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授業を受けない子がいなくなるベイビーステップ【行動経済学×学校教育】

授業を受けない子、なんとかしたい

授業を受けない子には、いろいろなパターンがあると思います。自分の世界に入ってしまう子、学力が低くやりたがらない子、やろうとするけれど分からなくて拗ねてしまう子、いわゆるヤンキーで学習に取り組もうとしない子、さまざまだと思います。

上の記事にあるように、授業を受けることが難しい子達が集まった特殊な学校で、私は授業をすることになりました。彼らはそう長く施設にいることはできません。1年ほどすると、元の場所へと戻っていきます。彼らとの出逢いと別れを繰り返すうちに「授業を受けない子を何とかする?いやいや、そんなちっぽけな思いじゃなく、彼らの血となり肉となる、生きるための力をつける授業を届けたい」と考えるようになりました。実はこの考えこそが「授業を受けない子」に対するアプローチにおいて重要な観になります。

ベイビーステップとは?

スモールステップという幻想

「スモールステップ」という言葉、先生方はよく耳にされるかと思います。目標を細かく分け、かんたんな内容から少しずつ達成していくことを指します。指示や授業の構成など、このスモールステップで構成されていることが望ましいとされています。しかし、このスモールステップは教師による経験則(ヒューリスティック)で定められることが多いかと思います。

そのステップは、本当にスモールであるのか?
1人も見捨てない気概のあるステップであるのか?

8割の子ができ、2割の子を見捨てるステップを「スモールステップ」と呼んでいるかもしれません。実際、私のいた特殊な学校では、まさに2割のドロップアウトした子たちが来ていました。本当は「学びたい」のにも関わらず。では、授業を組み立てる際、何を意識すると良いのか。それがベイビーステップです。

クラス全員が必ず学べるベイビーステップとは?

ベイビーステップは、文字通り赤ちゃんでもできるという意味です。クラスのどの子もステップを踏める授業構成を取り入れるということです。といってもどうすればよいのか。以下に例を示します。

・課題の解答を先に前黒板に貼る。見たければ見て良い。
・いつでも誰にでも、聞ける環境を用意する。
・友達の解答をノートテイキング(写すだけ)するのもOKとする。

これらの環境を用意することで、自分の世界に入ってしまう子、学力が低くやりたがらない子、やろうとするけれど分からなくて拗ねてしまう子、いわゆるヤンキーで学習に取り組もうとしない子、全ての子に対応できます。誰に頼ってもよい、自分のタイミングでよい、ただ写せばよい、赤ちゃんでもできることにまで落としています。

「それは勉強ではない!」「学びの質が!」という声

もちろんです。大切です。しかしです。こちらの都合、教師のエゴ、を押し付けるのではなく、「彼らが学ぼうと思える環境作り」から全ては始まります。「学習に対する姿勢」「学習の量」から始まり、「学習の質」は最後です。私含め教師はこれを全てごちゃまぜに進めてしまいがちだと思います。

じゃあどんな授業すればいいの?

上の記事が、先人たちの知恵を借りながら編み出した授業法です。
2年かかりましたが、一切ペンを握ろうとしない生徒が学び出した
「リアルな泥臭い実践」です。

どんな授業法も完璧はないと思いますし、「事象の途中」であることに間違いはありません。毎日、新たなことを考えていますが、信念はブレません。

目の前の1時間、1単元に一喜一憂するのではなく、彼らの遠い未来を願うことだけです。それが一番強力な授業法かもしれません。

スモールステップは教師の「得」から生まれるもの
ベイビーステップは教師の「心」から生まれるもの


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