、公然と国際法違反の侵攻や力による現状変更を試みる」
このくだりで、NHKは出席したイスラエル大使の仏頂面を映し続けた。
このシーンが今年の式典のハイライト。

呆れて口あんぐりなのは岸ダメ首相の言動だ。
広島を選挙区とし「核廃絶はライフワーク」などと偉そうに口にしながら、核兵器禁止条約には参加しない、「核の抑止力は必要」など言ってしまう。核廃絶など最初からやる気ないのが見え見え。
口から出まかせの詐欺師だな、岸田文雄は。

8月某日
9日は長崎原爆の日。
長崎市はイスラエルを招待しなかった。それに反発したG7(先進7カ国)の日本を除く6カ国(米英独仏伊加)・EU大使が欠席。
「イスラエルを、ロシアと同列に扱うのと同じ」だからなんだと。
イスラエルの残虐な殺戮(りく)は誰が見てもロシアと同列だろ。
エマニエル夫人、もといエマニエル駐日米大使の言い草がひどい。
「私が(欠席の)選択を余儀なくされたのは、あなたのせいだ」と言い放った。長崎市長宛の書簡で。悪いのはお前らだ、と。
ヤンキー・ゴー・ホーム。

夜8時前、地震。けっこう揺れた。
震源は神奈川県西部。震度5弱。東海道線などが運休するなど乱れた。
前日夕方、宮崎県で震度6弱、気象庁は初の「南海トラフ地震臨時情報」を発表(1週間後に解除)したばかりなのでドッキリ。
翌日からコメがスーパーの店頭からなくなり始めた。

9日付東京新聞「田中美津さん死去 ウーマンリブけん引」。
ちっちゃいベタ記事だけど、衝撃は大きい。

「1970年代に日本で『ウーマンリブ』と呼ばれる女性解放運動をけん引した鍼灸師の田中美津(たなか・みつ)さんが7日、多臓器不全のため死去した。81歳」
「60年代にベトナム戦争の反戦運動に参加。男性優位の運動の在り方に違和感を持ち、70年に行われた日本初のウーマンリブのデモの中心を担った。75年、「第1回世界女性会議」のためメキシコへ渡り、約4年滞在。帰国後、鍼灸師となった。著書に『いのちの女たちへ』『この星は、私の星じゃない』など」

彼女の残した言葉で忘れられないものがある。
「男であることにすがる以外、自己肯定感を持てない男がいる。そんな男は、下に見ていた女が声を上げた途端に批判を始める」
(2019年2月9日、東京新聞「ウーマンリブ運動を主導 田中美津さんに聞く」)

日本人であることにすがる以外、
マジョリティーであることにすがる以外、
自己肯定感を持てない方々が、
ウチナーンチュやアイヌ、外国人や障害者、LGBTQ、権力にまつろわぬ人たちを差別するんだな、といろいろ得心がいった言葉だ。

もう一つ。
「こんなことでみんなに喜んでもらえたら、とお茶汲みを己れの分と心得る女たちのその延長線上に『軍国の妻』『靖国の母』の亡霊が再び大手を振って甦る。女の解放とは心の構造からの解放だ」(『いのちの女たちへ』あとがき、1972年)。

50年以上経っているのに、いまだにこの言葉は古びていない。なんとも情けない。
「女子力高いねー」なんて言われて、いい気持ちになっちゃうようじゃ甘い。
こんなことをほざく男どもには要注意。必ず女性を家庭に縛りつけ、家事・育児・教育あらゆることを押し付けてくるモラハラ・DV男になるぞ。
肝に銘じたい。

8月某日
英国で極右暴動が発生中。警察当局の徹底取り締まりぶりがうらやましい。
英国の新聞にも次のような見出し、記事がずらり。
「Shame on you」(恥を知れ)
「Nazi scum, off our streets」 (ナチスのクズども、消え失せろ)
「No room for fascists here」(ファシストに居場所はない)
「Smash Fascism」(ファシスズムを叩きのめせ)
「Let’s crush all the racists」(差別主義者をぶっつぶそう)

日本では自警団と称して、外国人に暴力をふるいかねないクズレイシストが跋扈(ばっこ)し始めた。
その手のクズどもがデモをすると、日本の警察はカウンター側を排除しレイシスト連中を守っている。逆だろ。
こんな連中、さっさと捕まえ肥溜めにぶち込んでしまう方が民心が安定する。

8月某日
ネットで気持ち悪い言葉を見た。
「子持ち様」
なんだ、これ。ヤナ感じ。

「子持ち様対応でまた残業」
「子持ち様がまた急に仕事休んでる」

子育て社員を揶揄(やゆ)する、毛嫌いする、冷酷な感情が露骨に露出した言葉だ。

自分もいつか、子育てに勤しむことになるという想像力がまったくない。
自分がかつて子育てに勤しんだことを忘れるニワトリ並みの記憶力しか持ち合わせていない。
そして、労働のしわ寄せが自分のところに来ることへの不満を、子育て社員にぶつけることでしか鬱憤(うっぷん)を晴らせない無能っぷり。
社員が早退しても休んでもびくともしない労働環境を整えるのは経営者の努めなのに、そんなことは露知らない無知っぷり。

大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(2016)を見ていないのか。
古田新太が言っていただろ。
「社員に休まれたら困る状態を改善しない会社が悪い」

これに尽きる。
不満は子育て社員にではなく、経営者にぶつけろ。
平場でぶつぶつ文句言って「子持ち様」につらく当たっているだけじゃ何も変わらない。闘う相手は経営者だ。
そのために労組があるんだろ。
もっとも連合おばちゃんレベルの御用労組ばかりの昨今じゃ無理か。

