これまでと、これからと
30代。
「まだまだ若いね。」
そう言ってもらえることもあるけれど、もう立派な大人でもあるお年頃。
これまでに積み重ねてきたものが良くも悪くも
それなりに表れる年齢だなあと、無職になってよく思う。
学生時代の先輩に、イラストレーターとして活躍してる人がいる。
その人は10年前は会社員をやりながら絵を描いていて、そのうちにどんどん知名度が上がり
いまでは大企業とコラボしたり個展を開いたりと、
すっかりアーティストになっている。
友達は新卒からずっと同じ会社に勤めていて、
キャリアを積み、管理職に就くなどして順調に次のステージへと進んでいる。
10年前は会社員で、
いまはイラストレーターの先輩。
昇進する友達。
独立する友達。
みんな本当にすごいなあと思う。
対してわたしは、この10年で一体なにを積み重ねてきただろう。
長く旅行サービス業をやっていて、コロナ禍で失業。
しばらく派遣で転々として、職業訓練校で技術を学び、憧れていた編集者になるも体調を崩して退職。
現在無職。
体調が良くなってきたので、
よし!働くぞ!と転職活動をするも
ふと、わたしはいつまでも何をやっているんだろう。と思うことがある。
何度目かの転職活動に
この10年で何枚履歴書を書いただろう。
あと何回、こんなことを繰り返すんだろう。
そう思っては、途方もない気持ちになった。
少し進んでは振り出しに戻されて
結局いつも同じところで足踏みしてる。
何かが進んだようで進んでない。
こうして転職活動をしていると
自分のできる仕事って少ないな、
自分って大して何もできないんだなあ…と思い知らされる。
いつまでも何者にもなれず、もがいている自分。
わたしは、なにがしたいんだろう。
どう生きたいんだろう。
そんなことがわからなくなって
もう何もかもがどうでもいいや。とヤケクソになって、求人サイトのお気に入りリストに入ってた求人に片っ端から応募した。
結果、敗北。
何件かお祈りされて、何件かはなんの連絡もない。
人によっては「まあ、転職活動なんてそんなもの」という人もいるだろう。
だけどわたしは、こんな風に乱れ打ちして撃沈するんじゃなくて
やっぱり心から働きたいと思えるところに応募したい。
そして再び、
「なら自分は何がしたい?」
ってことに向き合うようになった。
もし何にでもなれるなら…
そんな想像したとき、童話作家になりたいと思った。
昔からの夢である。
絵本作家もいいな。
画家や小説家も素敵。
そんな風にやりたいことや夢は、意外にもポンポンでてくる。
小さい頃から変わらない、将来の夢。
けれどもちろん、わたしにはそんな画力も文章力もないわけで。
夢があったとしても、明日から急になれるわけではないのだ。
なりたい自分とか、やりたい仕事とか、夢とかって難しい。
それなら。
「明日の自分は何がしたい?」
これはたくさん出てきた。
「明日は興味のある仕事を、思いつくまま日記に書き出してみよう。」
「あの人に手紙を送ろう。」
「料理を作ろう。」
すると、見えてくるものがいろいろあった。
「あ、この仕事やりたいかも。」
「やっぱりわたし、書くことが好きだなあ。」
「こうやって料理したり、生活する時間も大切にしたいな。」
こんな風に、少しずつ少しずつ、考えがまとまってくる。
高く高く目標を設定するのもいいけれど、
明日の自分には何ができるかな。
そう考えて
やってみて、
そのときに芽生えた気持ちが少しずつ少しずつ、夢や目標に近づいたりするのかなあ。
そんなことを思う日々。
これまで大した経験もスキルも積み上げてこなかった、何もできないわたし。
だけど、これから何かになれるかもしれないわたし。
死なない限り、わたしはわたしを続けていかないといけない。
そして自分のこれからは、明日の自分が少しずつつくってる。
そう思うとちょっとだけ、
明日も頑張ろうかな。
そんな気持ちになってくる。
人生が山だとするなら、
わたしはいまどのくらいの場所にいるのだろう。と、ふと思う。
もうすぐ頂上?
それともまだ登山口?
もしかして、登ってもいない…?
まさか、ずっと足踏みしてた…?!
…まあそれでもいい。
いまの自分にできることをやっていきながら
準備体操をして、ゆっくり登ろう。