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甲状腺乳頭癌の話10 いざ、心療内科へ

自分は、それまでの人生で、心療内科へ行ったことがありませんでした。
そのため、どこに行けばいいか、そこから調べる必要がありました。
ネットでは情報がありすぎて、何を頼りにしていいかわかりません。
かといって、この手のことで、誰かに聞いたり、紹介してもらうというのは、聞かれる方も困るかもしれません。
そもそも私自身があまり人に知られたくないという点から抵抗がありました。
そして結局、別の診察で行くことが多い病院の心療内科へ行ってみることにしたのです。

心療内科の診察というと、時々外国映画やドラマで見かけるような、
長椅子に座り、若い頃のアンソニー・ホプキンスやコリン・ファースのような知的で穏やかなヒーラーのような先生が、クラシックをBGMに静かに話を聞いてくれる、
といった治療をどうしても想像してしまっていました。

ですが、
日本の心療内科では、認知行動療法などの心理療法も行うアメリカの精神科の診察とは違い、症状に応じて薬などで対処していく診察になるそうで、心理カウンセリングは臨床心理士等による保険適用対象外の行為、というシステムになっているとのことでした。

初、心療内科へ。
診察室に入ると、どちらかというと、真面目という言葉がよく似合うNHKのアナウンサーのような先生が、優しく迎えてくれたのでした。

私は自分の癌の話、その経緯と現状、夫の病気のこと、そして友達に言われた言葉、それに対する自分の感想、その後に起こった不眠サイクル、特にネガティブ発想からの、胸のあたりの焦り感から逃れられなくなるといった、得体の知れないものに取り憑かれてしまったかのような思い通りにならない心と身体の感覚について、
詳しく話したのでした。

先生が話したいことを話してください、と仰ったので、その通りにしたのですが、まるで人生相談をしているような、愚痴を聞いてもらっているような雰囲気になってしまい、途中で恥ずかしくなりました。

先生はただ黙って聞いてくれました。

日本人は遺伝子的に、ストレス物質の作用を抑えてくれる物質、セロトニン不足に陥る人が多く、それが鬱に結びつく傾向があるそうです。
また甲状腺疾患のある人には精神疾患が悪影響を及ぼすという結果が出ているそうで、鬱になる人が多いということもわかっているそうです。

というわけで、私、当てはまってしまいました。

→続く

お読みいただき、ありがとうございました。

追記:見出し画像は、いらすとやさんからお借りしました。ありがとうございます!

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