いや、一人でも闘えるぞ。
ネットで探せば一人で加入できる合同労組、ユニオンがたくさんある。

ユニオンといえば、映画「ノーマ・レイ」(1979)
劣悪な労働環境で働くサリー・フィールドが「UNION(労組)」と書いた厚紙を頭上に掲げ、組合結成を呼びかける胸熱シーンが忘れられない。
サリーはアカデミー賞主演女優賞を受賞した。

声を上げれば、立ち上がれば、環境はいくらでも変えられる。
職場やネットで不満をたらたら垂れまくって、冷笑ひろゆきや石丸あたり(もう消えた?)を気取っている暇があったら、経営相手に闘いなさい。
その方が断然かっこいい。

8月某日
パリ五輪(7月24日から8月11日)が終わった。
オリンピアンの超人的プレーは確かに素晴らしい。
けれど、そもそも柔道だのレスリングだの体操だのフェンシングだのバレーボールだのサッカーだの卓球だのに、ふだんから興味があるわけではない。
(バスケは琉球ゴールデンキングス推し、ラグビーは地元高校、出身大学推しなので、日本代表はどうでもいい。今回は五輪種目になれなかった野球も出身高校、出身県や出身大学の応援だけで十分なのだ。ちなみに高校駅伝、箱根駅伝もね)
アナウンサー、解説者の大絶叫もうるさいから、テレビは基本見なかった。

だから、生中継を見たのは男女のマラソンだけ。
男子金メダルはエチオピアのトラちゃん。
まさに翼を得たトラ。五輪レコード(2時間6分26秒)で圧勝。
女子はオランダのハッサン(出身はエチオピア)がやはり五輪レコード(2時間22分55秒)でゴール前のスプリント勝負に勝って金メダル。彼女は5000、1万メートルの銅メダリスト。
五輪1大会で長距離3種目のメダル獲得は、1952年ヘルシンキ五輪で三冠達成したチェコスロバキアの「人間機関車」エミール・ザトペック(2000年死去)以来だって。

ただ、女子マラソンは、解説の増田某女史がのべつまくなしペチャクチャと耳障りだったので音を絞ってみたよ。

ところで、男子銀メダルのアベディ(ベルギー)、女子金メダルのハッサンら、何人かの選手が頭に巻いていた銀色の凹凸のあるヘアバンドがずーっとレース中、気になっていた。どっかで見たことがある。

あ、あれだ。寅さんだ。エジソンバンドだ。
映画「男はつらいよ ぼくの伯父さん」(1989年)。
とらやに帰った寅次郎が浪人生の満男に「頭が良くなるベルト」と言ってあげたやつ。
(満男は、欲しがる源ちゃんに1000円で売っちゃったやつ)
で、マラソン選手のあれは実際のところ、なんなんでしょう。謎。

ちなみに、パリ五輪のニュースで、「これはすごい」と思ったのは競泳男子100メートル自由形と陸上男子100メートル。
(職場のつけっぱなしのテレビでたまたま見たんだけれど)
競泳は中国選手の圧勝劇。自身の持つ世界記録を更新する46秒4、短距離なのに1馬(?)身は差をつけてたわね。
一方、陸上はゴール横一線の大接戦。金の米国選手は9秒784。銀9秒789、銅9秒81で7位の選手でさえ9秒88。ちなみに0・1秒(100ミリ秒)って、まばたきレベルの時間なんですって。
あ、そうだ。女子20キロ競歩で金メダルを獲得した中国の選手がおへそに貼っていた絆創膏というか湿布みたいなの、あれも気になった。どんな効果があるのから。

8月某日
13日付の米軍準機関紙「星条旗」紙。
沖縄で開かれた米兵性犯罪糾弾集会を取材。
参加者の声を拾っている。
「The sky is dangerous because of the Ospreys; the water is dangerous because of PFAS」
(空はオスプレイのせいで危険、水はPFASのせいで危険」

その通り。
さらに「街は米兵のせいで危険、辺野古は暴走ダンプトラックのせいで危険、土の中は不発弾のせいで危険、離島は自衛隊のミサイル・弾薬庫で危険」と、みつきは付け加えておく。

ヤマトンチュには想像できんだろ。

8月某日
三田誠広「僕って何」(1977、河出文庫、芥川賞受賞作)読了。
高校生時代に読んだ時は、東京の大学って怖いさー、って思ったんだけど、桐山襲を、樋田毅を読んでしまった今、なんか主人公をひ弱に感じちゃった。
なんとなく誘われて革マル派に入っちゃった孤独な僕は、情宣部の先輩女子大生と同棲を始めちゃったんだけど、オルグされて全共闘に共感して革マルを抜けた。
だけど、全共闘で疎外感を感じて、自分の居場所はどこ? ってフラフラ都会をさまよった末に戻ったアパートではお母さんと彼女が僕の帰りを待っていて、それをこそばゆく思ってしまう僕って何?
そんな「僕」って、ノンポリと心情三派の間で揺れ動いていた一般学生の象徴だったんだろうか。

8月某日
お盆休みでぼんやりしていたら、
「岸田、自民党総裁選不出馬」というニュースが飛び込んできた。

ロクデナシ(安倍晋三)の次が
ロクデナシ(菅義偉)で、その次がまた
ロクデナシ(岸田文雄 )で、次はどんな
ロクデナシが来るんだ?

