見出し画像

イタリア | ミュージック・ジャーニーvol.38

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、ヨーロッパ南部に位置するイタリア共和国へ、イタリア文化会館、イタリア政府観光局(ENIT)の皆様とともにご案内いたします。

イタリアの国土は、南北に長く、ブーツのような形状をしており、国内には55の世界遺産(2021年7月9日現在)があります。気候は、日本と同じように冬は寒く、夏は暖かく、四季がはっきりとしています。
ドレミファの音階をはじめ、世界中で使われている音楽の標語や五線の楽譜、そして、ピアノやヴァイオリン、オカリナなどの楽器が生まれた「音楽の国」です。
旅のはじまりに、2017年の「ビバ!イタリア 魅惑のカンツォーネ・ベスト・セレクション」公演より1曲お聴きください。

1.「タイム・トゥ・セイ・グッバイ(君と旅立とう)」
演奏:フランチェスコ・マラペーナ、トカフィエロ・バンド

イタリア北部の都市ミラノ、ヴェネツィア
はじめに、北にアルプス山脈をのぞむイタリア北部を巡っていきましょう。この地域には、イタリアを代表する世界都市、そして「ファッションの都」ミラノがあります。世界遺産にも登録されているレオナルド・ダ・ウィンチの名画『最後の晩餐』は、市内のサンタ・マリア・デッレ・​グラツィエ教会・ドメニコ会修道院で見ることができます。

画像1

オペラの殿堂ミラノ・スカラ座は、1778年に開場し、これまでトスカニーニをはじめ、世界的な音楽家が、芸術監督、音楽監督として迎えられイタリアオペラ界の最高峰とされています。今日に至るまで多数の優れたオペラが初演されました。第二次世界大戦で破壊されましたが、戦火がおさまったあとにミラノ市民は、最初に、スカラ座の再建にとりかかったことでも有名です。

画像2

画像3

また、北東部アドリア海のラグーン(干潟)にあるヴェネツィアは、世界遺産にも登録されています。街を流れる運河と様々な建築様式の建物が並ぶ光景は訪れる人々を魅了しています。毎年8月末から9月初めには、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭「ヴェネツィア国際映画祭」が開催されます。なお、17世紀にこの街で撥弦楽器「マンドリン」が誕生したことでも知られています。

画像4

ここで、イタリア北部のブードリオという街で誕生し今や広く普及している楽器「オカリナ」の演奏をお聴きください。
演奏しているオカリナ七重奏団 「G.O.B.」は、今のオカリナの原型を作った職人、ジュゼッペ・ドナーティの流れを組む、150年以上の歴史を刻む由緒正しき正統派グループです。大小異なる7つのオカリナを巧みに操る彼らのパフォーマンスは、国内外で人気を集め、2011年にはイタリア文化省によって、楽団の存在自体が「文化遺産」にも認定されています。

2.「ウィリアム・テル序曲」 
演奏:オカリナ七重奏団 「G.O.B.」

イタリア中部の都市ローマ、ピサ、フィレンツェ
さて、次はイタリアの首都がある中部を巡ってみましょう。「永遠の都」とも称される首都ローマには、紀元前800年頃に拓かれた古代ローマを今に伝える遺跡や歴史的建造物が数多く残っています。中世のバロック建築物と古代建築が混在するその美しい街並みに、世界中から観光客が訪れています。

画像5

画像6

中部には、斜めに傾いた塔で有名なピサ、そして、ルネサンス文化の中心地で現在は、街全体が世界遺産に登録されているフィレンツェがあります。フィレンツェには、ミケランジェロの「ダビデ像」やダ・ヴィンチの「受胎告知」等の巨匠達の作品を鑑賞できる美術館が集まっています。

画像7

画像8

民音音楽博物館に所蔵されている「ピサ・チェンバロ」は、1580年から1600年の間にピサ又は、フィレンツェで製作されたもので、今もその音色を楽しむことができます。(2021年11月現在)博物館は休館中のため、動画にてお楽しみください。

