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「なぜ人は仕事で病むのか。」新卒2年目で精神崩壊したストイックサラリーマン

社会人のはじまり

「なんでもやります。とにかく僕にどんどん仕事をやらせてください。」

大学卒業後、老舗の日経大手企業に就職した自分は「やりたいこと」を模索していました。
私立文系の大学を卒業し、いわゆる「人気企業」に就職した経験がある方はこの「やりたいこと」がないことによる漠然とした不安をわかっていただけるのではないでしょうか。

就職したのは、業界トップの大手印刷会社
印刷会社というと、チラシやカタログを大量に印刷して納品する一昔前の業務を想像する方も多いかと思います。
しかし近年はITソリューションや、自治体系の運営業務をまるっと企画したりと、広告代理店や商社のような仕事にも足を染み出し、学生にとっていわゆる「人気企業」となっていました。
近年では社名から「印刷」という文字が消えていたほどでした。

学生時代、音楽と酒に溺れてやりたいことがなかった自分は「いろんなことができるところに入るんだ」という軸で企業を探していました。
たくさんの業界といろんな仕事ができるという理由で辿りついたこの会社。
仕事を通じて自分の進む方向性を定めるのが自分の目標でした。

入社後上司に「君はどんなことがしたいの?」と聞かれた自分はもちろんこう答えます。
「なんでもやります。とにかく僕にどんどん仕事をやらせてください。」

すぐに抱いた違和感

配属後、自身の教育担当と中期の業務計画を立てていきます。
印刷の見積もりの作り方、印刷機の仕組み、印刷業界の仕事の流れ。
また、研修や先輩同行の他に降ってくる仕事は、印刷物の原稿をカッターで工作して作るといった仕事でした。

やる気に満ちていた自分は先輩が帰るまでとにかくやれることをやろうと、自ら業務を探してとにかく走りまくっていました。

しかしこんな生活が3ヶ月ほど続いた時に違和感を抱きます。
「自分も周りも印刷の仕事しかしていない。」
進む先を見定めるために入ったこの会社。
印刷のことだけをやり続けて、自分の強みは分かるのか?
どこに行っても戦える力は培われていくのか?

心がもやっとしたその時から、ふってくる仕事が突然やらされ仕事のように感じるようになりました。
しかしやる気だけは秋空のように高かった自分は「なんでもやります。とにかく僕にどんどん仕事をやらせてください。」と同じセリフを繰り返し発信していました。
今振り返ってみて思いますが、自分はどんな仕事でもやりたかったわけではなく、どこに行っても役立つ力がつくと感じられる仕事がやりたかったのです。

精神崩壊した2年目

周りの環境のせいにしたくなかった自分は、超絶仕事のできる部長の力を借りて、印刷ではない大きな新規案件を受注します。
それは大手のとある会社のショールームに、看板となるドデカモニターとそのアプリケーションを作るという仕事でした。いわゆるITの仕事で、大きなカタログを新規で受注する並みの金額もいただける仕事でした。

不慣れな代理店業務であったため、休日も緊急対応に追われますが、その仕事は自分の精神を大きく回復させてくれました。
「強くなっている。どこに行っても戦える力がついている。」そんな実感を得られていました。

案件は無事に終了し、この案件は、同社の他拠点にも展開するかというグループでも期待の仕事へと育っていました。
しかし迎えた半期決算。
案件の数字は、なんと自分ではなく、自身の教育担当の先輩へと付けられていました。印刷業務もしっかりやろうというメッセージだったとのことです。

代理店案件を取られたそこからは、地獄の日々でした。
印刷の仕事をキャパフルに任せられ、そこに対する情熱も抱けないためミスも頻発します。長期休暇も会社に呼び出され、ミスの対応。
社内外への謝罪、謝罪、謝罪。

気づくと自分は、メールボックスを全く開くことができなくなるほどに精神を病んでいました。

ある日上司から「全ての案件がズタボロだけどどうしたの?」という電話に、とうとう泣きを伝えます。
「もうダメです。全ての案件を巻き取っていただけないでしょうか。」

こうして自分のファーストキャリアは終了しました。

Want toの魔力

新卒2年目、リクルートという会社に転職した自分は、ファーストキャリアのパフォーマンスからは信じられない速さで成果が出ました。
入社して1年で全国表彰を獲得し、2年目には全国2位の表彰、3年目には全国プロジェクトの推進メンバーに呼ばれ、社外ベンチャーからも声がかかるようにまで成長します。

なぜリクルートという会社で大きく成果が出たのか。
これはWant to、つまり「やりたいこと」の言語化であったからです。

自身のやりたいことに気づけたのはコーチングというサービスに投資したことがきっかけでした。
複数にわたるセッションの中で見つけた、自分のWant toとは「アプリケーションではなくOSの力を付けたい」というものだったのです。

アプリケーションとは「業務を遂行する上で必要とされる部分」OSとは「ビジネスパーソンとして共通で必要とされる能力」です。
これに気づいてからは生活が全く変わりました。

毎日1冊ビジネス書を読み、異業種の仕組みもインプットしにいき、ビジネスパーソンとしてのスキル・スタンスも0から学びに行きました。
社外の人間にも本当にたくさん会いに行き壁打ちをしました。
金融、証券、業界人、同業種、経営者、不動産、プロ個人事業主、医療業界、小売…などなど。

こうして自らOSの力をつけ、リクルートでもOSの力で戦う。
こうした毎日が本当に楽しく、気づけば朝まで仕事をしていたり本を読んでしまうことあります。

人間の原理原則

自分は今Mr.Coachというコーチングスクールに通い、人のモチベーションや思考の原理を学んでいます。
このWant toの魔力は前回受講したDay2で触れられた内容でした。
Have to(やらなければならない)ではなく、Want to(やりたいこと)で自分のゴール・目的を定める。

自分はまさに、ファーストキャリアのHave toで動いていた状態から、やりたいことの言語化がなされたことでWant toの原動力で体が動くように変わっていたのです。

授業の中で人間の仕組みに触れながらここが解説されていました。
人間はRAS(Reticular Activating System)という意識を向けて得ている情報と、スコトーマと言われる盲点があります。

自分にとっては「本を読んで勉強する」とか「社外の人に会いにいく」といった行動の変化はまさに盲点だったわけです。

ゴールを「いろいろやってやりたいことをみつける」から「OSの力をつけるために社外で自らインプットしたことを会社で試す」に変えた途端、みていた情報RASの発火ポイントが変わって、盲点が見えるようになったということです。

最後に

このnoteを読んでやりたいことが見つからないという方がもしいたら、ぜひコーチングを受けてみてください。
自分もコーチングを提供していますので、もしご興味あればお声がけいただけると幸いです。
盲点は特別なことがないと絶対に気づけないので、プロの手を借りてゴールを設定しにいくのはめちゃくちゃオススメです。

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