8月15日の東京新聞には「ポスト岸田」として6人のガン首写真が載っている。
石破茂、茂木敏充、高市早苗、河野太郎、小泉進次郎、小林鷹之。
ため息しか出ない。
ミリオタ鉄面皮・唯我独尊の石破はデージイヤ。
辺野古反対の自民党沖縄選出議員に容認転向を強制した独裁ぶりは今でも許せない。

安倍直系・ネトウヨ・レイシスト・ネオナチ激推しの高市もゲキイヤ。
こんなのが総裁・首相になったら、国民は戦争に駆り出されて殺されることになる。

マイナ強行・ヒト小馬鹿のブロック魔太郎もガチイヤ。
国会でも記者会見でも質問にまともに答えたことがないコミュ障で、自分のオツムの中だけで論理完結してそれを押し付けることしかできない男。

言ってることが意味不明・父譲りの横暴進次郎、石丸もどき(もう消えてくれたか)のぬるぬる冷笑系カルト極右プチ安倍気取り小林、エリート臭プンプン市民を薄目で見下(くだ)している茂木もシニイヤ。

自民党は「他に適当な人がいない」と岸田が不人気でも首相を続けていたため、「人材払底」なんて悪口を言わているが、いやいやロクデナシの宝庫ですよ。

総裁選のマスコミ騒ぎでイメージ一心を目論んでか、自民党は調子に乗って歴代総裁の顔をずらり並べたポスターを発表したけれど、女性タレントの放ったひと言「おじさんの詰め合わせ」は的を得すぎていて大笑いした。
口の悪い私なら「ならず者の詰め合わせ」ぐらい言っちゃうけどね。

戦犯妖怪阿片窟・犯罪者・裏金・カルト・金権ブルドーザー・暗愚・ボンクラ・アンパン・あーうー・変な声、妾持ち・ロンヤス大勲位・鉄仮面・サメの脳みそ・ゴルゴ気取り・昼あんどん・変人……よくもまあこんなのばっかり。
あ、ひとりだけまともなのがいた。
河野洋平。首相にはなれなかったけれど、従軍慰安婦の日本軍による強制連行をきちんと認め謝罪したんだった。彼はこの一点だけで評価できる。
ま、息子の魔太郎がロクデモナイことばっかりやらかしているからねー。叱ってやってくださいよ。

岸ダメの三年間を総括するのにぴったりの言葉を泉房穂元明石市長がかつて言っていた。
よく覚えておこう。次のロクデナシも同じことをするだろうからね。
「岸田政権は国民の首を絞め続けている」(2023年12月7日、東京新聞)

ここで一句。
「自民党潰れた方が国のため」

8月某日
きょうはめでたい終戦記念日(本当は敗戦記念日)

8月は、かつての大日本帝国が始めた侵略戦争に思い致し、再び権力者が紛争を解決する手段として戦争を選ぶことを許さず、兵隊として戦わされることを拒否する決意を日本人に固めていただく月です。

戦没者追悼式での岸ダメ首相の式辞が原爆の日コピペあいさつ以上にひどかった。
「先の大戦では、300万余の同胞の命が失われました」
まるでどこかの誰かが始めた戦争でたくさんの日本人が死にましたと、まるで被害者のような口ぶり。
「日本が始めた侵略戦争のせいで」とはっきり言いなさいよ、岸ダメ。

東京新聞は「今年もアジア諸国への加害責任には触れなかった」(8月16日付)と伝えた。
日本軍に殺されたアジア・太平洋諸国の犠牲者は2000万人超だ。
このことには一言も触れていない。当然、謝罪もない。
加害を直視せずに被害者ヅラで「平和」を唱えられても響かない。
ナルヒト天皇が「深い反省」と侵略・加害を詫びる気持ちをにじませていのがせめてもの救いだ。

それにしても、各種追悼式典での首相のあいさつってのがどれも一様につまらない、中味がない、聞いててあくびが出る。
毎回、毎度のコピペコピペ(安倍晋三時代から始まったらしい)。誠意がこもってない、ありきたりの文言の羅列だからだろうね。
小中学生によるあいさつの方が、よっぽど立派で真っ当で、心に響きます。

ところで、首相や自民党政治屋の被害者ポジション前面押し出しってのは、多くの日本人にも共通するものなのでは。
原爆や大空襲、ソ連参戦、特攻自爆攻撃、大和轟沈、シベリア抑留、満州引き上げ、飢餓などなどって、当事者は酷い目に遭っているからまだ理解できるとして、それ以外の外野には日本軍の加害(虐殺強姦拷問略奪放火無差別爆撃玉砕強制奴隷労働等)を意識せずに被害者の側に身を置いて自己憐憫・自己陶酔できる究極のネタなんでしょう。

そんな彼らにとっては、加害を思い起こさせる反戦平和の声、沖縄・中国・韓国・アジア太平洋諸国の告発の声は邪魔なのだ。

ネットでこんな記事を見つけた。
なぜ日本人はアンネ・フランクに魅せられるのか」(「戦争を語るブログ」)

日本人の「過大な被害者意識」と「ほぼ絶無な加害者意識」について、アンネ・フランクを絡めて的確に解説しているイスラエル・ハーレツ紙の記事(2014年1月22日付)を紹介している。

「広島や長崎で戦争の究極的災禍をこうむった自分たちの立場をユダヤ人とおなじにとらえ、大戦の被害者としてアンネに共感している。その反面、同時期に日本が中国などでおこなった暴虐、日本軍によって無数の『アンネ・フランク』が造りだされた事実、たくさんの市民をレイプし虐殺した事実には目を向けることをしない」
こういう論評を日本の新聞でも読みたいものだわ囧r

みつきが昔読んだ川柳を一句。
「玉音に泣き崩れしあと皆笑顔」
庶民の本音です。
もう一句。
「うなだれる男根のごと敗戦忌」
軍国主義者ども。
だけど喉元過ぎればで、自決もせず(責任も取らず)、しれっと生き残り、首相や大臣、伊藤忠の会長になった方々もおりましたねえ。
(上記の二句は拙著「毛遊び」収録)

