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タニグマー小説集2

16
短い! 早い! すぐ終わる! 短小(タニグマー)小説です。すみません。
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#ショートショート

散歩

散歩

風がさわやか。家族で散歩に出かけた。小さな公園に向かう住宅街の狭い道。

パパ「車が来たよー、はじに寄ってー。ほら、危ないからねー」
車が通り過ぎる。
ママ「怖かったねー。車や自転車は怖いですよー。だから言うことを聞きいてねー」

二人は、イヌに言った。

ママ大嫌い!

ママ大嫌い!

「ママ大嫌い!」が口癖の、
もうすぐ六歳の長女。
祖父母の家で初めての、ひとりお泊まり。
元気に遊び、ママの監視がないのをいいことにYouTube見放題だったそう。

でも、
ご機嫌だったのは夕飯まで。
寝る時間になると、心細くなったのか、泣き始めたのだとか。
祖父母がなだめても、
「ママはどこ? ママがいいよー」
と涙が止まらない。
そのうち泣き疲れて寝てしまいましたとさ。

やっぱりママが大好

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寝室

寝室

夜中。
隣に寝ている愛しい人が、
くっ、くっ。
くしゃみを2度我慢したあと、
ぷぅ。
小さなオナラをした。
私は、笑いを堪え、体を震わせた。

愛しい人は寝息をたてている。
私は、愛しい人に脚を絡めた。
あったかい。
突然、
ひえええー。
愛しい人の叫び声。

そーです。
私が、冷え性なんです。