02木の棒

夏の思い出の擬態虫レポ2016

今年の夏、私は静岡のイベント行った。そしてせっかくの遠出なのでそのまま独り旅をすることにした。

私が滞在したのは林の中のちっちゃいコテージ。特にどこへ行くわけでもなく、私は真昼間に林を眺めながら外で独り酒を飲んで楽しんでいた。これは旅の醍醐味(*´▽`*)

木漏れ日がキラキラと光る、のどか過ぎる昼下がり。爽やかな木の香りと独り酒…。

・・・・・・

5分もしないで寂しさが襲ってくる(早い)

独りぼっちを噛みしめ始めていたその時、私の視界に入った何やらへんな動きをする木の枝…。そこにいたのは木の枝に擬態しているナナフシ君だった。


一度存在に気付いてしまうと擬態してるのがバレバレなナナフシ君が可愛くて仕方がない。「バレてるよ!枝じゃないってバレてるよ!!」と言いたくなる。すかさず本物の木の枝を手にする私。

そして優しくツンツンするとナナフシ君はゆ~っくりと体を仰け反らせて「やめろ~」と言ってきた。可愛い…。


私は酒をちびちびやりつつナナフシ君をツンツンと愛でていると、酒気帯びの私目掛けてアブが飛んできた・・・。
アブは蜂に擬態してる虫なんだっけ?とにかく人間狙って刺してくる恐ろしい虫である。。。。私は速攻室内に逃げた。(外の滞在時間およそ10分)

逃げた先、そのちっちゃいコテージは隙間風がぴゅうっと吹くような穴だらけの木造だったので、室内に入るとまた不思議な生物が私を待っていた。

そいつはパッと見ではゴミ屑が動いてるとしか見えない。しかし確かにヨチヨチ動いている。

何だこれは・・・。

じーっとそれを見ているとそれはピタっと止まって擬態を成立させようとしてきた。

いやいや、バレてる、バレてるよ・・・(可愛い・・・)
コイツも絶対なんかの虫であることに間違いない。ただ擬態にしては妙に体(ゴミ屑部分)がもろく取れてしまいそう。虫の体が擬態してるわけじゃないのかな??

私はそいつをコピー用紙の角を使ってゆっくりヒックリ返してみた。

ヒックリ返してもしばらく動かなかったが、しばらくするともがき始めた。起き上がろうと必死なのだが、どんなにもがいてももがいても正位置には戻らない。どうやら背負っているゴミ屑が多いのだ。

すると次の瞬間。

背中のゴミ屑をポイポイ捨て始めた。さながら「やばいー!」と言っているようだった。

たぶんコイツは人生の中でヒックリ返った事がなかったのだろう。

やっとバランスが良くなり正位置に戻ったそいつを、もう一度ヒックリ返して見たが次は容易く起き上がってしまうのであった。(虫君!経験を積んだのね!)

ちなみにそいつの正体はクサカゲロウの幼虫で、ゴミ屑を背負うタイプとそうでないタイプといるらしい…。ゴミを背負ってないと結構グロテスク。

アブラムシやダニやシラミを食べてくれる人間にとってとっても頼もしい益虫らしい。

虫って可愛いな。

そんな風に思っていたら、トイレに全長10cmぐらいのムカデが出現した!!!!!

ムカデ・・・・人間を猛毒な何かで刺す・・・。一匹をその場で始末すると、つがいのムカデがそいつを探しにまたやってくる・・・という噂。

迷信なのかなんなのか、私はその情報を知っていた。

そしてお節介なおばさんが言っていた事を思い出した。
「潰すと匂いが出てつがいが来ちゃうから、割り箸ではさんでトイレに流しちゃうのがいいわよ」

な、なるほど。。。実践してみよう。。。。











予想を遥かに超えて激しく仰け反りながら反抗するムカデの姿にドン引きし、ムカデを落としてしまった。もう一度試みるも割り箸なんてリーチの短い物で捕獲するなんて私には到底無理!

ムカデがすごすごと箱の後ろに行ってしまうのを私は遠くで見守る事しかできなかった。


見たことが無いような怖い虫や可愛い虫がたくさんいる林の中。小さなサバイバルがそこにはあった。




おしまい

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