と、ここまで書いていたら、
「靖国神社にまた中国人が落書き」のニュース。
さっそくアホウヨが民族差別、民族憎悪のネタにしてネットを荒らしている。
被害者ポジを前面に出して、日本メディアも騒いでいるが、アメリカのメディアは書くべきことを書いているよ。
20日付の星条旗紙に載ったAP通信の記事。
「Japan shrine honoring war dead, including convicted war criminals, vandalized again」
(有罪判決を受けた戦争犯罪人を含む戦没者を祀る日本の神社が再び破壊される)

「破壊」は大げさだと思うけれど、靖国神社が
①戦争犯罪人を祀っている
②日本の侵略に苦しんだアジア諸国から軍国主義の象徴とみなされている
③そんな神社に政治家が参拝する
など、問題がらみの宗教法人であることをきちんと伝えている。

そもそも靖国神社やその信者(応援団)は、侵略戦争を讃美し、侵略を謝罪もしていない。
それどころか南京大虐殺も従軍慰安婦も強制労働もなかったと、史実さえねじ曲げようとしている。しかも宮司は元自衛隊員。

事実を無視してあえてそう主張しているんだから、反発や批判は覚悟の上でしょうよ。
大騒ぎしなさんな。被害者ヅラしなさんな。差別をあおる材料になんてしなさんな。

要は器物損壊の罪(最大懲役3年及び罰金30万円)で処罰すればいいこと。
それ以上でも以下でもない。

15日、ガザでシオニストに殺されたパレスチナ人が4万人を超えた。そのうち子どもの死者は1万6000人超。
メディアはイスラエルとガザの戦争と伝えているが、これは一方的な虐殺だ。

8月某日
台風一過、猛暑戻る。
台風7号が房総沖を通過。秋の空気に入れ替わるのでは、という期待はあっという間に吹き飛んだ。
げんなり。

通勤路にある空き家を覆い尽くしたノウゼンカズラの毒々しいオレンジ色、80年代あたりに建てられたアパートの解体現場に漂う土ホコリ臭、前を行くあるいは向こうからやってくる歩きスマホ・歩きタバコのオヤジや若者、ながらスマホ・ながらタバコの自転車野郎、生活道路を我が物顔で突っ走る腐れドライバー……どれもこれも暑さを倍加させる。
朝からうんざりんこちゃんな毎日がいつまで続くのかしら。

8月某日
20日、防衛省、辺野古基地建設埋め立て工事で、大浦湾への杭打ち開始。
海底70〜90メートルのマヨネーズ地盤に対応するため7万本以上の杭を打ち込むんだってさ。
おそらく辺野古基地は10年、30年経っても完成しないでしょう。
仮に完成したって絶えず地盤沈下対応が必要になる使えない基地になる。短くて凸凹な滑走路、台風が来たら崩落する滑走路……。
米軍だって「こんな基地いらない」と言ってくるでしょう。
すでに米軍司令官は「辺野古基地ができても普天間は返さないよ」(メディアとの会合で。8月13日付東京新聞)と明言、シグナルを出しているんだけれどね。
それでも「やめられない止まらない」カッパえびせん並みの脳みそで自公政権は突っ走っている。
かくして我々の税金2兆円超が垂れ流され続け、土建屋と、そのおこぼれを吸い上げる自民党の政治屋どもが半永久に肥え太り続けることになる。

8月20日付の東京新聞「発言欄」にこんな投書が載っていた。
「セクハラ、パワハラ、カスハラなどのハラスメントが世の中を騒がせています。さて、国民全般が望まない法律を強要するのは、政権によるポリハラ(政治的嫌がらせ)ではないでしょうか」
なるほど。

裏金自民党・カルト公明党政権がやっているマイナ保険証ゴリ押しだの、辺野古基地工事強行だの、ポンコツ&デンジャラス原発推進だの、憲法改悪策動だの、強欲資本屋・富裕層優遇だのだの、みーんなポリハラだったのだ。
あらゆるハラスメントは世の敵。遠慮なく糾弾し消し去りましょう。

同じ日の東京新聞。
フランスの映画俳優、アラン・ドロンさんが亡くなった。88歳。
美しい俳優だった。
大ファンだった母の影響で、みつきも大好きだった。

「太陽がいっぱい」(1960)
金持ち坊っちゃんの使いっ走りをやらされながら、その金持ちを殺し、カネも彼女も奪っちゃうギラギラしたエネルギーに脳天を撃ち抜かれた。ニーノ・ロータのあの哀調を帯びた音楽を聴くと、みつき濡れちゃうの。
「冒険者たち」(1967)
無精髭のドロンが新鮮だった。口笛の音楽が悲しい。
「ボルサリーノ1、2」(1970、1974)
眉間にシワを寄せてマシンガンを持つドロンが格好良すぎて痺れた。「眉間にシワ子」なんて陰口されているみつきからすると、ドロンずるい、って思っちゃった。音楽はノリノリ。
「暗殺者のメロディ」(1972)
ソ連の革命家、トロツキーを暗殺するサングラスのドロンが怖かった。
「暗黒街のふたり」(1973)
ムショ帰り、妻のために更生を誓うドロンだが、結局犯罪者に逆戻りしてしまう。ラスト、ギロチン台に引っ張り上げられるドロン。その後の息つく間もない流れに心臓が止まりそうになった。
「ゾロ」(1975)
軽快なメロディーに乗って颯爽と悪者を退治する明るいドロンにうっとりしたものでした。

アラン・ドロンはインドシナ戦争を経験している。こんな言葉を残している。
「ぼくは二十一歳で奇跡的に帰還したんだけど、こんな苦しみは顔だけ見たのではわからない。人殺しのためにインドシナに行っていたなんてことはね」
 (世界映画俳優全史 男優編」=教養文庫、1977)
彼の表情にそこはかとなく漂う暗さは戦争が原因だったのだろうか。