南イタリアの都市ナポリとシチリア島
北部から中部と巡ってきましたが、旅の締めくくりは、南イタリアです。
ここには、国内第3の都市ナポリがあります。ナポリ湾に面した港湾都市で、ヴェスビオ火山との景観は、「ナポリを見てから死ね」というイタリアのことわざがあるほど美しく、ナポリの民謡「サンタルチア」にも歌われています。
また美食の町として世界的に有名で、ピッツァ・マルゲリータはナポリが発祥と言われており、港町ならではの新鮮なシーフードをふんだんに使った料理も魅力的です。

画像9

ここで2017年「ビバ!イタリア 魅惑のカンツォーネ・ベスト・セレクション」民音公演より、ナポリで誕生した曲を2曲お楽しみください。

3.「サンタルチア」  
演奏:ファブリジオ・フィエロ、アウレリオ・フィエロ・ジュニア、フランチェスコ・マラペーナ、トカフィエロ・バンド

4.「オ・ソレ・ミオ」 
演奏:ファブリジオ・フィエロ、アウレリオ・フィエロ・ジュニア、フランチェスコ・マラペーナ、トカフィエロ・バンド

ナポリで誕生した楽器

画像10

ナポリ近郊には、火山の噴火によって街が丸ごと埋もれてしまったことで知られる「ポンペイ遺跡」があります。火山が噴火した際の火砕流によって、一晩にして消滅したといわれ、小説にもなったポンペイ。悲劇的な災害ですが、街全体が火山灰に覆われ一瞬にして地中に埋もれたことにより、建物や芸術品、壁画までもが非常に良い状態で残っています。その損傷の少なさから当時の生活文化が明らかになってきました。かつてそこで暮らしていた人たちの生活を2000年の時を経て感じることができる貴重な場所です。

画像11

ここでオカリナ七重奏団 「G.O.B.」の演奏でナポリの舞曲タランテラのリズムをお楽しみください。

5.「ナポリ・タランテッラ」 
演奏:オカリナ七重奏団 「G.O.B.」

ブーツ型をしたイタリアの「つま先」のすぐ先にあるシチリア島は、地中海最大の島で、映画「ゴッドファーザー」の舞台となった場所です。様々な文化の影響を受けたシチリア島は、独特な文化が根付いて、シチリア民族の伝統音楽舞踊を今に伝えています。

画像12

画像13

旅の最後に、2021年4月13日に、イタリア文化会館主催で開催されたオンラインコンサート“ロベルト・ガット コンサートPerfectrio”をご紹介させていただきます。イタリアを代表するドラマーのロベルト・ガットらによるジャズの演奏をどうぞお楽しみください。

演奏:パーフェクトリオ
ロベルト・ガット(ドラムス)、アルフォンソ・サンティモーネ(ピアノ)、ピエルパオロ・ラニエリ(ベース)

画像14

皆さん、イタリア共和国への音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
今回、ご紹介しましたオカリナ七重奏団 「G.O.B.」は、2021年秋に日本公演を計画しておりましたが、コロナ禍の影響で延期となりました。是非、公演が決まりましたら、会場にてお楽しみいただきたいと思います。

音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/11030/min-on-music-journey-no-38-italy/

民音は、ミュージック・ジャーニーをはじめ、様々な音楽コンテンツを発信しております。詳しくは、公式SNS、YouTube、WEBサイトをご覧ください。スキやフォローいただければ幸いです。

・公式YouTubeチャンネル 「民音 Min-On」
https://www.youtube.com/channel/UCpRUH9jeJvYVjef7tklWQ-Q
・サブYouTubeチャンネル 「みんなで音むすび」
https://www.youtube.com/channel/UCPZ_9drTre43tshiX2ZuiyA
・インスタグラム https://www.instagram.com/min_on_official/
・Facebook https://www.facebook.com/MinOnConcertAssociation/
・公式WEBサイト https://www.min-on.or.jp/

この記事が参加している募集

#地理がすき

690件

#一度は行きたいあの場所

51,981件