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デザイン,reデザイン?

こんにちは!
もう今年も2ヶ月だと思うと、
月日の速さにゾッとしたりします。

隠岐の海士町も、
寒かったり暑かったりを繰り返しながら、
冬にむかっていきます。

もっと四季や日々の変化を楽しまないとな、と、
多忙な日々を送りながら考えています。

そのスピードは年々早くなっていくとおもうので、
10年後にはもっと早くなっているんだろうな。。。

10年前とは違う世界に生きているような変化の速さは
デザインにも影響しているなと考えたりしています。


デザインの変化

今月は何を書こうかなとずっと考えていたのですが、
デザインの仕事というものを見直してみようかなと思いました。

というのは、
最近、自分でデザインするということより、
誰かにデザインを考えてもらう(伝える・教える)
ということが増えてきたなと感じているからだと思います。

10代の高校生にデザインの授業をしたり
20代の若者にデザインを教えたりしているからかもしれません。

僕がいままで経験してきたことで、
これからの時代や世の中で使えることはなんだろうと
考えながら伝えていますが、難しい。笑

実際、10代、20代、もちろん年配の方から学ぶことも多く、
一緒に考え作ることで、自分のアイデアやデザインの幅が広がっていると思います。

そんなお陰で、これからのデザインを考える良いきっかけになりました。

ということで、
今回はデザインの話を、
今なんとなく思っていることで書いてみようかなと思います!


歴史を掘り返してみる

時代の変化を考えるために、ちょっと振り返ってみます。

20年前、僕がグラフィックデザインを始めた頃は
デザイン(制作)は、DTPになっていました。
パソコンを使ってデザインができる時代。
その前は写植で文字を組みかえたりする活版印刷。
そのもっと前は木版などのFIXしたものを版画で印刷していたと思います。

3大発明だと言われている印刷技術。
なぜ、火薬や羅針盤と並び、3大発明と言われるほどの発明なのか。
鉄器や電気など、たくさんの発明品があったはずなのに。

それはきっと、情報の拡散ができるようになったからですよね。
印刷技術がない時代の情報伝達は壁画や口伝などだったと思うのですが、
印刷によって、紙さえ刷れば爆発的に情報の拡散ができた。
それによって一部の人しか知ることのできなかった情報を拡散し、
情報の民主化ができたんだろうなと。

情報によって利益を得たり人の行動を変化させることができるから、
大きな発明に選ばれることになったのだと思います。

今までは印刷技術を持ったり利用したりできる人だけが
そのメディアやを通じて情報の拡散ができていましたが、
今はその延長にインターネットができました。

紙を刷るという物理的な行為をしなくても、
紙と違って変更や修正もデジタルで可能になり、
低コストのオンラインで情報の拡散ができるようになりましたよね。

そして、SNSの登場。
だれもが簡単に情報発信ができる時代が、今。
情報の民主化がより一層進んで、子供からお年寄り、大統領まで、
だれでもいつでもツイッターなどで発信できるようになっています。
(マスメディアを介さず)

その手段も今までは、高価な印刷機や高価な機材で作っていたものも、
パソコンやスマホで簡単にできるようになっています。
また、メディアもTVからYoutubeなどへと、
一部の人しかできなかった情報発信が、誰でも簡単にできています。

そんな時代が今ですよね。
1400年代から2000年までの600年の情報拡散と、
2000年から2022年までの20数年の情報拡散。
誰でも発信できるという点で、SNSはかなり加速しています。
(情報の質は別問題としてありますが)

さて、そしたら10年後、30年後の情報拡散はどうなっているんでしょう。
情報の一層のシェア(民主化・拡散)の容易さに向かっているとしたら、
攻殻機動隊のように脳ごとオンラインにすることに
なっているかもしれませんね。

もしかしたら、シェアは収束・反転して、
一部の質の高い、オフラインのメディアに転化しているかもしれません。

それを選ぶ時代になるのかもしれません。


時代の変化とクリエイティブ

前置きが長くなってしまいましたが、
そんな、だれもが低コストで情報発信できる時代の変化の中で、
伝わるクリエイティブを考えなければなりません。

クリエイティブという点でも、
数百年前、数十年前からの常識とも今とは違っていると思います。

昔は何を作るにも高価なもの・ことだったが故に、
十分に計画を立てて、それに相応しい勉強をしたスタッフで頭をこらして作っていたクリエイティブ。
今は機材やプラットフォームメディアが安価になって、
思い立ったときに、操作すら検索して誰でも気軽にできるクリエイティブ。

きっと、一大決意と覚悟をもってクリエイターになっていた時代から、
とりあえずやってみて、面白そうだったら続けてみても良いかなという時代になっているのかもしれません。
それは、先に述べた情報発信技術とメディアプラットフォームの民主化が変化をもたらしているからだとおもいます。

メッセージを伝え、想いを届けるために、
ライフルで一撃必殺で撃つか、散弾銃で数を撃つか。
良し悪しもありますが、今は、弾が安価になって、ミスのリスクが少ない散弾銃スタイルなんでしょうね。
情報の拡散には、クリエイティブのコストはそこそこに、露出数にコストをかけるのが今なのかもしれません。

相応しいメディアやプラットフォームの状況に合わせた情報発信と、
デザインをしていかなければならない時代ですね。
そんな状況・環境を考えた上で全体をデザインして、
クリエイションしていくことが必要なんだと思います。