ところで、ドロンというと、若気の至りで、職場のアラン・ドロン似の素敵なおじさまに恋したことがあったっけ。
すったもんだの末になんとか収まるところに収まったんだけど、ま、いい思い出だわ。
(眉間にシワ子、おじさまへの恋情については「みつきの微笑みがえし」を読んでね。R18やんどー)

ドロン様に黙祷。

8月某日
夏の甲子園高校野球が21日に終わった。
京都国際高校が関東一を破って初優勝。
京都国際2−1関東一。
延長10回、決勝初のタイブレーク制す。

ところで、
負けた関東一に準々決勝で負けたのが東海大相模。
東海大相模1−2関東一。
子どもの頃、
東海大相模のことを、ずーっと
東海大相撲と思っていたんだよねえ。

なんてどうでもいいことを思い出していたら、
優勝した京都国際にヘイト書き込みが殺到しているんだって。
なんなんだ。
前身が京都朝鮮中だからか? 校歌がハングルだからか?
醜いヘイト日本人が群がっているサマには反吐が出る。パッチギられて粉々に粉砕されておしまい! 恥を知れ、恥を。

こんな最底辺のヘイト連中がのたくるクズピラミッドの頂点にいるのが、安倍晋三某に連なる自民党極右とその取り巻きの右巻き連中だ。
ドブ水の中でぶくぶくと毒を吐いている杉田某だの小野田某だのコバホーク某だの百合子某だののレイシスト政治屋に、櫻井バサマだの百田某だの門田某だのの右巻き駄文書きらの差別言動が底辺のレイシストらをつけ上がらせているんだよ。

日ごろから日本すごい、偉大な国ニッポンポン!(汚い唾を飛ばすな!)だの、美しい国だのとのたまわっている方々って、自らのグロテスクな姿・言動が逆に日本を貶(おとし)めていることに気づいていないのかしら。
まっ、気づいてないから、今いるその底辺にトグロを巻いて安住し、便所の落書き以下のヘイトを撒き散らして、俺ってすごくて美しいニッポンポンのニッポンポン人、ニッポンポンサイコー俺様サイコーなんてご満悦で毎日過ごせているんだろね。

田中美津さんの受け売りではないけれど、こんな連中は「日本人であることにすがる以外、自己肯定感を持つことができない」哀れな方々ってカテゴライズして間違いないですね。
おとなしく自宅のトイレにでもこもってシコってれ、クジってれ。
さわやかな球児の熱戦を汚してくれるな!

京都国際の校歌に手拍子で応じる関東一応援団、それに応えて京都国際ナインは関東一のアルプス席に一礼。
高校生は立派だ。

8月某日
23日のカマラ・ハリス副大統領の民主党大統領候補受諾演説、久しぶりなまともな政治演説を聞いた。

「Simply put: They are out of their minds. Why exactly is it that they don’t trust women?  They don’t trust women. We trust women」

 このくだりには思わず拍手をしてしまったよ。
「端的に言って、あの連中は、頭がおかしい。一体全体どうして、彼らは女性を信用しないのでしょう。私たちは、女性を、信用します」
(英文はニューヨーク・マガジン、日本語はBBC参照)

ガザ虐殺への対応や、在沖米軍問題(辺野古基地、米兵による性加害など、彼女の耳に入っているかしら)への対応など、今後を見ないと分からない政策もあるけれど、「Weird(気持ち悪くて)」「unserious (軽薄)」なトランプよりは1000倍、万倍もマシだから、ハリスさんを応援するよ。

しかし、ベイビー・トランプちゃん、バイデンをおいぼれ呼ばわりしていたら、一転、自分がおいぼれになり、犯罪者の振る舞いを知り尽くす元検察官・ハリス氏に「この手の男のやり口はわかっている」とあしらわれ、軽薄トランプとミソジニー・バンス、ウィアードなネトウヨに残されているのは、左翼呼ばわり、レイシズム・セクシズム剥き出しの罵倒ぐらいだな。

9月のテレビ討論会は正真正銘、検察官対犯罪者だね。

8月某日
月曜日。仕事帰りに家の近くのジュンク堂で文庫本2冊購入。
職場で読んだ朝日新聞に載っていた集英社文庫8月の新刊広告で興味を持った「あなたの隣にある沖縄」(澤宮優氏、770円)。
「実家の熊本の庭にあるブーゲンビリアの花」が沖縄につながっていたことから始まるノンフィクション。
読むのが楽しみ。

いま読んでいる石川逸子さんの「オサヒト覚え書き追跡編 台湾・朝鮮・琉球へと」が読み終わったら読む。
(と言っても、この「オサヒト」、ただならぬことが書いてある本。じっくり読み込ませる内容で、少し時間がかかりそうなのよねえ。なにしろ本の帯には「反帝ドキュメンタリー・ノベル」とありますから。ワクワク。読了後には日記に感想を書くつもり。ちなみにオサヒトとは明治天皇の父。「尊王」を掲げた明治政府に殺されたといわれる人です)

もう1冊は「沖縄密約 ふたつの嘘」(諸永裕司氏、880円」。
「ほかにどんな本があるかしら」と集英社文庫の棚を眺めていたら飛び込んできました。
あの「沖縄返還密約」をすっぱ抜いた、私の尊敬するジャーナリスト西山太吉(元毎日新聞記者、1931−2023)さんの足跡を追ったルポ。
2023年に亡くなってしまったけれど、存命中の2000年に、政府が否定した「密約」が米公文書で裏付けられたのは本当によかった。
西山さんがモデルの山崎豊子の長編「運命の人」(文春文庫、4巻)は夢中になって読んだっけ。返還密約を暴くまでの取材の様子はサスペンス。機密漏洩教唆の罪で逮捕されてからは法廷ドラマ。無罪判決からの有罪確定、その後の沖縄への移住、米兵少女レイプ事件へと物語は広がっていく、重厚重層な展開はさすが山崎豊子。大長編を一気に読ませる。
なお「筆すけべ」って言葉は、この本初めて知りました。

