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現代の小説2022 短篇ベストコレクション

毎年恒例の、短篇ベストコレクション 現代の小説2022を読んだ。


【収録作品】
何ひとつ間違っていない 井上荒野
マスク・オブ・モンスターズ 荻原浩
裸婦と裸夫 小田雅久仁
春と殺し屋と七不思議 黒木あるじ
ミソサザイ 小池真理子
加賀はとっても頭がいい 佐々木愛
接待麻雀士 新川帆立
オリーブの実るころ 中島京子
呼ぶ骨 パリュスあや子
キドさんとドローン 湊ナオ
魂疫 矢樹純



【何ひとつ間違っていない】
全体的に文の書き方が好きだった。
これをきっかけに白川は筆を折ってしまったのではなかろうかと心配になる。
だけど主人公だった確かにサラリーマンだ。会社がそうと決めたらそれに従わなければいけない。
白川は絶望の淵にいても、主人公は主人公の人生があって、仕方ないけど複雑。


【マスク・オブ・モンスターズ】
貞子vs伽椰子だwww「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」w
難しいよねマスク問題。だけど服装と同じTPOで着けるとこでは着けるべきとは思うけど。郷に入っては郷に従えとかね。
マスクに対しては国もこういう場面では外していいって出してるし、外で人との距離があって1人で喋らないなら外してる。
前に飛行機でマスク拒否男おったけど、いーいう子供の駄々こねはないわーと思う。結局あの人懲役4年求刑されてたね。刑務所で徹底的に矯正教育を受けるべきとまで言われていたし。


【裸婦と裸夫】
全然いけてない俺が裸婦展に行ってうんたらかんたらって日常系の話かと思ったら、全裸男が出てきてからギアが上がった。
ポニーテール女子について気持ち悪い感想はウゲッと思ったが、読み進めて行くとゾンビ系かな?と思ったらそれでもなく、なに系なの!?と最後まで気になって読んだ。
解説に「最後は壮大な物語が現出する。驚きに浸ってもらいたい」とあるが、本当にその通りだなと思った。


【春と殺し屋と七不思議】
黒木あるじさんの名前を調べたら、怪談の人?
話しの出だしが”殺し屋”との出会いだったから、殺し屋の話かと思ったら怪談で驚いた。
そして主人公がもう人間じゃなくなっていたのも驚いた。それでタヌキとキツネに出会った時、2人驚いてたいのか。
人間の世界に返してもらえるのかと思ったら処分で悲しい。
まさか怪談の話しでもコロナが関連して出てくるの驚いた。時代か~。
コロナ時代と怪談の結び付けってこーなるのかーと思った。


【ミソサザイ】
おばさんから呼ばれた瞬間、「これおばさんとエッチな展開?」って凄くしてたwエッチしなかったので良かったwww


【加賀はとっても頭がいい】
コロナ時代になった毎日体温をどこらかしらで測る現代。
自分の好きな人のお湯につかるって考え、めっちゃいいね!斬新で今までにないオタク的考え。いつかやってみたいけどできるとしたら夏だなw
同じ男性を好きな男女。最終的にくっつくのかなと思ったらそうはならなかった。そっか~;;


【接待麻雀士】
スリル~!もう誰が敵で誰が味方か分からないハラハラ感。
荒療治ではあるが、嵌められたおかげで将棋以外の外の世界がやっと見れた。
これなら将棋なしでも逃亡して生きていけそう。
あの由香里はムカつくけど。


【オリーブの実るころ】
コロナのおかげ?で、簡単にかつ自然な形で作中の人物を殺せるようになったなっと思う。
ノエさんの場所も分かって、2人共幸せだったのなら良かったと思う反面、本家の奥さんが可哀想とも思ってしまう。


【呼ぶ骨】
題名的にホラーかな?と思ってページを開くと、「呼ばれることがある」だったので、怪奇系かと思ったら泥棒の話しだった。
遺骨を窃盗して家に持ち帰ったので、そこから怪奇現状が起こる話しかと思ったら起こらなかった。
遺骨に対して自己解釈パワーで窃盗等をやめようと頑張る話しだった。


【キドさんとドローン】
「ドローンにつけられてる」新しいホラーでありそう。
ドローンの持ち主が本当にファン1号かはあくまで想像にすぎないんだから、ドローンの持ち主が気になる。真相が知りたい。
話しの終わりはヤギに対するところで、私も自分の範囲はここまでって決めるのではなく、気になったら食べたくなったなら、もっと外へ外へ出て行くようにしたいという前向きな気持ちになれた。


【魂疫】
題名からしてホラーっぽいし、最後に来ているので恐る恐る読み始めた。
インフルエンザになって5日経ってから家に行ったシーン、「来る!!」って感じがヒシヒシとしてドキドキして読んだ。そしてやっぱり来た。
猫が食べてた時は怖かった~;;
そして最後、主人公も骨を食べてるの怖かった。そんな時見られたら、100%頭が狂った人だよね。



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