クリエイティブとデザイン

でも、クリエイティブは、素敵でカッコいいことに越したことはない。
バランスや色や、表現にとことんこだわることこそが
クリエイターなんだろうと思っています。

クリエイティブにおける僕の基準は、
・クライアントに喜んでもらうこと。
・世の中に浸透すること。
・自分の部屋(オフィス等)に飾りたいもの。

僕を信頼してお金を出して頼んでくれたクライアントが喜んでくれることはもちろん、そのクリエイティブがどこかに置かれて環境の一部になることだと思っています。
駅に貼り出されれば、それはその駅の一部になります。パッケージなどの商品なら商品の一部。町のポスターなら町の一部に。
自分の部屋なら自分の一部になる。だから、変だなと思うものは作れない。そこに合うものを素敵に作りたいと思っています。
そして、みた人が「いいね」と思って好きになって自分の心に浸透してくれるようなクリエイティブを作っていきたいと思っています。

ちなみに、僕の住む海士町のような小さな島では
僕の作ったポスターやチラシやパッケージなど、
町中に貼ってもらったり、
お店に置いてもらっている事も多いです。

だから、島の人にも、観光客にも、見て、「良いなー。」と思ってもらえるものを。目立つのは大切だけど、島に馴染むものを作らないとなりません。

そんな環境だから、クリエイティブは環境の一部になるって気づいたのだと思います。
もし情報溢れる東京にいたら、そんなことに気づかずに作り続けていたかもしれません。

でも、そのためには結構な苦労と努力があります。
こだわり抜いたクリエイティブは時代を超える素敵さ強さが宿ります。
そのために、1パーセントのバランスや色を見ていくのが、
デザインだったりします。
それを僕は大切にしています。

もしかしたら、散弾的な今の時代とは合ってないかもしれません。
でも、大量に出稿するからとか、
デジタル媒体でどんどん作っていきたいからとか、
コストバランスとかで、
クリエイティブは適当でいいというのは
ちょっと考え直してほしい。

世に出たクリエイティブはそこの環境の一部となりますから。
大量に出稿するなら余計素敵なものにしてほしいですよね。特に紙媒体の場合は。

デジタルでも一緒で、ステキなものなら見たくなるし、心に残るし、シェアしたくなります。

情報を心に残す事のためにデザインをしていたなら、
情報を心に残すために大量に出稿するのも一つの手です。
情報を心に残すために素敵なクリエイティブも必要です。

クリエイティブのバランスは変化し、
時代と共にそれに合わせていく必要があって、
それこそがデザインなのかもしれません。

webのようにデジタルで修正が容易だからどんどん出す。
紙で刷り直せないから、隅々まで確認してこだわる。
ってのも、両方大事なデザイン要素•姿勢ですから。


好きから始めるデザイン

なので、そんなことを今の若者に伝えるときに
大事にしているのは、
「好きこそものの上手なれ」です。

デザインに興味ない人は「0」、それを「1」にしていきたい。
デザインに興味がある人は「1」、それを「100」にしていきたい。

好きになれば、その世界に興味をもつはず。
好きであれば、もっと理解や知見を増やしたいと思うはず。
と思っています。

知りたい、伝えたいという情報拡散が、
600年前からどんどん大きく速く、変わっていったように。

そのために、
デザインを体験しながら、楽しく、好きになってもらう。
好きなら頑張れるし、好きだからこだわれる。

一方的な講義やディレクションではなく、
自分で作った体験や、そのアウトプットを通じて
自分や他人と向き合ってもらう。
デザインを好きになる第一歩はそこかなと思っています。


せっかくデザインするなら

そんなデザインの思考を持った人が世の中に増えれば、
きっと世の中はもっと素敵になると思っています。

数打つことももいいけど、
せっかく作るなら素敵なデザインにしよう。

かっこいいから欲しくなる。
可愛いから持っていたくなる。
好きだから大切にする。
素敵だから人にも勧めたくなる。

そんなデザイン、地球環境的にもいいですよね。



紙媒体でも、デジタル媒体でも、
素敵な事に越したことはありません。

人の時間は限られています。
情報コンテンツやチャンネルが飽和してきたら、
質のいいチャンネルしか見られなくなります。

きっとそろそろ一周回って、
量より質が重視になるかもしれません。
そのために今のうちからこだわりを持って作って、
デザイン力、クリエイティブ力を
高めていくのが、これからを生き抜く力になると
思っています。
デザイナーに限らず。

reデザイン?

僕のデザインのスタンスは「礼節と反骨」。
そんなことを思ったのは数年前からです。
敬意を持って固定観念を更新していきたいと
思っています。

きっと、生まれ育った東京を離れ、
隠岐で生活していることもそうなのかもしれません。


今までは、
自分や対象を掘り下げて追求して鍛えていくことが成長だったとしたら、
これからは、
多様な多世代とのコラボで、互いのリスペクトと違いを知って高め合う事が成長になると思います。

自分を深めてアイデアを磨くことも、他と混ざってブレストすることも、もちろんどちらも必要な要素ですが、互いのコラボで時代の変化のスピードを超えて、アイデアを最適化するのは、これからもっと必要になってくるんじゃないかと思います。


多様で多世代によるデザインのリターン、「reデザイン」。
これが、reデザインなのかどうかは
書いててよくわからなくなってきましたが。。。汗

素敵なものを作って、素敵な世界を繋げていく、リターン。

そんなことを考えることが、
次のデザインへの模索なのかもしれないなと思って、
変化と挑戦を続けたいと思っています。

今月もありがとうございました!




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