ちょっとわき道にそれちゃったけれど、
「ふたつの嘘」は西山氏ではなく彼の妻と弁護士に焦点を当てている。
新たな視点から、知られざるどんなドラマが浮かび上がるのか。
4月の新刊だった。見落としていた。

「あなたの隣」の次に読む。積読にはしないぞ。
と、積読の山を眺めつつ。
なお、李琴峰さんの「言霊の幸う国で」、今回も見つからず。
取り寄せてもらうしかないかな。ネット注文はしたくない。地元の本屋さんを応援するためにもね。ネット利用はよっぽど欲しいけど本屋では手に入りずらい本とか、レジに差し出すのがちょっぴり恥ずかしい本とかに限られる。

この日、原子力規制委員会が「敦賀原発2号機は新基準に不適合」と決定、事実上の廃炉を日本原電に突き付けた。
極めて真っ当。なにしろ原発直下に活断層があるんだぞ。こんな原発いらん。

原電はこれまで規制委に出すデータを改竄したり捏造したり、デタラメの限りを尽くしてきた。反省しろ。
この原電、茨城県に東海原発を持つ。ここでも防潮堤の手抜き工事が発覚して作り直しを命じられている。東海原発が爆発したら関東終了だぞ、みんなの大好きな偉大なる祖国ニッポンポン終了だぞ、いいのか。
福島原発を爆発させてニッポンポンを破壊させかけた、溶け落ちた核燃料デブリをいまだに耳かき一杯分すら取り出せない東電同様、原発運用の資格はない。

そもそも原発いらない。
2011年の原発爆発・放射能大拡散以来、13年もの長きにわたり一大経済圏の首都圏は原発の電気なしでやってきている。今年の発狂猛暑だって乗り切っているぞ。
世界は再生エネルギーに舵を切ってどんどん技術力を高めているのに、わが世界に冠たるニッポンポンは原子力に固執し、再エネで大きく遅れをとっている。バカの所業でしょ。

 8月某日
「旧日本軍が夜間に民間人を前線で歩かせ、私たち米軍部隊に攻撃させたのです。その後、女性や子どもの悲鳴が聞こえた。私たちに攻撃させ、その銃撃の光で米軍部隊の位置を確認するのが、旧日本軍の狙いでした。民間人を盾にするなんて。彼らは戦争に巻き込まれるべきじゃない。何もかもが狂っていました」
8月27日付東京新聞「101歳元米兵 戦場回顧 沖縄の住民 軍が盾に」

沖縄戦のことは勉強しているほうだと思うけれど、知らない事実が後から後から出てくる。
メディアはどんどん掘り起こして欲しい。残された時間は少ない。

同じ日の東京新聞。
「NHK、視聴者に謝罪放送 中国語ニュース発言巡り」
ウヨ界隈がまたぞろ大騒ぎしている案件か。
なんでもラジオの中国語ニュースで中国籍の外部スタッフアナウンサーが原稿にはない発言をしたんだって。
何を言ったのか。
「尖閣諸島は中国の領土」
「NHKの歴史修正主義宣伝とプロフェッショナルではない業務に抗議します」
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」

彼の言っていることは正しい。
「尖閣」を除いて。
尖閣は日本でも中国のものでもない。
沖縄の、琉球国のものです。

にしても、私からすれば、テレビで専門家もどき・文化人もどきタレントらのコメンテーターが ♪まいにちまいにち 垂れ流しているヘイトまみれ・差別まみれ・自民御用まみれ発言の害悪の方が問題だと思うけれど、いかがかしら。

やはり27日の東京新聞から。
「勤務時間外 職場からの連絡無視は労働者の権利」
オーストラリアで法律が施行。
サービス残業をなくし、ワークライフバランスを保つのが狙い。
ワット雇用相は「労働者を時間外に無給で働かせてはならないことは議論の余地がない」

「うらやましいなあ」
なんてことをSNSで発信するとニッポンポン大好き連中から「なら日本から出ていけ」という王八蛋(ワンパターン、馬鹿の一つ覚え。本来の中国語の意味は「馬鹿野郎」)な反応が必ず返ってくる。
余計なお世話だ、なんでどこの馬の骨かも分からんお前らから言われなければならんのだ。お前らに指図されるいわれはない。納税の義務は果たしているんだから、日本にいようが捨てようがこっちの自由だ。
なんて反論しなけりゃならんくてめんど臭いから、ここに書いているんだけどね。

しかし、そんなに日本っていい国か?
ここ数日、東京新聞がこんな記事を載せているぞ。
「引越し大手のサカイ引越センターが不当に安い賃金で作業員・ドライバーを働かされている」
給与制度をこねくりまわして本来は割増しなければならない残業代を逆に減らして1時間700円でこき使っている。
従業員が裁判を起こし高裁段階までサカイに勝訴。サカイに正当な残業代の支払いを命じたが、サカイは最高裁に上告している。
サカイ広報は「コメントを控える」と最近流行の定番取材拒否コメント。

「宅配最大手ヤマト運輸 倉庫作業の熱中症対策求め従業員がスト」
ヤマトは職場の倉庫の気温が40度を超える中で働かせている。従業員が対策を求めたら、翌日に気温計を取り外しちゃったって。底意地の悪いことをする会社だ。
従業員は①倉庫内で配達車のエンジンを切る②気温・熱中症の危険度を示す暑さ指数「WBGT」の記録③ファン付き作業服、首に巻く扇風機の支給、を求めている。
ヤマト広報は「コメントを差し控える」ってサカイ同様、木で鼻をくくった対応。
クロネコには宅配を頼みたくなくなるよね。
ちなみに佐川急便は、ファン付き作業服を導入しているという。
トヨタ絶望工場ならぬクロネコ絶望配送倉庫。

こんなブラック企業だらけ、強欲企業だらけの日本が、そんなにいいのか?

