マガジンのカバー画像

HISTORY|わにぶちみきのヒストリー

6
わにぶちみきの制作の原点からその道程をたどる物語。
運営しているクリエイター

#抽象画

History#5 世界とつながること

History#5 世界とつながること

答えのはやい時代

なんでも答えのはやい時代になりました。スマホひとつであっという間に求めている答えが見つかります。便利で手軽な世の中だというプラスの側面もあるのですが、わたしは手元のスクリーンばかりを見ている人々に(わたし自身も含め)、ある種の怖さを感じています。わたしたちにはまわりの世界がほんとうに、リアルに、見えているのか?と。

もともと人というのは見たいものだけ見る性質があります。最近は

もっとみる
History#4 英国留学|2|

History#4 英国留学|2|

ある種の真理への到達を予感

水平線も地平線も英語では「horizon」と表現します。平行線という意味の言葉です。日本語の「平行線」には「交わることができない」という若干の負のニュアンスも含まれますが、horizonには物理的に平行であるという意味があるだけです。むしろ「“視野”を拡げる」という慣用句にも使われるような、世界の広さや意識の広さ、物事のあたらしい地平を思わせる広がりがあります。

もっとみる
History#2 そらの色くうの匂い

History#2 そらの色くうの匂い

大学時代からのコンセプト

大学時代からしばらくは「そらの色くうの匂い」と題して、身のまわりの風景と自身の大きさとの対比から「わたし 対 外界」を意識した制作に移行します。

じぶんの存在の小ささや儚さをとても内省的に捉え、詩作も多く行いました。空と人工物との境目、境界線。空の色の移り変わり。季節や時間での色の移り変わり。そこに人間としてのじぶんの存在のちっぽけさや儚さ、そして諸行無常に切なさや悲

もっとみる