8月某日
きょうの「虎に翼」(第22週「女房に惚れてお家繁盛?」第108回、28日)にも、はたとひざを打つセリフ。
朝見て昼見て夜も見た。
出勤準備をしながら、会社の休憩室で、録画したのを部屋でゆっくり。

男子中学生「女性は働かなくてもいいんだ。そっちの方が得だろ?」
小橋「できる男と比べられるのも嫌なのに、さらにできる女とも比べられる。頑張らなくてもいいのに頑張る女たちに無性に腹が立つ……平等ってのはさ、俺たちみたいなやつにとって、確かに損なところもたくさんある。でも、そのいら立ちを向ける時、お前、弱そうな相手を選んでないか? この先どんな仕事をして、どんな人生を送ろうと、弱そうな相手に怒りを向けるのは、何にも得がない。お前自身が平等な社会を拒む邪魔者になる、嫌だろ?」

学生時代、寅子たちを「魔女部が来たー」とか言って先頭に立っていじめていた小橋が何気にいい事を言ったと思ったが、それは男同士の、弱者男性の慰め合いみたいなもので。
そのあとすぐに、妊娠が分かった判事補・秋山は寅子に向かって
「平等なわけないです。男と女のつらさをひとくくりにされたくない。……自分でやっと切り拓いた道を自分で閉ざさなきゃいけない」
と嘆く。

最近、ネット上で「それは男性差別だー」なんてイチャモンを、声を上げる女性たちに浴びせるケースが散見される。
けれど、そんな彼らは、先の二人の男同様、女も同じ土俵に乗っていると思っている。
多くの女は、そのさらに下に置かれているという現実に気づいていない。秋山はそのことを指摘している。

女性に勉強で、仕事で敵わない、あるいは恋愛で相手にされない、と不満を募らせ、その不満を、まさに小橋が言ったように「弱そうな相手」=女性に向けている。向けるのは(剥けるのは)皮だけにしとけ、っての。

「男性差別」を言い募る男の思考回路はよくわからないけれど、被害者感情をこじらせてミソジニー、レイシストに転落しているんではなかろうか。
それで女性をバッシングして見下(くだ)して溜飲下げている。

違うだろ。女性は、むしろ共闘すべき相手だろ。

そもその「男性差別だ」なんて言葉を吐いちゃう弱者男をつくりだしているのは、男社会ではないのか。
男同士の競争に敗れたり、チン長で負けたり、男同士で徒党を組む群れに入れなかった結果じゃないのか。
男社会のお仲間サークルから弾き出された自分。それを認めると男の股間、もとい沽券(こけん)にかかわるからと、「働かなくてもいいのに」「勉強しなくてもいいのに」と勝手に思い込んだ挙句、頑張っている女性をバッシングしているんじゃないのかな。

「男性差別」なんて言葉が意味を持つようになるのは、ジェンダー平等が実現した後だよ。あるいはアマゾネスか女護が島の世界になってからだよ。
「弱者」の同志よ。目を覚ませ! 女性と団結せよ! ってあじりたくなるよ、まったく。

8月某日
あー、時間が足りない。容量が足りない。どうしましょう。
DVDレコーダーの録画容量がついに30ギガを切っちゃったぞー。
うちのレコーダー、東日本大震災の一週間ほど前に買った容量500ギガのソニー製。
もうDVDディスクの再生はおぼつかなくて(機嫌がいいと見れる)、録画視聴専門になっているんだけれど。
消したくない映画・ドラマに加え、新たに録画した映画・ドラマがどんどんたまっていく。
ドラマはすぐに見るんだけれど、映画は長尺で休日にしか見れないので、「見て消して」が追いつかない。
結果、残量30ギガ切り。

ドラマはいま、「虎に翼」「ちゅらさん」「新宿野戦病院」「あの子の子ども」「サバエとヤッたら終わる」を録画中。
ちなみに「ちゅらさん」に看護婦長役で出ている戸田恵子さん、声を聞いているとアンパンマンの顔が思い浮かんでしまうんだよねえ。
映画はNHKBS、BS松竹東急、BSトゥエルビ中心に。
あと「名著で100分」(ママ)も毎週録画している。

ドラマは見たら即消すけれど、映画が難しい。
この映画は絶対、私の興味、ハートを射抜いて保存したくなる、って作品ほど見るのが後回しになる。
それがきつい。見たいけど見たら保存したくなる。すると容量を減らせない。
で、見たら消せる(と思える)作品から見ていくことになってしまう。

ちなみに、以下が見たいけど見れない映画作品リスト(8月末日現在)
「さかなのこ」
(のんさん押しなのです)
「カルメン故郷に帰る」
(高峰秀子さん、でこちゃんの丁寧な生き方は手本なのです)
「トランボ」
(ハリウッドの赤狩りはかねて興味を持つテーマ)
「いちご白書」
(学生運動。いまはもう失われてしまった? 若者の一途さ)
「眠狂四郎」シリーズ
(市川雷蔵様の冷たい目に見下(お)ろされたい。一部既見)

すでに保存している映画は、
「ブルースブラザーズ」
(アメリカ人の笑いのツボが!)
「レ・ミゼラブル」
(立ち上がる民衆にエール!)
「ミッドナイト・イン・パリ」
(ウッディ・アレン監督。往年のパリにタイムスリップ)
「あゝひめゆりの塔」
(吉永小百合が沖縄に覚醒)
「ひろしま」
(被爆者が多数出演)
「ホテル・ハイビスカス」
(あまちゃんのキャンちゃん蔵下穂波が主演。1980年代の沖縄)
「那覇NAHAなーふぁ!」「ロクな人生」
(エリーのニーニー、ゴリさん監督)

ドラマは単発ものを主に保存。
「悪女について」
(有吉佐和子の原作は大好き。田中みな実主演。この9月公開の長澤まさみ主演「スオミの話をしよう」って、ちょっと似ている気がする。一人の女と関わった男たちの語る女の素顔が全然違うというところが)

「フェンス 第1話ユクサー」
(米兵に性的暴行された女性と取材する女性を軸に、沖縄の抱える苦悩を描く。WOWWOWドラマ。第1回だけ無料視聴できたので録画。ギャラクシー賞テレビ部門大賞など受賞。Spotifyで聴いているラジオ沖縄「ティーサージ・パラダイス」のひーぷー(真栄平仁)さんがちょい出演しているとの噂。第1・2話シナリオ収録の「月刊ドラマ」2023年5月号、買っててよかった)
「ちむどんどんスペシャル」
(朝ドラ。復帰50年記念ドラマ。黒島結菜ちゃん主演。こちらも第1・5週全10話シナリオ収録の「月刊ドラマ」2022年10月号保有)
「ふたりのウルトラマン」
(ウルトラマンなどの脚本は大半を金城哲夫、上原正三が、ウチナーンチュが書いていたのだ。二人に焦点を当てたドラマ。金城哲夫シナリオコレクション「ウルトラQ+ウルトラマン」「ウルトラセブン」(ともに復刊ドットコム)。当然持っています。ウルトラシリーズに幼少から馴染んできたヤマトンチュのみなさん、これも「あなたの隣にある沖縄」ですよ、気づいて区ださい)
「30分まるごと でーじミーツガールSP」(アニメ。90秒のショートストーリー12話をまとめた完全版)
「雪国」
(NHK。川端康成没後50年記念ドラマ。高橋一生、奈緒、森田望智。「この指が覚えている」って、何を? どこを?)
「スペシャルドラマ おもひでぽろぽろ」(NHK。松坂慶子、杏。実写版)
「津田梅子 お札になった留学生」「エアガール」
(広瀬のすずちゃん。神宮外苑など自然破壊・遺構破壊再開発で悪評紛紛の三井不動産のCMから降板したらファンに復帰予定)
「戦争童画集 75年目のショートストーリー」
(NHK。戦争を語り継ぐオムニバス。山田洋次演出。長澤まさみ、蒼井優、黒島結菜、橋本環奈、吉永小百合)
「天城越え」
(NHK。1978年の和田勉ドラマ。鶴見慎吾が子役、佐藤慶が土工、大谷直子)
「ファーストラブ」
(NHK。島本理生原作。父殺しの女子大生・上白石萌歌と臨床心理士・真木よう子)
「てっぱん 138話」
(朝ドラ。瀧本美織。東日本大震災発生当日の2011年3月11日朝録画。絶対消せない。この日を境に世界が一変した)

良質なドキュメンタリーも保存。
「我ら復帰っ子 おきなわ50年目の同窓会」
「久米島の戦争」
「マリリン・モンローとハリウッドの闇」
「Nスペ 証言沖縄返還史」
「クロ現 50年前の沖縄にタイムトラベル」
「あさま山荘事件 立てこもり100時間の真相」
「いのちが大丈夫であるように 沖縄・夜を生きる少女たち」
「戦場に消えた住民 沖縄戦 知られざる従軍記録」
「映像の世紀 中国  革命の血と涙」
「原発事故 最悪のシナリオ そのとき誰が命を懸けるのか」
「沖縄が燃えた夜 コザ騒動50年後の告白」「君が見つめたあの日のあとに 高校生の沖縄復帰50年」
(上記2作品は吉岡攻ディレクター。取材の成果はテレビだけでなく、著作にもまとめられている。「うちなー世 書を捨て、まちに出た高校生たち」は「2023年わたしの5冊」のうちの1冊)
「沖縄 出口なき戦場」
「その時 沖縄は沸騰した 日米地位協定の波紋」

全部、NHK。さすがだ。
政治報道は権力御用化しているけれど、良質なジャーナリスト、製作陣は健在。圧力に負けず頑張って欲しい。

ということで、
時間が欲しい。容量が欲しい。
積読ならぬ「積録」にならぬようせっせと見ねば。本も読まんといけんしデージ時間欲しい。

ところで台風10号「サンサン」はどうなった。いつの間にか熱帯低気圧になっちゃったね。この迷走ノロノロ大雨台風のせいで、今週は仕事もプライベートも全く予定が立てられなかったぜよ。

それにしても、
ひと月のうちに、
午前4時半には明るくなり、
セミが律儀に鳴き出していたのが、
午前5時過ぎまで明るくならず、
セミに変わって秋の虫の音。
早朝に窓を開けると、
むわっとした空気が
べとりと肌にまとわりついてきたのに、
そよっとした空気が
さらりと肌を通り過ぎていく。
日中の残暑も、
もうしばらくの辛抱我慢。
ああ、やしが今月の電気代がデージ怖い。

気象庁によると、東日本の今年6〜8月の平均気温は平年を1・7度上回り1946年の統計開始以降、昨年と並び最も高かったとそう。東京都心は26・9度で平年より2・1度増、観測史上3位(最高は2010年の27・1度)。
「マーベラス……」(ダーティー・ハリーの口癖、やれやれ=村上春樹流翻訳)な8月でした。

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